生活せいかつ実感じっかんが1987ねん以来いらい改善かいぜん冗談じょうだんでしょう 「ミザリー(悲惨ひさん)指数しすう」をつくなおしてみた

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消費しょうひしゃ物価ぶっか指数しすうしめすインフレりつ消費しょうひしゃのインフレりつ実感じっかんことなっている。写真しゃしんは2014ねん4がつ消費しょうひ増税ぞうぜい直後ちょくご撮影さつえい:今井いまい康一やすいち
2016ねん世界せかい経済けいざいのテーマを総括そうかつすると「潜在せんざい成長せいちょうりつ低下ていか」「異例いれい金融きんゆう緩和かんわ」「既存きそん政党せいとうへの不満ふまん」「ポピュリズムの台頭たいとう」「財政ざいせい拡張かくちょうへの期待きたい」・・・などだろう。こうしたテーマに世界せかい経済けいざいまわされる状況じょうきょうつづいているが、日本人にっぽんじんにとってはすんでかんつよい。とく日本にっぽん若者わかものまれたときからこれらのほとんどを体験たいけんし、期待きたいしては裏切うらぎられてきた。金融きんゆう市場いちばはトランプ次期じき米国べいこく大統領だいとうりょう財政ざいせい拡張かくちょうによる景気けいき拡大かくだいへの期待きたいつよめている。だが、財政ざいせい政策せいさくによって潜在せんざい成長せいちょうりつがるわけではないことを日本人にっぽんじんはよくっている。あらたな政治せいじながれに期待きたいをする世界中せかいじゅう若者わかものも、時間じかんてば日本にっぽん若者わかもののように期待きたいすることにつかれてしまうのかもしれない。トランプラリーは「需要じゅようさきい」ならぬ「期待きたいさきい」をしているようにえてならない。この連載れんさいでは、筆者ひっしゃ金融きんゆう市場いちばぞくする若手わかてエコノミストとしてややめた若者わかもの目線めせん経済けいざいていきたい。(しん連載れんさいつき1かい掲載けいさいします)

「ミザリー指数しすう」はなぜ実感じっかんわなくなったのか

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国民こくみん生活せいかつ実感じっかんしめ指標しひょうとしてひろもちいられてきた指標しひょうが「ミザリー(悲惨ひさん指数しすう」だ。これがバブルの1987ねん以来いらいじつにほぼ30ねんぶりの「生活せいかつ実感じっかん改善かいぜん」というシグナルをはっしている。

この指数しすう失業しつぎょうりつとインフレりつ単純たんじゅん合計ごうけいした指数しすうで、いずれもたかければたかいほど家計かけい生活せいかつくるしくなるというかんがかたから、この指数しすうたかいほど生活せいかつ実感じっかん悪化あっかしている(悲惨ひさん)と解釈かいしゃくされる。ぎゃく失業しつぎょうりつひくければひくいほどよいし、インフレりつひくければひくいほど消費しょうひしゃはたくさんのものえる。インフレりつに「CPI(消費しょうひしゃ物価ぶっか指数しすう総合そうごう」(総務そうむしょう)を使つかって、ミザリー指数しすう計算けいさんすると、9月ではCPI総合そうごう前年ぜんねん同月どうげつマイナス0.5%、完全かんぜん失業しつぎょうりつが3.0%となり合計ごうけいは2.5%だった。この数字すうじは1987ねん3がつの2.4%以来いらいてい水準すいじゅんだ。

しかし、「1987ねん以来いらい改善かいぜん」というほど生活せいかつ実感じっかん改善かいぜんしているひとは、それほどおおくないだろう。違和感いわかん正体しょうたいはどこにあるのか。実際じっさいのところは、賃金ちんぎん上昇じょうしょうにぶいために、物価ぶっかがっても購買こうばいりょく改善かいぜんかんじることができないのだろう。失業しつぎょうりつ低下ていかは、人手ひとで不足ふそく問題もんだいえんやすによる一時いちじてき企業きぎょう業績ぎょうせき改善かいぜんによってもたらされた結果けっかであるため、先行さきゆ不安ふあん根強ねづよ賃金ちんぎん上昇じょうしょうまではなかなか期待きたいできない、といったところだろう。

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