「生成せいせいAI＋RAG」の“鬼門きもん”を突破とっぱするための基礎きそ知識ちしきとは：AI時代じだいのデータベースの選えらび方かた【第だい4回かい】

　ベクトルデータベースは、ベクトル形式けいしき（数値すうちのリストや配列はいれつ）でデータを管理かんりするデータベースだ。ベクトルデータベースは検索けんさくの際さいに、テキストや画像がぞうなどのデータを数値すうちに変換へんかんすることで、数字すうじを比較ひかくしてデータ同士どうしの類似るいじ性せいを計算けいさんし、検索けんさくできる。

　データ分析ぶんせきベンダーDAS42で主任しゅにんコンサルタントを務つとめるジェフ・スプリンガー氏しは、「ベクトルデータベースにおけるデータの扱あつかいは、リレーショナルデータベースやSQLとは大おおきく異ことなり、専門せんもん的てきな知識ちしきや技術ぎじゅつが求もとめられる」と説明せつめいする。ベクトルデータベースを使つかいこなせる人材じんざいはまだ少すくないのが現状げんじょうだ。

　コンサルティング企業きぎょうPricewaterhouseCoopers（PwC）でデータおよびアナリティクスプリンシパルを務つとめるブレット・グリーンシュタイン氏しは、ベクトルデータベースの技術ぎじゅつ的てきなハードルとして以下いかを挙あげる。

　スプリンガー氏しは今後こんご、リレーショナルデータベースとベクトルデータベースが統合とうごうすることで、ユーザーの技術ぎじゅつ習得しゅうとくが容易よういになると予測よそくする。例たとえば2023年ねん6月がつ、クラウドデータウェアハウス（DWH）ベンダーSnowflakeはベクトルデータベースベンダーKXとのパートナーシップ締結ていけつを発表はっぴょうした。こうした取とり組くみは、新しん技術ぎじゅつの導入どうにゅうにおける課題かだいを軽減けいげんさせる可能かのう性せいがある。

　コンサルティング企業きぎょうNuvalence（2024年ねん4月がつにErnst & Young Globalに統合とうごう）の共同きょうどう設立せつりつ者しゃであるシンクレア・シュラー氏しは、「複数ふくすうのデータベースを併用へいようすることで、業務ぎょうむに適てきするツールを選えらべる」と話はなす。構造こうぞう化かデータは多おおくのビジネスにとって欠かかせないが、非ひ構造こうぞう化かデータを扱あつかうベクトルデータベースやグラフデータベースも併あわせて活用かつようすることで、効果こうか的てきで包括ほうかつ的てきなデータ管理かんりと分析ぶんせきが可能かのうになるだろう。