“高橋たかはしくん”の心しんの中なかを曲きょくに

──皆みなさんが対面たいめんされるのは、今日きょうが初はじめてなんですよね。

U　そうなんですよ。

REI　僕ぼくらはずっとテレビを通とおして鈴木すずきさんを観みている側がわだったので。今日きょうは朝あさから楽たのしみにしていました。

鈴木すずき伸之のぶゆき　僕ぼくも皆みなさんのことをテレビで拝見はいけんしていましたし、音楽おんがくを聴きいたり、ミュージックビデオも拝見はいけんさせてもらっていました。1対たい3なので、ちょっと緊張きんちょうしてます（笑）。

U　いやいや（笑）。僕ぼくらからすると本当ほんとうに、「本物ほんものの鈴木すずきさんだ……」という感かんじです。やっぱり、背せが大おおきいですよね。

鈴木すずき　185cmくらいあります。

U　やっぱり生しょうで会あうとシンプルにカッコいい（笑）。

MASATO　ドラマ（鈴木すずき伸之のぶゆき主演しゅえんドラマ「自転車じてんしゃ屋やさんの高橋たかはしくん」）ももちろん観みているので、鈴木すずきさんを見みると「遼りょう平たいらだ！」という感かんじがしますね（笑）。あと、僕ぼくはずっとLDHさんが大好だいすきなんですよ。音楽おんがくを始はじめたきっかけもLDHさん所属しょぞくのアーティストで。

鈴木すずき　そうなんですね！

MASATO　芸能げいのう界かいという激戦げきせん区くの中なかでご活躍かつやくされているのはすごいなと思おもっていたんですけど、こうして実際じっさいにお会あいすると、オーラがあってそれも納得なっとくします。

鈴木すずき　僕ぼくが最初さいしょに聴きいたTHE BEAT GARDENの曲きょくは、「六本木ろっぽんぎクラス」の挿入歌そうにゅうかだった「Start Over」で。インパクトのあるフレーズもあるし、3人にんのチームワークも垣間見かいまみえるし……テレビの音楽おんがく番組ばんぐみでも披露ひろうしていたじゃないですか？ それを見みて「すごく楽たのしそうだな」と思おもっていて。自分じぶんたちらしく活動かつどうされている印象いんしょうがありました。今回こんかい、オープニングテーマを歌うたってくださったドラマの「自転車じてんしゃ屋やさんの高橋たかはしくん」は原作げんさくも素晴すばらしくて、大好だいすきな作品さくひんなんです。加くわえてあんなに素敵すてきな曲きょくをいただけて、感謝かんしゃしかないです。

U　もう、本当ほんとうにうれしいです。ありがとうございます。

──鈴木すずきさんはこのドラマの役柄やくがらにはどのように向むき合あわれていますか？

鈴木すずき　まず原作げんさくを読よませていただいて。役やく作づくりは、まず前髪まえがみを染そめるところからでした（笑）。

U・REI・MASATO　（笑）。

鈴木すずき　4回かいくらいブリーチしました（笑）。「自転車じてんしゃ屋やさんの高橋たかはしくん」は優やさしい題材だいざいのドラマなんです。大人おとなな恋愛れんあいもありつつ、くっつくようでくっつかない、歯痒はがゆい感かんじもありつつ。そこが素敵すてきなところだと思おもっているので、丁寧ていねいに表現ひょうげんできればと思おもって臨のぞみました。言葉ことばというより、行間ぎょうかんに詰つまっているものが大切たいせつな作品さくひんだと思おもったし、その空気くうき感かんのようなものを大切たいせつにしながら撮影さつえいしました。

U　今いまの行間ぎょうかんのお話はなしを聞きいてハッとしたんですけど、鈴木すずきさんが演えんじられている遼りょう平ひらめって、ストレートな人ひとで、言いいたいことをパッと言いえてしまったり、やりたいこともすぐにやれてしまう人ひとではあるんですよね。でも、実じつはその遼りょう平たいらにも言いえないこと……心しんの中なかにある、かわいい部分ぶぶんなんかもきっとあって。ストレートな人ひとだからこそ、そういう部分ぶぶんがあるんだろうなと僕ぼくは思おもったんです。そこを曲きょくにできないかと思おもって「初はじめて恋こいをするように」を書かいたんですよね。今回こんかい、鈴木すずきさんと内田うちだ理央りおさんの撮影さつえい風景ふうけいの写真しゃしんをいただいて、それを見みながら歌詞かしを書かいたんです。

鈴木すずき　そうだったんですか。

U　今いまのお話はなしを聞きいて、鈴木すずきさんが遼りょう平たいらに向むき合あっていたのが伝つたわってきたから「初はじめて恋こいをするように」が書かけたんだなと思おもいました。

MASATO　鈴木すずきさんはこれまでにいろんなヤンキーを演えんじられているじゃないですか。でも、全部ぜんぶそれぞれ違ちがう。その細こまかなニュアンスはどこから出でてくるんだろうと僕ぼくは気きになっていて。

鈴木すずき　どうなんだろう……。でも確たしかに、「今日きょうから俺おれは!!」に、「東京とうきょうリベンジャーズ」に……ヤンキーしかやってきていないんじゃないか？っていう（笑）。

U・REI・MASATO　（笑）。

鈴木すずき　なんでなんですかね？（笑） 体たいがデカいので、ハマるのかもしれない。

MASATO　……実体験じつたいけんがあるわけではないですよね？

鈴木すずき　そりゃあもう、僕ぼくは優等生ゆうとうせいでした（笑）。

歌うたうときの下しも顎あごの使つかい方かたがきれいな鈴木すずき伸之のぶゆき

──鈴木すずきさんはTHE BEAT GARDENの「初はじめて恋こいをするように」を聴きかれて、いかがでしたか？

鈴木すずき　「自転車じてんしゃ屋やさんの高橋たかはしくん」の世界せかいにピッタリだと思おもいました。サビにインパクトがあり、強つよいメッセージ性せいもあるけど、同時どうじにさわやかでもあって「こういう曲きょくにいつか挑戦ちょうせんしてみたいな」と自分じぶんも思おもうくらい、すごく好すきな曲きょくです。本当ほんとうにリスペクトです。

U　ありがとうございます、めちゃくちゃ光栄こうえいです。サビにインパクトがあると言いってくださいましたけど、この曲きょくはサビで2個こ半はんキーが上あがるんです。そこに気付きづいていただけたのは、すごくうれしいです。

鈴木すずき　曲きょくも歌詞かしも、ご自分じぶんたちで書かかれているんですよね？

U　そうなんです。

鈴木すずき　すごいです、本当ほんとうに。

U　僕ぼくらも鈴木すずきさんの「フタリノリ」を聴きいて「すごい！」と盛もり上あがっていたんですよ。本当ほんとうに歌うたが上手じょうずですよね。僕ぼくらはもともと歌うたをうまく歌うたえていた3人にんではなかったんです。ボイトレに何なん度ども行おこなって、たくさん練習れんしゅうしてきて、ちょっと苦労くろうしてきたんですよね。そういう人間にんげんの目めから見みてなんですけど、鈴木すずきさんは鼻腔びこう共鳴きょうめいと言いって、鼻はなから声こえがよく抜ぬけている歌うたい方かたなんです。僕ぼくらが2年ねん前まえくらいから憧あこがれていた歌うたい方かたを、鈴木すずきさんはデビュー曲きょくで体現たいげんされていて。

REI　そう、「鈴木すずきさんも、すごくボイトレに通かよわれたのかな？」と思おもったんです。

鈴木すずき　いや、それが、ボイトレにはまったく行いっていないんです（笑）。

U・REI・MASATO　ええ!?

U　センスですか……すごい。あと、歌うたうときって下しも顎あごの使つかい方かたが大事だいじで、使つかい方かたが悪わるいと裏返うらがえってしまったり、高たかいところに行いこうとするとわざとらしくなってしまったりするんです。でも、鈴木すずきさんは下しも顎あごの使つかい方かたがきれいなんですよね。そこも僕ぼくら3人にんで、「すごいね」と言いっていて。

鈴木すずき　そんなに言いっていただけたら、僕ぼく、余計よけいにボイトレ行いかないですよ（笑）。

U・REI・MASATO　（笑）。

鈴木すずき　今回こんかい、ボーカルは初はつ挑戦ちょうせんだったんです。Tani Yuukiさんが曲きょくを書かいてくださったんですけど、デモをいただくのも初はじめてだったので、新鮮しんせんで。まだ歌詞かしが付ついていなくて、「ラララ」と仮かり歌うたが入はいっている部分ぶぶんがあって、「音楽おんがくってこうやって生うまれるんだ」と思おもいました。デモを聴きいて、たった1曲きょくを作つくるにも細こまかいニュアンスにこだわったり、4分間ふんかんの中なかで思おもいを伝つたえるために試行しこう錯誤さくごされたりしているんだろうなと感かんじて。そこに毎回まいかい本気ほんきで向むき合あっているアーティストの方々かたがたは改あらためてすごいなと感かんじました。「音楽おんがくを作つくるのって、こんなに難むずかしいんだな」って。だからこそ、「フタリノリ」が完成かんせいしたあとに「初はじめて恋こいをするように」を聴きいて、感動かんどうしたんです。キーも高たかいし、1曲きょくの中なかにさまざまな表現ひょうげんがちりばめられているし、ドラマに合あわせながら、自分じぶんたちの色いろも壊こわしていないし。曲きょくの中なかに人柄ひとがらが出でているというか……「あったかい人じんたちなんだろうな」、「音楽おんがくが好すきな人ひとたちなんだな」と思おもったんです。めちゃくちゃすごいです、本当ほんとうに。

REI　僕ぼくのボイトレの先生せんせいが言いっていたんですけど、俳優はいゆうの方ほうがボイトレに来くると、演技えんぎするときの声色こわいろと歌うたうときの声色こわいろが違ちがうから、歌うたうときに声帯せいたいのポジショニングがわからなくなるそうなんです。僕ぼくらアーティスト業ぎょうをやっている身みからすると、キーは常つねに歌うたの位置いちで生活せいかつしたいものなんですけど、俳優はいゆうの方ほうで歌うたも歌うたわれる方ほうは、そこを両立りょうりつしなければいけないので、きっと難むずかしいんだろうなと思おもっていて。

鈴木すずき　え、アーティストの方ほうは、歌うたうときのキーで生活せいかつするんですか？

U　僕ぼくらはそのほうがいいと言いわれていて。もちろん、普段ふだんは低ひくいキーで生活せいかつすることで、歌うたうときに高たかいキーがよく出でる人ひともいます。でも、僕ぼくらはあまり下かのキーで普段ふだんしゃべってしまうと、高たかいところに行いくために“ガソリン”が多おおく必要ひつようになってしまうんです。なので、鈴木すずきさんの歌声うたごえを聴きいたとき、そのナチュラルさが印象いんしょう的てきだったんです。違和感いわかんがまったくなかった。

鈴木すずき　そうなんだ……。お芝居しばいは逆ぎゃくに、低ひくい声こえを使つかうんですよね。声こえが上うわずっていると物語ものがたりが軽かるく見みえてしまうから。でも、音楽おんがくはそこまで低ひくいところは使つかわないですよね。……なんだか俺おれ、勉強べんきょうしに来きているみたいですね（笑）。

U　きっと、「フタリノリ」は鈴木すずきさんの普段ふだんのキーに合あっているんですよね。Taniさんが曲きょくを作つくるときに意識いしきされていたんだと思おもうんですけど。