科学かがく技術ぎじゅつの世紀せいきと医学いがく

Medicine in the age of science / technology innovation

寺島てらしま, 東洋とうよう三さん

TERASIMA, Toyozo

1)アルブレヒト・デューラーはその版画はんが「メレンコリア I」によって「自然しぜんと人為じんい」という対立たいりつ概念がいねんを描えがいた。この対立たいりつ概念がいねんはルネッサンスにおける西欧せいおう普遍ふへん主義しゅぎの主要しゅようなモメントであり,自然しぜん科学かがく発展はってんの駆動くどう力りょくになった。「メレンコリア I」は17世紀せいき以降いこうの科学かがく技術ぎじゅつ時代じだいを予言よげんしたものと云うんえる。2) 現代げんだい文明ぶんめいは自然しぜん科学かがくと技術ぎじゅつによる自然しぜんのエクスプロイテーション(開発かいはつ,あるいは搾取さくしゅ)の結果けっかである。3) 自然しぜん科学かがくは非ひ価値かち世界せかいの営いとなみである。その進歩しんぽは人間にんげんの欲望よくぼうを満みたし続つづけ,我われらの精神せいしん世界せかいへの意識いしきを希薄きはくにするであろう。4) 自然しぜん科学かがくによって支ささえられた医学いがくは人間にんげんの死しと和解わかいすることは困難こんなんである。5) 医療いりょう行為こういが“Mitleiden (compassion)"をその原点げんてんとするならば,医学いがくの進歩しんぽ主義しゅぎを制御せいぎょする機構きこうは,信仰しんこうや戒律かいりつや,民族みんぞくの自然しぜん観かんを含ふくめた,我わがわれの自我じがを形作かたちづくっている多様たような文化ぶんか力りょくでなければならない。

https://opac.ll.chiba-u.jp/da/curator/900116511/

https://opac.ll.chiba-u.jp/da/curator/900116511/88-4-160.pdf

千葉ちば医い学会がっかい

The Chiba Medical Society

学術がくじゅつ雑誌ざっし論文ろんぶん

03035476

AN00142148

千葉ちば医学いがく雑誌ざっし = Chiba medical journal

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2012-08-01

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千葉ちば医学いがく (ONLINE ISSN 2433-4243)