コロナ自粛から経済活動再開に舵を切った日本だが、今話題になっているのが「抗体検査」だ。そもそも抗体検査は何のためにあるのか。感染で体内にできるタンパク質(抗体)の有無でコロナにかかったかどうかがわかるといい、つまりは「感染歴」を調べる目的だ。もし抗体が発見されればウイルスに対して耐性を持つため、他人に感染させるリスクが抑えられ、移動の自由も獲得できる─。そう考える人が大半なのではないか。
百聞は一見にしかずということで、「週刊アサヒ芸能」では、記者が実際に抗体検査を受け、その様子をルポしている。
─まずはとある都内クリニックに電話してみると、
「来院して検査されますか。もしくは、お電話で診察後に検査キットを郵送しますので、ご自分で採血をして送り返してもらうことになります」
とのこと。在宅検査もできるということなので、キットを郵送してもらうことにした。
やり方はいたって簡単。ボタンを押すと針が飛び出してくる器具を指の先にチクリと刺し、スポイトで血を採取し、それを薬液が入った小さい容器中へ落として返送するだけだ。
それから5日後。クリニックの医師から電話がかかってきた。
「結果が出ました。陰性でした。よかったですね」
陰性…ということは、コロナの抗体ナシ? 「よかったですね」とはいったい何か。「陰性=抗体を持っていない」わけだから、今後感染する可能性があるので残念、ということではないのか。
「いえ、抗体検査で陽性が出たとしても、その抗体が終生免疫だとはまだ解明されていないんです。それに、抗体があってもまた再感染する、つまり1~2カ月で抗体が消えてしまう可能性も世界で指摘されています。陰性で万歳です。仮に陽性だったということは、一度はどこかでかかっていますからね。たとえ無症状だった場合でも、ウイルスが一度体内に侵入していたとするなら、それなりに体内細胞は(ウイルスに)アタック(攻撃)され、弱っている。かからないにこしたことはないんです」
後日、検査結果が書かれた証明書が郵送されてきた。
実は抗体検査で陽性だった場合、保健所に報告して、すぐにPCR検査を受けなければならないという。そもそも「抗体アリ=もう感染しないから安心」というぼんやりと抱いていた「常識」は全く不正確だったのだ…。
そんな、話題にはなっているが、いまひとつ具体的な内容がわからなかった「抗体検査」の現実を、6月2日発売のアサヒ芸能6月11日号で詳細にレポートしている。(写真はイメージ)