ネクタイブランド「SHAKUNONE」を展開てんかいする、株式会社かぶしきがいしゃ笏しゃく本ほん縫製ほうせいの代表だいひょう取締役とりしまりやく・笏しゃく本ほん達たち宏ひろしさんの呼よびかけが注目ちゅうもくを集あつめています。

　自身じしんが運営うんえいするツイッターアカウント「しゃく。」（@shakunone）に投稿とうこうされたのは、「絶対ぜったいに切きっちゃダメ。ネクタイからこんな糸いとが出でてても、無茶むちゃに引ひっぱったり切きったりしないでください」という内容ないよう。卒業そつぎょうシーズンであり、新しん年度ねんどを目前もくぜんにした時期じきともあり、初はじめてネクタイを結むすぶ人ひとに向むけた注意ちゅうい喚起かんきです。

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　主おもにハンドメイドでしっかり作つくられたネクタイに付ついている、というこの糸いとは「スリップステッチ」と呼よばれ、「ネクタイを結むすんだり解といたりする時ときの伸縮しんしゅくを補助ほじょする余裕よゆう糸いと」という役割やくわりを持もっています。

　ネクタイをずっと使つかっていたり、思おもわぬ負荷ふかがかかったときなどに、ネクタイの中心ちゅうしんを縫ぬっているステッチが緩ゆるんでしまうことが。そんな時ときにこの糸いとを引ひっぱると元通もとどおりのキレイな形かたちになります。そのくらいネクタイ全体ぜんたいにとって「生命せいめい線せん」とも言いえる、欠かかせない糸いとなのです。

　実じつは笏しゃく本ほんさんは2021年ねん8月がつにも同様どうようのツイートを行おこなっており、その時ときにも大おおきな注目ちゅうもくを集あつめました。当時とうじも「返信へんしん欄らんには知しらなかった」という声こえが多数たすう寄よせられましたが、まだまだ知識ちしきとして定着ていちゃくしておらず、誤あやまって切きってしまう方ほうが多おおいのだそうです。

笏本さんの以前の投稿

　もしも切きれてしまうとどうなるか？その点てんについてうかがうと、「瞬時しゅんじにバラバラになるわけではありませんが、確実かくじつにほどけていきます」と笏しゃく本ほんさん。

　また、切きれた場合ばあいには買かい換かえがおすすめだそうですが、応急おうきゅう処置しょちの場合ばあいには「切きれたところで結むすび直なおせば当分とうぶんはもつ」とのこと。しかしながら、思おもい出でのネクタイなどの場合ばあいは、出来できるだけ早はやくネクタイ職人しょくにんさんに相談そうだんしたほうが良よいでしょう。ちなみに、「SHAKUNONE」のネクタイは発送はっそう時じに必かならず「スリップステッチ」の注意ちゅうい書がきが添そえられています。

ネクタイから出ている糸は切らないで！

　「元々もともとわたしたちのような職人しょくにんは表おもて舞台ぶたいに出でることもなく、こういったこだわりや、想おもいなどを情報じょうほうの発信はっしんすらもすることがありませんでした」

　「祖母そぼが創業そうぎょうし、母ははから守まもってきた町まち工場こうじょうを継ついだ私わたしとしては、こうした情報じょうほうからでも知しっていただけることは嬉うれしいです。見みえてないだけで、こうしたこだわりを持もった職人しょくにんが日本にっぽんにはたくさんいるんだと、知しってほしいですね」

　ツイートに寄よせられた大おおきな反響はんきょうに対たいし、このように思おもいを述のべた笏しゃく本ほんさん。自身じしんはもとより、もしも周まわりにネクタイを着用ちゃくようする方ほうがいる場合ばあいは、今回こんかいの「スリップステッチ」、ぜひ教おしえてあげてくださいね。

＜記事きじ化か協力きょうりょく＞
しゃく。さん（@shakunone）

（山口やまぐち弘ひろし剛つよし）