外交がいこう交渉こうしょうの法律ほうりつ解釈かいしゃくでは時ときに鈍感どんかんさが必要ひつようになる 佐藤さとう優ゆうの情報じょうほう術じゅつ､91年ねんソ連それんクーデター事件じけん簿ぼ66

在ざいモスクワ・リトアニア全権ぜんけん代表だいひょう部ぶのライモンダス・ユラヴィチウス参事官さんじかんとレストランで相談そうだんした3日にち後ごのことだ。ライモンダス氏しから「ちょっとこっちに来こないか」という電話でんわがあったので、筆者ひっしゃは全権ぜんけん代表だいひょう部ぶに赴おもむいた。

「マサル、この前まえの話はなしなんだけど、こんなラインで収おさめられないか」と言いってライモンダス氏しはリトアニア側がわの考かんがえ方かたを説明せつめいした。

「日本にっぽん政府せいふとリトアニア政府せいふの交換こうかん公文こうぶんには『両国りょうこくは外交がいこう関係かんけいを樹立じゅりつする』と書かく。この点てんについては日本にっぽん側がわの提案ていあんをわれわれは全面ぜんめん的てきにのむ」

──それでいいのか。

「構かまわない。この2年間ねんかん、マサルはリトアニア独立どくりつのためにリスクを負おっていろいろなことをしてくれた。この問題もんだいでマサルが日本にっぽん政府せいふとの関係かんけいで難むずかしい状況じょうきょうに陥おちいるようなことは、僕ぼくとしてもヴィチュカウスカス（全権ぜんけん代表だいひょう）としても全力ぜんりょくで阻止そししたいと考かんがえている」