止まらない円安は1ドル=151円後半で年初来の水準を段階的に更新し、昨年、財務省が為替介入で防いだ152円手前の「防衛ライン」が迫る。
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為替市場参加者が固唾をのんで見守っていた「ドル円相場の150円超え」は10月25日アメリカ時間、思いのほか静かに実現した。その後、断続的に150円を割り込む時間が見られたものの、米金利低下にもかかわらずドル円相場は151円を超えて安定している。
2022年に入ってからのドル円相場の上昇を駆動しているのは、基本的にアメリカ経済堅調を見込んだ米金利の高止まりと、これに応じた日米金利差拡大なのだろう。
事実として10月に入ってから米金利もドル円相場も続伸しており、本当に金利差を得るために円売り・ドル買いをしている市場参加者がいるかどうかはさておき、両者の安定した関係に目をつけた取引は確かにありそうだ。
アメリカの金利上昇に先導され、150円到達
9月末から150円を超えた10月26日までの間に米10年金利は0.3%、ドル円相場は約1円の円安・ドル高が進んでいる。7月末から見た場合はそれぞれ約0.9%、約8.3円だった。それだけではないのだろうが、ドル円相場の急伸と、その結果としての150円台到達は米金利上昇に先導された印象が強い。
だが、かねて筆者が繰り返し論じてきたように、需給環境の構造変化も相当に寄与している疑いは強く、この点は改めて後述するので参照にされたい。
もっとも、年初来の為替市場は「ドル全面高」が進んでいるわけではない。
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