BPO案件「ニュース女子」&ネット放送「真相深入り!虎ノ門ニュース」勧進元DHCとのコラボレーションで近時、物議を醸す東京スカパラダイスオーケストラを従えて自慢の歌声を披露した後、「皆さんに愛して貰える銀座の新しいスポット」と役員報酬27億円のソニー会長・平井一夫が開園を宣言したソニービル跡地のGinza Sony Park。
極めて他人行儀で上から目線な文面がHPにアップされたのは、開園から僅か2日後の8月11日早朝でした。
「商品「星の王子さま」バオバブの苗木について、オンライン及びお電話にて様々なご意見を頂きました。ソニー企業は「星の王子さま」の長年のファンの皆さまの心情を考慮させて頂き、「アヲ GINZA TOKYO」と協議を行いました結果、当該商品の販売を終了して頂くことになりましたのでお知らせいたします」。
平井がソニー企業社長に抜擢した永野大輔は、「ソニーらしさとは、人のやらないことをやるところ」と「銀座ソニーパーク」の語呂合わせハッシュタグ「#gs89」まで準備して臨んだにも拘らず、ツイッター上では「#銀座ソニーパークださい」が拡散・炎上する羽目に陥りました。
斯くも炎上する原因を生み出した「アヲ GINZA TOKYO」が販売した商品「星の王子さま」バオバブの苗木とは何ぞや!?
「嫌な人は見なければいい」と昨年末、神戸での「世界一のクリスマスツリー」イヴェント炎上時にも「神戸新聞」の記者に豪語した「プラントハンター」西畠清順が代表・そら植物園と合弁で、『「本」業の復活』を基本方針に掲げる日販=日本出版販売社長・平林彰が、神田駿河台の本社内に6月6日設立した日本緑化企画が展開した「プロジェクト第一弾」。
2005年初頭に日本での著作権保護期間が終了したサン=デグジュペリの『Le Petit Prince』。日本語版が1953年に岩波書店から出版された際、訳者の東京商科大学教授・内藤濯(ないとう・あろう)の発案で『星の王子さま』と命名されました。
地下4層に店舗を詰め込んだ銀座ソニーパークの地上部214坪でソニー企業と日本緑化企画は、1本数百万円もの価格設定で西畠が「世界中から集めてセレクトした特別な植物」を購入可能な「買える公園」を展開。
「植物が購入される度に「Ginza Sony park」の表情は変わり、いつでも新鮮な表情を見せてくれます」と巧言し、バオバブの苗木も6480円で販売。が、これぞ作品と地球への冒涜だと販売中止後も炎上しています。
後学の為に初日、購入するや僕は驚嘆しました。水はけの良い土と直径15cmの器を用意せよとA4半分サイズ片面に記された紙切れと長さ30cm程の苗木が、サン=デグジュペリのサの字も記されていない“シャビー=ちんけ”な箱に無造作に突っ込まれ、見慣れたイラストの王子さまが「プラハン西畠」に酷似の人物に指図されて如雨露(じょうろ)で水を、バラの苗木でなくバオバブに与えているのです。
反ファシズムの物語「星の王子さま」でアフリカに生育の今や絶滅種のバオバオは、地球の砂漠に降り立った彼が小惑星で大切にしていたバラと対峙する、即ちファシズムの象徴として描かれています。原作への何たる侮辱。加えて7月25日、そら植物園と日販=日本出版販売は「星の王子さま」の商標登録を大胆不敵、傲岸不遜にも出願したのです。訳者の内藤が「日本語での『小さな王子様』の題名は物語の中に留めて頂ければ」と語っていた願いを踏み躙(にじ)るかの如く。
「動物のハンターとプラントハンターは、言葉は似ているが実は全く性格が違う。前者は周知の動物の命を奪い、私欲を満たすもの。三年前、米国の歯科医師がアフリカでライオンをハンティングして国際的な非難を受けたのが、その典型例だ」。
「後者は、世に知られぬ植物についてその性質を明らかにし、増やし、そして世に広めるもの。ただ消費するだけか、知識を求め、繁殖させようとするかで、
大きく異なる」。
「日本で最近話題の自称プラントハンターは、寧ろ動物のハンターに近い」。
と植物学者の東京大学教授・塚谷裕一は9月5日付「読売新聞」の書評欄で慨嘆(がいたん)しています。
本社を常に工場と一緒に置くポリシーを1966年のソニービル竣工後も貫いた創業者・盛田昭夫は、サン=デグジュペリの想いを嘲笑(あざわら)う「香具師(やし)」に翻弄(ほんろう)され、もとい、「自称プラントハンター」と発生生物学が専門の植物学の泰斗に命名された御仁と積極的に結託し、「企業倫理」などという「大切なものは目に見えないんだよL'essentiel est invisible pour les yeux.」と「星の王子さま」の至言を逆手に取って嘯(うそぶ)く、共に上場企業のソニーと日販を如何に評するでありましょうか?
(文中敬称略)