なぜ第だい1章しょうを完結かんけつさせたのか

──約やく8カ月かげつぶりのインタビューとなりますが、グループの雰囲気ふんいきが明あかるくなりましたね。

すずめ　えー！ ホントですか？ デビュー当時とうじに出演しゅつえんさせていただいたライブハウスの方ほうからも「変かわりましたね」って言いわれたばかりで。

ライカ　「明あかるくなった」って言いわれたんですよ。

はのんまゆ　みんな、ようやく心しんを開ひらき出だしたよね（笑）。

──心しんを開ひらくようになったきっかけはあったんですか？

はのんまゆ　普通ふつうに、6人にんで過すごしてきた時間じかんの積つみ重かさねもあると思おもいます。

すずめ　5年ねんぐらいかけて、やっと心しんを開あけるようになってきた（笑）。

──それぞれ自信じしんが付ついたというのも理由りゆうとしてあるんじゃないですか？

カリヲリ　それもあるかも。お互たがいのいいところも悪わるいところもすべて受うけ入いれているから、そういう意味いみでメンバーと親したしくなったなと感かんじることが増ふえました。

──INUWASIは昨年さくねん10月がつ、Spotify O-EASTでワンマンライブ「INUWASI Tokyo Oneman Tour THE FINAL〝INWS〟」を開催かいさいし、“第だい1章しょうの完結かんけつ”を発表はっぴょうしました。なぜ、あのタイミングで活動かつどうの“第だい1章しょう”を完結かんけつさせたんでしょう？

ライカ　日比ひび谷野たにの音おとワンマンが決きまり、バンドセットでのライブを再開さいかいすることになったのが活動かつどうを区切くぎる1つのタイミングだったと思おもっていて。INUWASIは去年きょねん、都内とないの大おおきいライブハウスを回まわるツアーをやっていたんですけど、その最高峰さいこうほうとして定さだめていたのがO-EASTだったんです。そのライブをソールドアウトできたことで、その後ごの野の音おんワンマンから第だい2章しょうとしての方向ほうこう性せいを示しめしました。

──メンバー的てきにも、INUWASIの第だい1章しょうが完結かんけつしたという実感じっかんはあるんでしょうか？

すずめ　はい。第だい2章しょうが始はじまったなという感覚かんかくはあります。もともとバンドセット公演こうえんは昨年さくねん2月がつのLIQUIDROOMワンマンが最初さいしょで最後さいごの予定よていだったんです（参照さんしょう：INUWASI過去かこ最高さいこうを更新こうしん！満員まんいんのリキッドで“最初さいしょで最後さいごのバンドセットワンマン”）。そんな中なか、第だい2章しょうが始はじまったときに、バンド編成へんせいのライブを軸じくにしながら、バンドさんやアーティストさんのいる対たいバン、音楽おんがくフェスに積極せっきょく的てきに出でていくという決意けついを私わたしたちからファンの皆みなさんに対たいして表明ひょうめいして。INUWASIの活動かつどうはまだまだ続つづいていくんだという気持きもちになりました。

はのんまゆ　INUWASIは最初さいしょ、ゴリゴリのハードコアに近ちかい音楽おんがく性せいで活動かつどうしていたんですけど、途中とちゅうで方向ほうこう性せいを変かえて、ちょっと明あかるい曲調きょくちょうになったんですよ。今いまは原点げんてん回帰かいきしたというか、初期しょきの方向ほうこう性せいと明あかるい要素ようそを融合ゆうごうして進すすんでいる感覚かんかくです。

ライカ　あと、O-EASTから衣装いしょうが“和わ”の感かんじになっています。これには、INUWASIの存在そんざいと日本にっぽんのアイドル文化ぶんかを海外かいがいにも広ひろめたいという思おもいを込こめていて。2月の野の音おんのあとに開催かいさいしたツアーでは、初はつの海外かいがい遠征えんせいで台湾たいわんに行いきました。

──自分じぶんたちの存在そんざいを広ひろく伝つたえていきたいという欲よくが出でてきたわけですね。

ライカ　はい。アイドルに興味きょうみのない方ほうやバンドが好すきな方ほうにもINUWASIのことを広ひろめていきたいなって。

イヴ　ツアーでは初日しょにちのWWW XとファイナルのZepp Shinjuku（TOKYO）公演こうえんがバンドセットで。生なまバンドライブが定着ていちゃくしてきていることがうれしいですね。

カリヲリ　今いままではアイドルという枠わくで勝負しょうぶしてきたけど、今いまの私わたしたちなら外そとのジャンルにも飛とび込こめると思おもっています。INUWASIのことをもっといろんな人ひとに好すきになってもらって知名度ちめいどを上あげていきたいし、ワンマンのキャパをアップさせたい。野の音おん以上いじょうの場所ばしょに行いきたいんです。

がるむ　例たとえば今いまはiLiFE!さんとかがアイドルシーン以外いがいの多おおくの人ひとに知しられていて人気にんきがあると思おもうんですけど、INUWASIはINUWASIなりに自分じぶんたちの存在そんざいを外そとへ広ひろげていきたいんです。

野の音おんのステージに立たって覚悟かくごが決きまった

──INUWASI第だい2章しょうの幕開まくあけとなった日比ひび谷野たにの音おとワンマンは真冬まふゆの開催かいさいでしたが、バンドセットだったことも含ふくめ、生々なまなましい熱量ねつりょうが伝つたわってくるライブでした。

カリヲリ　会場かいじょうが広ひろく感かんじましたが、そのときの自分じぶんたちの全力ぜんりょくを出だせたと思おもいます。INUWASIのライブを初はじめて観みた方ほうもいっぱいいたと思おもうんですけど、そういう人ひとたちをもっとパフォーマンスに引ひき込こめる力ちからが付つけば、さらにいいライブにできたのかなと思おもっていて。あと、ソールドアウトできなかったことは心残こころのこりですね。野の音おんの建たて替かえ工事こうじが延のびたので、個人こじん的てきにはリベンジしたいです。

ライカ　野の音おんワンマンの開催かいさいをライブ中ちゅうに発表はっぴょうしたとき、今いままでで一番いちばんの歓声かんせいが上あがったんですよ。当日とうじつステージに上あがったときの歓声かんせいもホントにすごくて、ここまで活動かつどうを続つづけてきてよかったなと感かんじました。そしてバンドセットならではの迫力はくりょくのあるライブを届とどけられたという自信じしんもありました。ライブが終おわったあと、SNSで「よかった」「最高さいこう」という声こえを見みかけましたし、特典とくてん会かいでも同おなじような感想かんそうを聞きけてうれしくなりました。

イヴ　私わたしは野の音おんにアーティストさんのライブを観かんに行いったことがあって。そのライブはお客きゃくさんがパンパンだったから、自分じぶんたち6人にんがあそこに立たったらどうなるんだろうという不安ふあんもあったんですけど、INUWASIのファンのみんながすごく幸しあわせそうで、私わたしも幸しあわせになりました。

──かなりの手応てごたえがあったんですね。

はのんまゆ　最初さいしょにナタリーさんのインタビューを受うけたときから、私わたしは「アイドル好すきじゃない層そうにも刺ささるグループになりたい」と言いっていましたけど、ようやく声こえを大だいにしてそれを言いえるスタートラインに立たてた感覚かんかくがあって。私わたしは中学生ちゅうがくせいの頃ころからバンドをやっていて、野の音おんに何なん回かいもライブを観かんに行いっていたし、自分じぶんも立たちたいとずっと思おもっていたんです。ライブ当日とうじつはもちろん不安ふあんもあったけど、どこか吹ふっ切きれていて、お客きゃくさんの反はん応おうからも手応てごたえを感かんじられました。細こまかいところを見みたらいろいろと反省はんせい点てんはありますが、野の音おんの工事こうじが1年ねん延長えんちょうされたので、「それはリベンジしろってことでしょ！」と思おもっています。

がるむ　私わたしは野の音おんという会場かいじょうにどれほどの歴史れきしがあるか知しらなかったんですけど、貴重きちょうな経験けいけんをさせていただけたと強つよく思おもっています。今いままではスクリーンの映像えいぞうや演出えんしゅつでファンの人ひとを沸わかせていたけど、ぶっ続つづけでパフォーマンスして、バンドとともにお客きゃくさんを楽たのしませるライブができた。もちろん力不足ちからぶそくな点てんもあって、バンドメンバーさんと一緒いっしょにライブするのが恐おそれ多おおいみたいな感情かんじょうがあり、今後こんごは「自分じぶんたちが率ひきいているバンドなんだ！」と胸むねを張はってステージに立たとうと思おもっています。

すずめ　野の音おんは第だい2章しょうのスタートということで、私わたしたちの決意けついを見みせるライブだと思おもって挑いどみました。これまでのインタビューでお話はなししたように、私わたし、ライブで歌うたっている途中とちゅうに怖こわくなっちゃったりして、正直しょうじき、心しんから楽たのしめたことがあまりなくて。でも、野の音おんのステージに立たって目めの前まえの景色けしきを見みたときに覚悟かくごが決きまったというか。私わたしたちの“これから”を楽たのしみにしてくれている人ひとがいるんだと思おもったら、やる気きがさらに湧わきました。MCの臨機応変りんきおうへんさとか、バンドセットなのに自分じぶんたちが主おもになって仕切しきれてないとか、ここがダメだなという気き付つきを得えられたライブでもありました。