Homecomingsと羊ひつじ文学ぶんがく、共鳴きょうめいし合あう2組くみが京都きょうとの街まちに響ひびかせた重厚じゅうこうなバンドサウンド

Homecomingsが3月がつ29日にちに地元じもと・京都きょうとのKBSホールで自主じしゅ企画きかくライブ「all the bright places "Here"」を開催かいさいした。

羊ひつじ文学ぶんがくのホムカミ愛あいにあふれたサプライズ

この日ひのゲストはかつてのレーベルメイトであり、Homecomingsが2021年ねんに東京とうきょう・LIQUIDROOMで開催かいさいした2部ぶ制せいの自主じしゅ企画きかく「"here"」で初はつツーマンを行おこなった羊ひつじ文学ぶんがく。互たがいに刺激しげきを与あたえ合あいながら音楽おんがくシーンを駆かけ上あがってきた2組くみの4年ねんぶりの競演きょうえんにチケットは即日そくじつソールドアウトとなり、会場かいじょうとなるKBSホールは開演かいえん前まえから音楽おんがくファンたちの高揚こうよう感かんに満みちていた。

トップバッターを務つとめる羊ひつじ文学ぶんがくは、サポートメンバーにユナ（Dr / ex. CHAI）を迎むかえて登場とうじょう。ミディアムナンバー「hopi」でライブの口火くちびを切きると、徐々じょじょに熱ねつを帯おびていく優やさしく繊細せんさいなサウンドに、淡あわい歌声うたごえを乗のせて観客かんきゃくを楽曲がっきょくの世界せかいへと引ひき込こんでいく。3人にんがギアを上あげるように「あいまいでいいよ」の演奏えんそうをスタートすると、マイクスタンドやドラムセットに飾かざり付つけられた電でん飾かざりが鮮あざやかに点灯てんとう。これはHomecomingsがかつて取とり入いれていたステージ演出えんしゅつをオマージュしたもので、羊ひつじ文学ぶんがくからの愛あいにあふれたサプライズにフロアからは思おもわず歓声かんせいが上あがった。「泣ないてる人ひといる？」と呼よびかけて観客かんきゃくの笑わらいを誘さそった塩塚しおつかモエカ（Vo, G）。彼女かのじょはこのオマージュについて、「今日きょうだったら許ゆるされるかと思おもって（笑）。ずっと憧あこがれてたから真似まねさせていただきました」と嬉うれしうれしそうに語かたった。

その後ご披露ひろうされたのは、ドラマ「119エマージェンシーコール」の主題歌しゅだいか「声こえ」。羊ひつじ文学ぶんがくは息いきの合あったアンサンブルと情感じょうかんのこもったボーカルで観客かんきゃくを惹ひきつけると、深海しんかいを思おもわせるライティングの下したで壮大そうだいなサウンドスケープを描えがいた「人魚にんぎょ」、エモーショナルな初期しょきのミディアムナンバー「Step」など新旧しんきゅう織おり交まぜたセットリストで会場かいじょうを沸わかせた。塩塚しおつかはHomecomingsの新作しんさくが出でるたび、その音楽おんがく的てきな変化へんかと進化しんかに同おなじバンドマンとして勇気付ゆうきづけられていたと明あかし、「そのことをトミー（福富ふくとみ優樹ゆうき）さんに伝つたえたら、私わたしたちも勇気ゆうきを与あたえていたみたい。うれしいです。これからも一緒いっしょに育そだっていきたい。そんなトミーさんに勇気ゆうきを与あたえた曲きょくをやります（笑）」と告つげて、羊ひつじ文学ぶんがくが初はじめてシンセサイザーを取とり入いれた「OOPARTS」のパフォーマンスへと突入とつにゅう。異様いような熱気ねっきが立たち込こめる中なか、3人にんは「more than words」で観客かんきゃくの体からだを大おおきく揺ゆさぶったかと思おもうと、続つづく「Addiction」で轟音ごうおんを会場かいじょういっぱいに響ひびかせ、敬愛けいあいするHomecomingsへとバトンを渡わたした。

Homecomingsが地元じもと京都きょうとで魅みせたバンドの“今いま”

昨年さくねん11月がつにシューゲイズやエレクトロを大胆だいたんに取とり入いれたアルバム「see you, frail angel. sea adore you.」を発表はっぴょうし、以降いこうのツアーやライブを通とおしてその独自どくじの音楽おんがく性せいをより深化しんかさせてきたHomecomings。この日ひはアルバム収録しゅうろく曲きょく「recall（I'm with you）」に参加さんかしたThe Novembersの吉木よしき諒りょう祐ゆうをサポートドラムに迎むかえ、約やく90分ぶんの持もち時間じかんをストイックに駆かけ抜ぬけて満員まんいんの観客かんきゃくを唸うならせた。そんなHomecomingsのステージは映画えいが「三日月みかづきとネコ」の主題歌しゅだいか「Moon Shaped」で幕開まくあけ。イントロから歓声かんせいが上あがった初期しょきのキラーチューン「HURTS」では、そのみずみずしいバンドサウンドを浴あびたオーディエンスが楽たのしそうに体からだを揺ゆらして楽曲がっきょくを楽たのしんでいた。

その後ごの「euphoria / ユーフォリア」「recall（I'm with you）」では、バンドのオルタナティブかつエモーショナルな側面そくめんにフォーカスした演奏えんそうを展開てんかい。続つづく「Shadow Boxer」では、畳たたみ野の彩あや加か（Vo, G）の真まっ直すぐなボーカルと福田ふくだ穂みのる那な美び（B）の美うつくしいコーラス、メンバー全員ぜんいんで紡つむぐ地鳴じなりにも似にた力強ちからづよいサウンドが体からだの芯しんまで響ひびくような爆音ばくおんで届とどけられた。MCでは福富ふくとみ優樹ゆうき（G）がゲストの羊ひつじ文学ぶんがくについて「ずっと大好だいすきなバンドやし、ずっと一番いちばん新あたらしいアルバム、一番いちばん新あたらしい曲きょくが好すきなバンド」とひと言こと。そしてサプライズのステージ演出えんしゅつを振ふり返かえり、「あれはもともとPavementが解散かいさんする直前ちょくぜんに1年間ねんかんだけやっていた演出えんしゅつなんですけど、ちょうど羊ひつじ文学ぶんがくと出会であった頃ころのライブで自分じぶんたちもオマージュしていて。それをサプライズで再現さいげんしてくれてめっちゃうれしかった」と喜よろこびを露あらわにした。

畳たたみ野の彩あや加かと塩塚しおつかモエカの歌声うたごえが交差こうさした「Air」

後半こうはんに差さし掛かかると、Homecomingsはプロデューサーに亀田かめだ誠治せいじを迎むかえたオルタナティブナンバー「slowboat」や、楽曲がっきょく全体ぜんたいを包つつむ神秘しんぴ的てきなムードとノイジなーギターが美うつくしい調和ちょうわを生うむ「angel near you」など、最新さいしんアルバムの楽曲がっきょくを次々つぎつぎと届とどけてバンドの現在地げんざいちを提示ていじ。そして福富ふくとみによる浮遊ふゆう感かん漂ただようインストゥルメンタル「（all the bright places）」をインタールードに、温あたたかな音色ねいろのミディアムナンバー「Tenderly, two line」をじっくりと届とどけた。この日ひのハイライトの1つになった「Air」には、ゲストボーカルとして塩塚しおつかが参加さんか。ステージ後方こうほうの幕まくが開ひらき煌びやかなステンドグラスが姿すがたを見みせる中なか、自然しぜんと体からだが動うごき出だしてしまいそうな心地ここちよいダンスビートに、畳たたみ野のと塩塚しおつかの穏おだやかな歌声うたごえを溶とかして場内じょうないに幻想げんそう的てきな光景こうけいを作つくり上あげた。Homecomingsはその後ご、「US / アス」「blue poetry」で再ふたたびフロアに熱狂ねっきょうの渦うずを巻まき起おこし、深ふかい余韻よいんを残のこしてステージをあとにした。

アンコールでは、福富ふくとみが充実じゅうじつした1日にちを振ふり返かえり「羊ひつじ文学ぶんがくとのひさしぶりのツーマンをKBSという大事だいじな場所ばしょでやれてうれしかったし、どっちのことも好すきになってもらえた夜よるなんじゃないかなと思おもうので、またどこかでやりたいですね。これだけの人ひとが来きてくれたらどこでもできるから（笑）」と、羊ひつじ文学ぶんがくとの再さい競演きょうえんをファンに約束やくそく。そして最後さいごは「torch song」と「PAINFUL」の2曲きょくを大切たいせつそうに奏かなでて、この日ひの公演こうえんを締しめくくった。

Homecomingsと羊ひつじ文学ぶんがくの各かくSNSでは、本ほん公演こうえんのダイジェスト映像えいぞうが公開こうかいされている。

Homecomings Digest Movie

羊ひつじ文学ぶんがく Behind The Scenes

セットリスト

Homecomings「all the bright places "Here"」2025年ねん3月がつ29日にち KBSホール

羊ひつじ文学ぶんがく

01. hopi
02. あいまいでいいよ
03. 深呼吸しんこきゅう
04. 声こえ
05. 人魚にんぎょ
06. Step
07. OOPARTS
08. more than words
09. Addiction

Homecomings

01. Moon Shaped
02. HURTS
03. luminous
04. Here
05. euphoria / ユーフォリア
06. recall（I'm with you）
07. Shadow Boxer
08. ghostpia
09. slowboat
10. angel near you
11. （all the bright places）
12. Tenderly, two line
13. Air
14. US / アス
15. blue poetry
＜アンコール＞
16. torch song
17. PAINFUL

公演こうえん情報じょうほう

Homecomings presents「many shapes, many echoes」

2025年ねん7月がつ12日にち（土ど）大阪おおさか府ふ 梅田うめだCLUB QUATTRO
2025年ねん7月がつ13日にち（日ひ）愛知あいち県けん 名古屋なごやCLUB QUATTRO
2025年ねん7月がつ21日にち（月つき・祝しゅく）東京とうきょう都と 渋谷しぶやCLUB QUATTRO

※記事きじ初出しょしゅつ時じ、本文ほんぶん内ないの曲名きょくめいに誤あやまりがありました。お詫わびして訂正ていせいします。