登記とうき簿ぼの土地とちにはどんな種類しゅるいがある？　調しらべ方かたや「宅地たくち」「雑種ざっしゅ地ち」に該当がいとうする土地とちを解説かいせつ

1. 土地とちの種類しゅるいは23種類しゅるいある

登記とうき簿ぼ上じょうの土地とちの地目ちもくは、「不動産ふどうさん登記とうき規則きそく第だい99条じょう」および「不動産ふどうさん登記とうき事務じむ取扱とりあつかい手続てつづき準則じゅんそく第だい68条じょう」によって下表かひょうのように23種類しゅるいが定さだめられています。

2. 土地とちの種類しゅるいの調しらべ方かた

土地とちの種類しゅるいは、土地とちの登記とうき簿ぼ謄本とうほんの地目ちもくを確認かくにんして調しらべます。
登記とうき簿ぼ謄本とうほんは、「表題ひょうだい部ぶ」と「甲かぶと区く」、「乙おつ区く」の3つで構成こうせいされています。

表題ひょうだい部ぶとは、地番ちばんや地目ちもく、地積ちせき等とうの情報じょうほうが記載きさいされている部分ぶぶんです。
甲かぶと区くとは所有しょゆう権けんに関かんする事項じこう、乙おつ区くとは所有しょゆう権利けんり以外いがいに関かんする事項じこうが記載きさいされている部分ぶぶんになります。

登記とうき簿ぼ謄本とうほんの表題ひょうだい部ぶは下図したずの通とおりです。

地目ちもくの部分ぶぶんに宅地たくちと書かかれていれば、宅地たくちであるということになります。

3. 宅地たくちとして認みとめられるもの

宅地たくちとは、建物たてものの敷地しきちおよびその維持いじもしくは効用こうようを果はたすために必要ひつような土地とちです。
一般いっぱん的てきに、住宅じゅうたくやアパート、店舗てんぽ、工場こうじょう、オフィスビル等とうの建物たてものの敷地しきちは全すべて宅地たくちとなります。

宅地たくちとして認みとめられる特殊とくしゅな土地とちは、以下いかの通とおりです。

【宅地たくちと認みとめられる土地とち】

• 住宅じゅうたくやアパート、店舗てんぽ、工場こうじょう、オフィスビル等とうの建物たてものの敷地しきち
• 耕作こうさく地ちの区域くいき内ないにある農具のうぐ小屋こや等とうの建物たてものが永久えいきゅう的てき設備せつびと認みとめられる敷地しきち
• 遊ゆう園地えんち、運動うんどう場じょう、ゴルフ場じょう又または飛行場ひこうじょうについては、建物たてものの利用りようを主おもとする建物たてもの敷地しきち以外いがいの部分ぶぶんが建物たてものに附随ふずいする庭園ていえんに過すぎないと認みとめられる場合ばあいには、その全体ぜんたいを宅地たくちとする
• 競馬けいば場じょう内ないの土地とちについては、事務所じむしょ、観覧席かんらんせきおよびきゅう舎しゃ等とう永久えいきゅう的てき設備せつびと認みとめられる建物たてものの敷地しきち及およびその附属ふぞくする土地とち
• テニスコートまたはプール、駐車ちゅうしゃ場じょうについては、宅地たくちに接続せつぞくするものは宅地たくち
• ガスタンク敷地しきちまたは石油せきゆタンク敷地しきち
• 火葬かそう場じょうの用地ようちは、その構内こうないに建物たてものの設備せつびがあるときは構内こうない全部ぜんぶを宅地たくち

宅地たくちは、建物たてものの敷地しきちだけでなく、その維持いじや効用こうようを果はたすために必要ひつような土地とちも含ふくまれることから、必かならずしも建物たてものが現存げんそんしなくてもよいことになっています。
宅地たくちと認定にんていされるかどうかは、土地とちの利用りよう目的もくてきが土地とち全体ぜんたいとして建物たてもの敷地しきちかどうかで定さだめられます。

4. 雑種ざっしゅ地ちとして認みとめられるもの

雑種ざっしゅ地ちは、23種類しゅるいの土地とちのうち、雑種ざっしゅ地ち以外いがいのいずれにも該当がいとうしない土地とちのことです。
雑種ざっしゅ地ちになるような土地とちには、以下いかのようなものがあります。

【雑種ざっしゅ地ちとなる土地とち】

• ゴルフ場じょうの敷地しきち
• 水力すいりょく発電はつでんのための水路すいろまたは排水はいすい路ろ
• 遊ゆう園地えんち、運動うんどう場じょう、ゴルフ場じょうまたは飛行場ひこうじょうにおいて、一部いちぶに建物たてものがある場合ばあいでも、建物たてもの敷地しきち以外いがいの土地とちの利用りようを主おもとし、建物たてものはその附随ふずい的てきなものに過すぎないと認みとめられるときは、その全部ぜんぶを一段いちだんの雑種ざっしゅ地ちとする
• テニスコートまたはプール、駐車ちゅうしゃ場じょうについては、宅地たくちに接続せつぞくしないものは雑種ざっしゅ地ち
• 競馬けいば場じょう内ないの馬場ばば
• 火葬かそう場じょう用地ようちで、建物たてもの設備せつびがない土地とち
• 高圧線こうあつせんの下したの土地とちで他たの目的もくてきに使用しようすることができない区域くいきは、雑種ざっしゅ地ち

5. 宅地たくち建物たてもの取引とりひき法ほう上じょうの宅地たくち

宅地たくちは、宅地たくち建物たてもの取引とりひき法ほうにおいても定義ていぎがあります。

宅地たくち建物たてもの取引とりひき法ほうで宅地たくちとされるものは以下いかのいずれかの要件ようけんを満みたすものです。

【宅地たくち建物たてもの取引とりひき法ほうの宅地たくち】

• 現在げんざい建物たてものが建たっている土地とち
• 建物たてものを建たてる目的もくてきで取引とりひきされる土地とち
• 用途ようと地域ちいき内ないの土地とち

1つ目めは、現在げんざい建物たてものが建たっている土地とちであれば、全国ぜんこくどこの土地とちでも宅地たくちです。
登記とうき簿ぼ上じょうの地目ちもくが畑はたけや田たであっても、その土地とちの上うえに建物たてものが建たっていれば、宅地たくちになります。
建物たてものとは、住宅じゅうたくだけでなく、倉庫そうこや工場こうじょう、店舗てんぽ等とうの全すべての建築けんちく物ぶつのことです。

2つ目めは、建物たてものを建たてる目的もくてきで取引とりひきされる土地とちであれば、全国ぜんこくどこの土地とちでも宅地たくちになります。
現在げんざい建物たてものが建たっていなくても、将来しょうらい建物たてものを建たてる土地とちであれば宅地たくちになるということです。

3つ目めは、用途ようと地域ちいき内ないの土地とちです。
用途ようと地域ちいきとは、都市とし計画けいかく法ほうにより定さだめられた建物たてものの用途ようと等とうに一定いっていの制限せいげんを課かした地域ちいきのことになります。

用途ようと地域ちいきは、原則げんそくとして市街化区域しがいかくいき内ないに定さだめられる地域ちいきです。
市街化区域しがいかくいきとは、すでに市街しがい化かを形成けいせいしている区域くいきまたはおおむね10年ねん以内いないに優先ゆうせん的てきかつ計画けいかく的てきに市街しがい化かを図はかるべき区域くいきになります。

よって、市街化区域しがいかくいき内ないの土地とちであれば、基本きほん的てきには宅地たくちです。
ただし、現げんに道路どうろ・公園こうえん・河川かせん・広場ひろば・水路すいろ等とうの一定いっていの公共こうきょうの用ように供きょうされる土地とちについては、例外れいがい的てきに宅地たくちからは除のぞかれます。

6. 建けん付づけ地ちとは

建けん付づけ地ちとは、建物たてもの等とうの用ように供きょうされている敷地しきちで建物たてもの等ひとし及およびその敷地しきちが同一どういつの所有しょゆう者しゃに属ぞくしている宅地たくちのことです。
建けん付づけ地ちは、宅地たくちの一ひとつの類型るいけいになります。

その他た、宅地たくちの類型るいけいとしては、利用りよう形態けいたいや権利けんり関係かんけいに応おうじて、更地さらち、借地しゃくち権けん、底そこ地ち、区分くぶん地上ちじょう権けん等とうがあります。
ここで底そこ地ちとは借地しゃくち権けんの付着ふちゃくしている場合ばあいにおける当該とうがい宅地たくちの所有しょゆう権けんのことです。

土地とちと建物たてものが同一どういつの所有しょゆう者しゃであれば、その土地とちは建けん付づけ地ちです。
それに対たいして、土地とちと建物たてものの所有しょゆう者しゃが別べつであれば借地しゃくち関係かんけいが生しょうじています。
借地しゃくち関係かんけいが生しょうじていれば、借地しゃくち権けんの付着ふちゃくしている土地とちであるため、その土地とちは底そこ地ちです。

7. 宅地たくちと雑種ざっしゅ地ちの活用かつよう方法ほうほう

宅地たくちは建物たてものを建たてる目的もくてきで取引とりひきされる土地とちのことですので、宅地たくちの活用かつよう方法ほうほうには以下いかのようなものがあります。

【宅地たくちの活用かつよう方法ほうほう】
アパート
賃貸ちんたいマンション
戸建こだて賃貸ちんたい
賃貸ちんたい併用へいよう住宅じゅうたく
シェアハウス
老人ろうじんホーム
コンビニ等とうの郊外こうがい型がた店舗てんぽ
オフィス
トランクルーム

トランクルームは、コンテナハウスと呼よばれる建物たてものを建たてるため、宅地たくちでないとできない土地とち活用かつようとなります。

一方いっぽうで、雑種ざっしゅ地ちでは以下いかのような土地とち活用かつようが挙あげられます。

【雑種ざっしゅ地ちの活用かつよう方法ほうほう】
コインパーキング
太陽光たいようこう発電はつでん
野立のだちて看板かんばん用地ようち
資材しざい置場おきば

8. まとめ

以上いじょう、土地とちの種類しゅるいについて解説かいせつしてきました。

登記とうき簿ぼ謄本とうほん上じょうの地目ちもくは、23種類しゅるいの土地とちの種類しゅるいが定さだめられています。
土地とちの種類しゅるいの調しらべ方かたは、登記とうき簿ぼ謄本とうほん上じょうの表題ひょうだい部ぶの地目ちもくで確認かくにんできます。
登記とうき簿ぼ謄本とうほん上じょうの宅地たくちまたは雑種ざっしゅ地ちは、利用りよう状じょう況きょうによって個別こべつに認定にんていされます。

宅地たくち建物たてもの取引とりひき業法ぎょうほうでは、現在げんざい建物たてものが建たっている土地とち等とうが宅地たくちとして取とり扱あつかわれます。
土地とち活用かつようを行おこなう宅地たくちは、いわゆる宅地たくち建物たてもの取引とりひき業法ぎょうほうで定義ていぎされる宅地たくちが該当がいとうします。
本ほん記事きじの内容ないようを、自分じぶんの土地とちの種類しゅるいを知しる参考さんこうにして頂いただければ幸さいわいです。

(記事きじは2022年ねん4月がつ1日にち時点じてんの情報じょうほうに基もとづいています。)

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