起おこるべくして起おきた｢円えん高だか｣はどこまで進すすむか 米べい利下りさげ･日び利上りあげで｢円えん売うり投機とうき｣が巻まき戻もどし

2年ねん余あまりの円えん安やす局面きょくめんがようやく終おわるのかーー。日米にちべい中央ちゅうおう銀行ぎんこうの会合かいごうを控ひかえ、金利きんり差さが縮小しゅくしょうに向むかうとの観測かんそくから10円えん近ちかく円えん高だかが進すすんだ。今後こんごを考かんがえる際さいに欠かかせないのは根底こんていの構造こうぞうへの視点してんだ。

円えん売うりの巻まき戻もどしは6割わり程度ていど （写真しゃしん：kai / PIXTA）

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ドル/円えん相場そうばの乱らん高下こうげが続つづいている。1週間しゅうかんで162円えん付近ふきんから152円えん割われまで、約やく10円えんも急騰きゅうとうした円えん相場そうばだが、7月がつ25日にちに発表はっぴょうされたアメリカの4～6月がつ期きGDPが予想よそう比ひ強つよい数字すうじとなったことを受うけて一時いちじ154.70円えん台だいまで値ねを戻もどしている。

過去かこの本欄ほんらんでも重かさねて論ろんじてきた点てんだが、今次こんじ円えん安やす局面きょくめんで最大さいだい規模きぼまで膨ふくれ上あがったショートポジション（円えん売うりから円えん買かいを差さし引ひきしたネット、以下いか同どう）、実勢じっせい相場そうばと日米にちべい金利きんり差さの乖離かいり、そしてキャッシュフロー（CF）ベース経常けいじょう収支しゅうしの顕著けんちょな改善かいぜんがそろっていた2024年初来ねんしょらいの円えん相場そうばの状況じょうきょうを踏ふまえれば、投機とうき的てきな円えん売うりの持もち高こう調整ちょうせいの動うごきは不可避ふかひであった。

筆者ひっしゃはハウスビューにおいて7～9月がつ期きの下値したねは「156円えん」と設定せっていしていた。これは大おおきく下した抜ぬけてしまったが、円えん高だか相場そうば自体じたいはまったく想定そうてい外がいではない。

需給じゅきゅうからも円えん安やす圧力あつりょくは減退げんたい

特とくに需給じゅきゅう要因よういんを重視じゅうしする筆者ひっしゃの立場たちばに照てらせば、CFベース経常けいじょう収支しゅうしがおおむね均衡きんこうにある事実じじつを踏ふまえ、円えん安やす相場そうばが一方いっぽう的てきに続つづく難むずかしさは感かんじていたところであった。