──田中たなかさんが音楽おんがくを意識いしき的てきに聴きき始はじめた原はら体験たいけんは？

親父おやじがオーディオマニアというか、真空しんくう管かんのステレオを持もっていたんです。それで大だい音量おんりょうでクラシックを聴きいていて。その頃ころは子供こどもだったので、普通ふつうの子供こどもと一緒いっしょで「クラシックなんて聴ききたくないよ」なんて思おもっていましたけど。でも、大だい音量おんりょうで流ながれているクラシックを聴きいて、子供こどもながらに「音おとがいいな」くらいは思おもっていましたね。

──その頃ころにはどんな音楽おんがくを聴きいていましたか？

中学生ちゅうがくせいになる頃ころにイエロー・マジック・オーケストラがちょうどデビューして、THE BEATLESとか昔むかしの洋楽ようがくにも興味きょうみが出でてきて、当然とうぜん歌謡かよう曲きょくも聴きいてっていう時代じだいでしたね。音楽おんがくを聴きくのがとにかく楽たのしかった。

──その頃ころは、音楽おんがくはどうやって聴きいていたんですか？

小ちいさいポータブルのラジカセが、手てに入いれた初はじめての音響おんきょう機器きき的てきなものだったと思おもいます。あと“WALKMAN”も手てに入いれたんですけど、純正じゅんせいのイヤホンでも、アーティストが意図いとしたステレオ効果こうかみたいなものがわかって面白おもしろいなと思おもいましたね。ステレオ的てきな広ひろがりのほかにも、音楽おんがく的てきな奥行おくゆきがあるんだということもわかりました。

──自身じしんのプロジェクトに加くわえ、他たアーティストの楽曲がっきょくのリミックスなども数多かずおおく手てがけている田中たなかさんから見みて、最近さいきんのダンスミュージックやJ-POPはどんな傾向けいこうにあると思おもいますか？

今いまは宅たく録ろく的てきな打うち込こみで作つくった音楽おんがくも、正統せいとう的てきなエンジニアリングが通とおった音楽おんがくも、音質おんしつ的てきには昔むかしほど差さがなくなってきています。逆ぎゃくに、これまでプロのエンジニアが行おこなっていたセオリーみたいなものを無視むししたダンスミュージックが多おおくて。さらにそういったダンスミュージックの影響えいきょうを受うけたJ-POPが出でてきたりして。だから、面白おもしろい時期じきだと思おもいますよ。

──セオリーを無視むしした、とは？

例たとえば、これまでだったらエンジニアにカットされていた高こう域いきをあえて残のこしているようなダンスミュージックやJ-POPが最近さいきん多おおいんです。だからそのぶんキツく聞きこえてしまうこともあるんだけど、そういう部分ぶぶんも面白おもしろがるのも現代げんだいの音楽おんがくの1つなような気きがしていて。特とくに僕ぼくら作づくり手しゅは、アーティストやエンジニアが意図いとしていることがわかると面白おもしろいなって思おもいますからね。スネアの音おと1つとっても、その残響ざんきょう音おんがどういうふうに処理しょりされているかとか。

──そういう細こまかいところがわかったほうが、音楽おんがくは楽たのしく聴きけるものですか？

僕ぼくは作つくり手しゅだからかもしれないけど、そう思おもいます。最近さいきんの音楽おんがく好すきって、音響おんきょう環境かんきょうにこだわらないっていうのが新しん世代せだいな気きがしていて。でもちょっとでもいい環境かんきょうで聴きけたほうが断然だんぜん面白おもしろいと思おもうので、EXTRA BASSみたいなヘッドホンで聴きく音楽おんがく体験たいけんは、投資とうしの何なん倍ばいの価値かちもあると思おもいます。僕ぼくらも、やっぱり一生懸命いっしょうけんめい作つくった成果せいかをわかってほしいというのもありますしね。

──EXTRA BASSで音楽おんがくを聴きいてみていかがでしたか？

EXTRA BASSは、迫力はくりょくある低てい域いきはもちろんですが、先さきほど言いったようなキツめの高こう域いきもまろやかにしてくれました。それとヘッドホンだから、住宅じゅうたく事情じじょうなどでスピーカーを大だい音量おんりょうで鳴ならせなくても大おおきな音おとで聴きけるじゃないですか？ 僕ぼくら作づくり手しゅとしては、ダンスミュージック的てきな音楽おんがくって、なるべく大おおきな音おとで聴きいてほしいっていうのがあるんです。EXTRA BASSで聴きくと、キックの音圧おんあつも十分じゅうぶんなので、例たとえばスマホや携帯けいたい音楽おんがくプレーヤーに備そなえ付つけのイヤホンで聴きくのとは、迫力はくりょくにも雲泥うんでいの差さがありますね。また、例たとえば環かんROYくんの曲きょくを聴きいたら、あえてビットレートを落おとしたローファイな音おと作づくりもよくわかったし、安室あむろさんの曲きょくを聴きいたら、ハイエンドなコンソールを通とおしているのか、きれいなサウンドが楽たのしめました。

──EXTRA BASSには、インナーイヤータイプもラインナップされていますが、そちらは、いかがですか？

ヘッドホン同様どうように迫力はくりょくある低てい域いきはもちろん、高こう域いきもしっかり聴きけるので、ダンスミュージックもJ-POPも両方りょうほう、すごく楽たのしめると思おもいます。またシチュエーションで使つかい分わけられるから、ヘッドホンもインナーイヤータイプもどっちも持もっていてもいいですよね、どちらもデザインもすごくいいと思おもいますし。僕ぼくも普段ふだんからヘッドホンとインナーイヤータイプを使つかい分わけていますよ。

──ヘッドホンには、デザインのよさも大事だいじですか？

もちろん。僕ぼくはデザインマニアでもあるんです（笑）けど、EXTRA BASSのデザインは本当ほんとうにいいと思おもいますよ。なんといってもこちらのヘッドホンは折おり畳たためるのがいいですよね。やっぱり、自分じぶんの好すきな音楽おんがくを楽たのしめるのはもちろん、カッコいいヘッドホンなら、それにこしたことはないじゃないですか？ カッコいい服ふくを着きるのと同おなじですから。

──最後さいごに、EXTRA BASSで音楽おんがくを聴きくなら、どういったジャンルが向むいていると思おもいますか？

やはり、ダンスミュージックはもちろん、ダンスミュージックに影響えいきょうを受うけたJ-POPは気持きもちよく聴きけると思おもいます。EXTRA BASSは、まさにクラブのスピーカー前まえで聴きいているようなスケール感かんがあるんですよね。こうやって自分じぶんの好すきな音楽おんがくに合あったヘッドホンを選えらぶのは本当ほんとうに楽たのしいと思おもいますよ。