人間にんげんのうは「150にん以上いじょうひと」と仲良なかよくなれない 現代げんだい社会しゃかいにおける「進化しんかのミスマッチ」の問題もんだい

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縮小しゅくしょう
長谷川眞理子氏
29まんねんにわたる狩猟しゅりょう採集さいしゅう時代じだいにつくられたわたしたちののうは、現代げんだい社会しゃかいにうまく対処たいしょできないと、進化しんか生物せいぶつ学者がくしゃ長谷川はせがわ眞理子まりこ指摘してきします(撮影さつえい今井いまい康一やすいち
ともだちのかず生産せいさんせいたかいチームのメンバーすう縦割たてわする会社かいしゃ社員しゃいんすう……。これらの人数にんずうは、進化しんか心理しんり学者がくしゃのロビン・ダンバーが発見はっけんした「ダンバーすう」や「ダンバー・グラフ」に支配しはいされている。古来こらいより人類じんるいは、「家族かぞく」や「部族ぶぞく(トライブ)」を形作かたちづくってらしてきたからだ。
メンバー同士どうしきずなふかめ、信頼しんらいい、帰属きぞく意識いしきをもって協力きょうりょくう、創造そうぞうてき生産せいさんせいたか組織そしききずくためには、このような人間にんげん本能ほんのう行動こうどう様式ようしきにかんする科学かがくてき知識ちしき不可欠ふかけつである。日本語にほんごばんが2024ねん10がつ刊行かんこうされた『「組織そしき人数にんずう」の絶対ぜったい法則ほうそくについて、進化しんか生物せいぶつ学者がくしゃ長谷川はせがわ眞理子まりこはなしいた。3かいにわたっておとどけする。

進化しんか心理しんりがくをビジネスに応用おうようしたはつしょ

「組織と人数」の絶対法則: 人間関係を支配する「ダンバー数」のすごい力
『「組織そしき人数にんずう」の絶対ぜったい法則ほうそく: 人間にんげん関係かんけい支配しはいする「ダンバーすう」のすごいちから』(東洋経済新報社とうようけいざいしんぽうしゃ)。しょかげをクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。かみばんこちら電子でんしばんこちら楽天らくてんサイトのかみばんこちら電子でんしばんこちら

進化しんか心理しんりがく進化しんか生物せいぶつがく知見ちけんが、ビジネスなど現実げんじつ社会しゃかい組織そしき運営うんえい応用おうようされることは、日本にっぽんではありませんでした。

「ダンバーすう」や「ダンバー・グラフ」とばれる5、15、50、150という数字すうじ法則ほうそくは、人間にんげんのうおおきさと、そのおおきさで処理しょりできる社会しゃかいてき情報じょうほう限界げんかいという意味いみで、非常ひじょう重要じゅうようなものだとおもいます。

150にんという人数にんずうが、あまり苦労くろうせずにひとおもせる限界げんかいであり、ひと一緒いっしょになれる人数にんずうだということ、そして、それが人間にんげん社会しゃかい生活せいかつ制限せいげんするものであるということもわかっていました。

しかし、「ダンバーすう」を提唱ていしょうしたロビン・ダンバー自身じしん大脳だいのうしん皮質ひしつ容量ようりょうから数字すうじみちびしたのち本当ほんとうにそうなのかを実証じっしょうすることに時間じかん使つかってきたわけです。

本書ほんしょにもかれているように、軍隊ぐんたい組織そしき大体だいたい150にんで1つのまとまりになっており、それが分割ぶんかつされていること、SNSなどのあたらしい装置そうちひろまっても、そこで日常にちじょうてきはなせるのは150にん限度げんどであることなどは実証じっしょうされてきました。

そのうえで、「ダンバーすう」を使つかって、この複雑ふくざつ社会しゃかいをどう運営うんえいするべきなのかに言及げんきゅうしたのは本書ほんしょはじめてでしょう。

ページ狩猟しゅりょう採集さいしゅう時代じだいつくられたおおきなのう
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