罰当たりな逆立ち
米国ユタ州には、水の浸食によって形成された高さ90メートルの岩の“ 橋”がある。1909年に白人の探検隊が発見するはるか以前から、ナバホ族やホピ族などの先住民が聖地としてあがめ、その下で祈りをささげてきた。米国政府は1910年、ここを「レインボーブリッジ国立モニュメント」に指定。自然が造りだした奇観を守ることにした。
だが、観光客の立ち入りは自由で、1927年に撮られたこの写真のように、先住民の伝統文化に敬意を払わない行動も見られた。米国立公園局は1995年、橋の上や下を歩くことを禁じる看板を設置。ウェブサイトでは、教会へ行くのと同じ気持ちで訪れようと、呼びかけている。
――パトリシア・エドモンズ
写真=HUGH STEVENS BELL, NATIONAL GEOGRAPHIC CREATIVE