自民党じみんとう総裁そうさい選せんで林はやし芳正よしまさ氏しが挑いどむ｢あまりに高たかい壁かべ｣ 低てい認知にんち度どに旧きゅう岸田きしだ派は分裂ぶんれつ､"安全あんぜん牌ぱい"の迫力はくりょく不足ふそく

自民党じみんとう総裁そうさい選せんへの立候補りっこうほを表明ひょうめいし、記者きしゃ会見かいけんする林はやし芳正よしまさ官房かんぼう長官ちょうかん（写真しゃしん：時事じじ）

林はやし芳正よしまさ官房かんぼう長官ちょうかん（63）が9月3日にち、自民党じみんとう総裁そうさい選せんへの出馬しゅつばを表明ひょうめいした。12年ねんぶり2回かい目めの挑戦ちょうせんで、同日どうじつ午後ごごの出馬しゅつば会見かいけんでは「『仁ひとし』の政治せいじ」を掲かかげ、「国民こくみんの共感きょうかんを得えられる政治せいじを取とり戻もどす」と宣言せんげんした。

これまで外相がいしょう、農水のうすい相しょうなど7つの閣僚かくりょうポストを歴任れきにんしてきた林はやし氏しは、今回こんかい総裁そうさい選せんに出馬しゅつばする候補者こうほしゃの中なかでは、4日にちに出馬しゅつば表明ひょうめいした茂木もき敏さとし充たかし幹事かんじ長ちょう（岸田きしだ総裁そうさいに職務しょくむを委嘱いしょく）に次つぐ経験けいけんと実績じっせきを誇ほこる。ただ、各種かくしゅメディアの世論せろん調査ちょうさでは、総理そうり・総裁そうさい候補こうほとしての認知にんち度どは極きわめて低ひくく、しかも同おなじ旧きゅう岸田きしだ派はからの上川かみかわ陽子ようこ外相がいしょう（71）の参戦さんせんで派は内ないの支持しじも割われており、「目指めざす総裁そうさい選せん上位じょういへの食くい込こみには高たかい壁かべが立たちはだかっている」（自民じみん長老ちょうろう）のが実態じったいだ。

もともと、旧きゅう岸田きしだ派はナンバー2の座長ざちょうだった林はやし氏しは、官房かんぼう長官ちょうかんとして岸田きしだ文雄ふみお首相しゅしょうを全力ぜんりょくで支ささえる立場たちばからも、「岸田きしだ首相しゅしょうの退陣たいじん表明ひょうめい後ごも『喪もに服ふくす』意味いみで、総裁そうさい選せん出馬しゅつばは見送みおくる」（側近そっきん）考かんがえだった。しかし、“脱だつ派閥はばつ”による候補者こうほしゃ乱立らんりつで「旧きゅう岸田きしだ派はが各かく陣営じんえいの草刈くさかり場じょうと化かしつつあった」（自民じみん幹部かんぶ）ため、「岸田きしだ首相しゅしょうの意向いこうも踏ふまえ出馬しゅつばに踏ふみ切きった」（側近そっきん）のが真相しんそうだ。

旧きゅう岸田きしだ派は後継こうけいをめぐり、上川かみかわ氏しと上位じょうい争あらそい

ただ、派閥はばつ仲間なかまだった上川かみかわ氏しが突然とつぜん、岸田きしだ首相しゅしょうに「出馬しゅつばしたい」と申もうし入いれ、「岸田きしだ氏しも渋々しぶしぶ出馬しゅつばを認みとめたことで、派は分断ぶんだんの危機ききに陥おちいった」（同どう）のも事実じじつ。もちろん、岸田きしだ首相しゅしょうは「最終さいしゅう的てきに2人ふたり出馬しゅつばとなっても、どちらかが1回戦かいせんで上位じょうい2人にんに食くい込こまない限かぎり、決選けっせん投票とうひょうでは旧きゅう岸田きしだ派はの対応たいおうを一本いっぽん化かする考かんがえ」（旧きゅう岸田きしだ派は幹部かんぶ）だとされる。

このため林はやし氏しは「旧きゅう岸田きしだ派はの後継こうけい者しゃとなるためには、何なにが何なんでも上川かみかわ氏しより上位じょういになる必要ひつようがある」（側近そっきん）ことになる。だからこそ、「参院さんいん議員ぎいん時代じだいの親したしい議員ぎいんらを中心ちゅうしんに旧きゅう岸田きしだ派は以外いがいの議員ぎいんにも必死ひっしに支持しじを求もとめている」（同どう）が、「旧きゅう岸田きしだ派はの女性じょせい議員ぎいんのほとんどが上川かみかわ氏しの支持しじに回まわっている」（旧きゅう岸田きしだ派は幹部かんぶ）こともあり、「“林はやしVS上川かみかわ”でも勝かてる確信かくしんが持もてない状況じょうきょう」（側近そっきん）とみられている。