どこまでできる男おとこなのか力ちからを試ためしたい

──そもそも、TOSHIMITSUさんがリードボーカルを務つとめていたバンドが2017年ねんに解散かいさんしたあと、約やく2年ねん後ごにTOSHIMITSUとしての活動かつどうを始はじめたのはどういう経緯けいいなのでしょう？（参照さんしょう：東海とうかいオンエア・としみつソロデビュー！ミニアルバム「THE BEST」発売はつばい）

バンドの解散かいさん理由りゆうとしてよく言いわれる“音楽おんがく性せいの違ちがい”という言葉ことばがあるじゃないですか。そのい方いかたは僕ぼくからしたらカッコよすぎて。シンプルにバンド活動かつどうの継続けいぞくが難むずかしかったんです。メンバーと仲なかはいいんですが、曲きょくを作つくるうえでなかなか歯車はぐるまが噛かみ合あわなくて解散かいさんすることになりました。その頃ころ、当時とうじの東海とうかいオンエアの事務所じむしょが主催しゅさいするイベントに、たまにゲストボーカルとして出演しゅつえんして歌うたっていたんですが、それがすごく楽たのしくて、「俺おれ、輝かがやいているぞ」と思おもったんですね。1人ひとりでステージに立たつほうが向むいているんじゃないかと思おもって、ソロをやることに決きめました。

──TOSHIMITSUさんは基本きほん的てきにご自身じしんで作詞さくし作曲さっきょくされていますが、いつから曲きょく作づくりを始はじめたんでしょう？

バンドを始はじめた頃ころから作詞さくしはやっていたんですが、メロディを作つくり始はじめたのはソロになってからですね。トラックメイカーさんが作つくってくれたトラックに僕ぼくが歌詞かしとメロディを乗のせています。

──3rdミニアルバム「THE BEST3」（2022年ねん9月がつ発売はつばい）には川谷かわたに絵え音おんさんが作詞さくし作曲さっきょくした「僕ぼくらの鳥とり」という曲きょくが収おさめられていましたが、最新さいしん作さくでは曲きょくを提供ていきょうしてもらうのではなく自分じぶんで書かこうと思おもったのはどうしてだったんですか？

提供ていきょうしていただく曲きょくを歌うたうのも好すきではあるんですが、基本きほん的てきには自分じぶんで曲きょくを書かきたいんです。そもそも、まだ曲きょくを提供ていきょうしてもらっていい人間にんげんではないというか（笑）。

──提供ていきょう曲きょくを歌うたうことからキャリアをスタートさせて、途中とちゅうから自分じぶんで曲きょくを書かき始はじめるケースも多おおいですよね。

僕ぼくの場合ばあい、その形かたちだと自分じぶんが根本こんぽん的てきに思おもっていることが表現ひょうげんしづらくて、自分じぶんが何なにをしたいかわからなくなっちゃうと思おもったんです。まずは自分じぶんの頭あたまで考かんがえて、僕ぼくの口くちから出でた言葉ことばやメロディを曲きょくにすることをがんばりたかった。

──歌詞かしとメロディはどういうふうに作つくっていくことが多おおいんでしょう？

圧倒的あっとうてきに詞し先さきが多おおいです。メロディは繰くり返かえし練ねっていく中なかでいいところに着地ちゃくちしていきます。なかなかいいメロディが出でてこないときは「ほかのアーティストさんだったら、すごくいいメロディが浮うかぶんだろうな」と悔くやしくなったりもします。

──川谷かわたにさんの提供ていきょう曲きょく「僕ぼくらの鳥とり」を聴きいたときはどうでした？

絵え音おんさんの曲まがって全部ぜんぶ素晴すばらしいんです。なので、「僕ぼくらの鳥とり」をいただいたときも、やっぱりいい曲きょくを作つくられるんだなと思おもいました。「すげえ！ 聴きけば聴きくほどいい曲きょくだな」と子供こどもみたいに興奮こうふんして。周まわりからも「誰だれかに作つくってもらわないの？」と言いわれることはあるんですが、自分じぶんの力ちからでどこまで行いけるか1回かい試ためさないと、面白おもしろくないと思おもうんです。そこでダメだったら自分じぶんはそこまでの人間にんげんだったとあきらめがつくんで。もちろんあきらめたくはないですが。運うん試だめしみたいな部分ぶぶんもありますね。

“望遠鏡ぼうえんきょうを覗のぞく”のは似合にあわない

──アルバムの収録しゅうろく曲きょくはまっすぐなメッセージソングが多おおいですよね。

そうですね。詩的してきな表現ひょうげんはあまりせず、悪わるく言いうとバカが書かいているようなまっすぐな歌詞かしですよね（笑）。

──影響えいきょうを受うけたアーティストはいますか？

SMAPの影響えいきょうが一番いちばん強つよいと思おもいます。母親ははおやの影響えいきょうで、家族かぞくみんなSMAPが大好だいすきなんです。SMAPは永遠えいえんの憧あこがれですね。

──音楽おんがくを熱心ねっしんに聴きき始はじめたのはいつ頃ごろだったんですか？

中学校ちゅうがっこうぐらいまではあまり音楽おんがくを聴きいてこなかったんですが、だんだん日本にっぽんのメジャーな音楽おんがくを聴きくようになって。テレビとかで観みて吸収きゅうしゅうしたものを自分じぶんなりに解釈かいしゃくして音楽おんがく活動かつどうにも落おとし込こんでいきました。バンドも好すきですね。UVERworldも好すきだし、Janne Da Arcも好すきで。Janne Da Arcの影響えいきょうで、僕ぼくのステージングにはヴィジュアル系けいっぽい動うごきが入はいっていると思おもいます。ただ、音楽おんがくに限かぎらずYouTubeでの活動かつどうもそうですが、いろいろな人ひとに影響えいきょうを受うけてはいるけれど何なにかを真似まねしようと思おもったことは一いち度どもないんです。

──確たしかにTOSHIMITSUさんの楽曲がっきょくは、序盤じょばんは王道おうどうでいくのかなと思おもっても、思おもわぬ展開てんかいが多おおく盛もり込こまれている印象いんしょうがあります。

BUMP OF CHICKENも好すきで、本当ほんとうは「天体てんたい観測かんそく」とか「ray」みたいな曲きょくが歌うたいたくて、「ああいう曲きょくをライブで歌うたえたらどんなに素敵すてきなんだろう」と思おもいながら生いきてきたところがあったんです。だけど最近さいきん、「どうやら自分じぶんには“望遠鏡ぼうえんきょうを覗のぞく”のは似合にあわない」という悲かなしい事実じじつに気付きづいて（笑）。僕ぼくは泥どろをかぶってるくらいのテンションの曲きょくが似合にあうんだなと。

──泥臭どろくさい人間にんげんらしさのある曲きょくが多おおいですよね。

そうなんですよ。僕ぼくは汗あせひとつかかずにカッコよく歌うたうようなことはしちゃいけないんだなと。それをやるとボケになっちゃうから。そういう気持きもちを反映はんえいした曲きょくも「THE BEST4」には入はいっています。「ユートピア」に「望遠鏡ぼうえんきょう 覗のぞいたら 月つきが笑わらってた」という歌詞かしがあって。「お前まえはカッコつけていいタイプじゃないから」と“月つき”に言いわれている……そんなシーンを想像そうぞうして歌詞かしにしました。

TOSHIMITSUから青春せいしゅんヶ丘おか俊光としみつへ、改名かいめいの真相しんそう

──5月に行おこなわれた新宿しんじゅくBLAZEでのライブで、TOSHIMITSUの活動かつどうを終了しゅうりょうして青春せいしゅんヶ丘おか俊光としみつに改名かいめいすることを発表はっぴょうされました。名義めいぎ変更へんこうはいつから考かんがえていたことだったんでしょう？

青春せいしゅんヶ丘おか俊光としみつっていう名前なまえは8年ねんくらい前まえからあって、その経緯けいいを説明せつめいする動画どうがを東海とうかいオンエアのサブチャンネル「東海とうかいオンエアの控ひかえ室しつ」に上あげているんですが、これは（東海とうかいオンエアの）てつやが考かんがえた名前なまえなんです。音楽おんがく活動かつどうの名義めいぎの候補こうほをたくさん挙あげていく中なかに「青春せいしゅんヶ丘おか俊光としみつ」があって、最初さいしょからその名前なまえだと浸透しんとうしづらいかなと思おもったので、ロろーマ字まじ表記ひょうきのTOSHIMITSUにしたんです。僕ぼくは保守ほしゅ的てきなところもあるので置おきにいったというか（笑）。でも“忘わすれられない女おんな”みたいに青春せいしゅんヶ丘おか俊光としみつという名前なまえがずっと頭あたまに残のこっていて、音楽おんがく活動かつどうのスタイルが固かたまってきたので「もうちょっと攻せめたいな」と思おもって改名かいめいすることにしました。本格ほんかく的てきに変かえたいと思おもったのは今年ことしの年明としあけぐらいでしたね。やることは特とくに変かわらないんですが、TOSHIMITSUだと名前なまえが埋うずもれちゃって限界げんかいがあるなと。青春せいしゅんヶ丘おか俊光としみつはインパクトがある名前なまえなので勢いきおいが付つけられるし、もっと活動かつどうの可能かのう性せいが広ひろがると思おもったんです。

──この5年間ねんかんの活動かつどうがあったからこそ、インパクトのある名前なまえに変かえることができた？

本当ほんとうにそうですね。5年ねん活動かつどうしてきたからこそ改名かいめいできたと思おもいます。ちゃんとアーティストとして走はしってこられた実感じっかんがあります。

──では、「THE BEST4」は改名かいめいして新あたらしいステージに行いくことを意識いしきした作品さくひんなんでしょうか？

いや、そういうわけではないですね。「THE BEST4」は今いままでで一番いちばんパワーがあって、ライブに厚あつみを持もたせてくれるような曲きょくがそろってると思おもいます。ちなみに、バラードが1曲きょくもないんですよ。バラード自体じたいは好すきなんですけど。トラックに関かんしてはプロデューサーとトラックメイカーさんが主導しゅどうで制作せいさくしていて、僕ぼくはあまり口出くちだししないんです。よっぽど違和感いわかんがあったら「ちょっと変へんかもしれないです」と言いいますが、基本きほんお任まかせですね。僕ぼくはアレンジの知識ちしきが豊富ほうふにあるわけじゃないので。

──テンポがコロコロ変かわったり、歌うたうのが難むずかしい曲きょくが多おおいですよね。

多おおいですね。確たしかに「I don't stop playing!!」の2番ばんとかけっこう急きゅうに譜ふ割わりが細こまかくなったり。

──ラップっぽくなりますよね。

はい。ラップ育そだちのプロデューサーの影響えいきょうが出でてますね。ガチガチのラップを僕ぼくがやるのはちょっと違ちがう気きがするんですが、こういうラップは面白おもしろいなと思おもいました。

──ヒップホップというよりミクスチャーですよね。

そうですね。この5年間ねんかんでラップのアプローチはちょっとうまくなったと思おもいます。