｢窓まどのサッシが足たりない｣注文ちゅうもん殺到さっとうの意外いがいな背景はいけい やっと本格ほんかく化かしてきた｢住宅じゅうたくの断熱だんねつ性せい｣強化きょうか

断熱だんねつリフォーム後ご（左ひだり）とそれ以前いぜんの室内しつないの温度おんどの様子ようす。暖色だんしょくが暖あたたかいことを表あらわす（筆者ひっしゃ撮影さつえい）

メーカー、施工しこう業者ぎょうしゃらが対応たいおうに大忙おおいそがし

日本にっぽんには約やく5000万まん戸このストック住宅じゅうたくがあり、断熱だんねつ性せいが低ひくい1980年ねん基準きじゅんで建たてられた住宅じゅうたくと、1980年ねん基準きじゅんに適合てきごうすらしない住宅じゅうたくが全体ぜんたいの7割わり弱じゃくを占しめている。

断熱だんねつ性せい強化きょうかにあたって「窓まど断熱だんねつ」が特とくに効果こうか的てきであることは、前々まえまえから知しられていた。1970年ねん前後ぜんこうには北海道ほっかいどうなど寒冷かんれい地ち向むけ住宅じゅうたく向むけに「内うち窓まど（二に重じゅう窓まど）」対応たいおう商品しょうひんが開発かいはつ、商品しょうひん化かされていたからである。そして、このことが国内こくないにおける住宅じゅうたく断熱だんねつの端緒たんしょの1つと位置いちづけられる。

内うち窓まどのイメージ。内うち窓まどはわかりやすいように開ひらいた状態じょうたいにしている（筆者ひっしゃ撮影さつえい）

その窓まど断熱だんねつについて現在げんざい、いまだかつてないほどのブームが到来とうらいしている。商品しょうひんを生産せいさん・供給きょうきゅうするサッシメーカーや、施工しこうをするリフォーム会社かいしゃや業者ぎょうしゃらは対応たいおうに大おおわらわの状態じょうたいとなっている。

契機けいきとなったのは今年ことし3月がつ末まつから開始かいしした「住宅じゅうたく省しょうエネ2023キャンペーン」。総額そうがく2800億おく円えんに上のぼる国くにによる補助ほじょ金きん事業じぎょうで、「こどもエコすまい支援しえん事業じぎょう」「先進せんしん的てき窓まどリノベ事業じぎょう（以下いか、窓まどリノベ事業じぎょう）」「給湯きゅうとう省しょうエネ事業じぎょう」からなる。

このうち「窓まどリノベ事業じぎょう」がこの状況じょうきょうを創つくり出だした主おもな要因よういんだ。ストック住宅じゅうたくの窓まど断熱だんねつ改修かいしゅうを対象たいしょうに1000億おく円えんの予算よさんを計上けいじょう。省しょうエネ性せいの高たかい断熱だんねつ窓まど（主おもに内うち窓まど）に改修かいしゅうする費用ひようについて、1戸こあたり5万まん円えんから最大さいだい200万まん円えんまで補助ほじょするものだ。

こどもエコすまい支援しえん事業じぎょうなどとの併用へいようができ、より多おおくの補助ほじょ金きんを得えられるケースもあることから、建物たてもの全体ぜんたいのリフォーム「リノベーション」にまで発展はってんできるケースもあることからニーズが急増きゅうぞうした。

2カ月かげつ半はん経たった6月がつ中旬ちゅうじゅん時点じてんで、すでに3割わり（予算よさんに対たいする補助ほじょ金きん申請しんせい額がくの割合わりあい、窓まどリノベ事業じぎょう）に達たっする申請しんせいが行おこなわれている。このような動うごきが、リフォーム業界ぎょうかいに特需とくじゅといえる状況じょうきょうをもたらしている。