日本にっぽんが大量たいりょう輸入ゆにゅうする｢木質もくしつペレット｣に重大じゅうだいな懸念けねん 生産せいさん地ちのアメリカ南部なんぶで増ふえる健康けんこう被害ひがいの声こえ

木質もくしつペレット最大手さいおおて、エンビバの工場こうじょうがあるノースカロライナ州しゅうのノーサンプトン郡ぐんなどでは、健康けんこう被害ひがいを訴うったえる人ひとが出でてきている（写真しゃしん：筆者ひっしゃ撮影さつえい）

地球ちきゅうを救すくうエコ燃料ねんりょうなのか、健康けんこう被害ひがいを及およぼす問題もんだい燃料ねんりょうなのか――。発電はつでん用よう素材そざいとして日本にっぽんでも利用りようが急激きゅうげきに増ふえている「木質もくしつバイオマス」をめぐって、生産せいさん工場こうじょうが多おおくあるアメリカ南部なんぶでは、健康けんこう被害ひがいを訴うったえる声こえが増ふえており、地元じもとNGOやメディアが問題もんだい視しし始はじめている。

木質もくしつバイオマス燃料ねんりょうの1つである木質もくしつペレットは、国産こくさんより輸入ゆにゅうの方ほうが安やすく調達ちょうたつしやすく、現在げんざいは主おもにベトナムやカナダから輸入ゆにゅうされており、その輸入ゆにゅう量りょうは2012年ねんの7万まんトンから2021年ねんには311万まんトンに拡大かくだい。日本にっぽんが脱だつ炭素たんそを急いそぐ中なか、輸入ゆにゅう量りょうは今後こんごも増ふえる公算こうさんだ。

アメリカ南部なんぶからの輸入ゆにゅうが増ふえる公算こうさん

こうした中なか、日本にっぽんの大手おおて企業きぎょうや電力でんりょく会社かいしゃはアメリカの木質もくしつペレット大手おおて、エンビバとすでに提携ていけいし、今後こんご年間ねんかん最大さいだい850万まんトンの木質もくしつペレットを調達ちょうたつする予定よていだ。これは、エンビバの現在げんざい年間ねんかん総合そうごう生産せいさん量りょうの620万まんトンを超こえる量りょうである。

エンビバなど木質もくしつペレットを生産せいさんする企業きぎょうの多おおくは、木材もくざい生産せいさん地ち世界一せかいいちとされるアメリカ南部なんぶに工場こうじょうを構かまえており、2021年ねんには約やく10億おくドル（約やく1400億おく円えん）相当そうとうを輸出ゆしゅつしている。南部なんぶに10工場こうじょうを持もつエンビバが最大手さいおおてで、これに次つぐイギリスのドラックスは南部なんぶで7つの工場こうじょうを展開てんかいしている（ドラックスは南部なんぶにある工場こうじょうではなく、カナダにある工場こうじょうから日本にっぽんへペレットを輸出ゆしゅつしている）。

日本にっぽんとも取引とりひきがある2社しゃだが、日本にっぽんであまり知しられていないのは、木質もくしつペレット工場こうじょう付近ふきんで健康けんこう被害ひがいが増ふえていることだ。筆者ひっしゃは以前いぜんからペレット工場こうじょうの近隣きんりん住民じゅうみんや現地げんちのNGOへの取材しゅざいを行おこなってきたが、5月に日本にっぽんのNGOが行おこなった現地げんち訪問ほうもんに同行どうこうした。