チリ大だい地震じしん後ごに日本にっぽん大震災だいしんさいが発生はっせいするメカニズムとは？（3）「宝永ほうえい地震じしん」の7年ねん前まえにも…

　心配しんぱいな地域ちいきは他ほかにもある。防災ぼうさいジャーナリストの渡辺わたなべ実みのる氏しはこう話はなす。

「3.11以降いこう、異変いへんは地球ちきゅう規模きぼで起おきている。その一部分いちぶぶんが日本にっぽん列島れっとうで起おきていると考かんがえたほうがいい。3.11以降いこう、日本にっぽん列島れっとうはゆがんでいる。GPSで見みると、日本にっぽん列島れっとうは時計とけい回まわりで引ひっ張ぱられ、首都しゅと圏けんは西北せいほく方向ほうこうに引ひっ張ぱられている。そういう状況じょうきょうの中なかで、年明としあけから房総半島ぼうそうはんとう沖おきでスロー地震じしんが観測かんそくされた。あの地域ちいきは3.11で割われ残のこったところです。つまり、いつ第だい2弾だんが起おこっても不思議ふしぎはないのです」

　島村しまむら氏しも3.11の震源しんげん域いきの南側みなみがわと北側きたがわが割われ残のこっており、今後こんご動うごく可能かのう性せいが高たかいとする。また、木村きむら氏しも今後こんご10年ねんのうちに3.11の震源しんげん域いきの北側きたがわで大だい規模きぼな地殻ちかく変動へんどうが発生はっせいすると予測よそくする。

　こうして見みてくると、日本にっぽんには巨大きょだい地震じしんの前兆ぜんちょう現象げんしょうと考かんがえられなくもない不気味ぶきみな兆候ちょうこうがゴマンとあることがわかる。

　さる防災ぼうさいジャーナリストが言いう。

「1707年ねんに発生はっせいした宝永ほうえい地震じしんはM9クラスの南海なんかいトラフ地震じしんでした。遠州灘えんしゅうなだ沖おきから紀伊半島きいはんとう沖おきを震源しんげんとして発生はっせいし、南海なんかいトラフのほぼ全域ぜんいきにわたってプレート間あいだの断層だんそう破壊はかいが発生はっせいしたと推定すいていされます。興味深きょうみぶかいのは、その地震じしんが起おきる7年ねん前まえの1700年ねん、太平洋たいへいようの東ひがし端はしの北米ほくべい大陸たいりくでカスケード地震じしん（M8.7）が発生はっせいしたことです。300年ねんも昔むかしの話はなしですが、太平洋たいへいようの東ひがし端はしと西端せいたんで起おきる地震じしんは互たがいに呼応こおうしているという理論りろんに当あてはまる」

　そう考かんがえると、ますます南海なんかいトラフ地震じしんが気きがかりになってくるではないか。

　最後さいごに、渡辺わたなべ氏しがこう指摘してきする。

「五輪ごりん開催かいさいに日本にっぽん中ちゅうが沸わき立たっていますが、日本にっぽん列島れっとうは緊迫きんぱくした状況じょうきょうにある。したがって、リスクマネジメントとして舛添ますぞえ要一よういち都知事とちじは五輪ごりん返上へんじょうも選択肢せんたくしの一ひとつに入いれたほうがいいでしょう」

　チリ沖おき地震じしんのあと、日本にっぽんで巨大きょだい地震じしんが起おこるまでの最長さいちょう期間きかんと言いわれる今後こんご6年ねんは、五輪ごりん関係かんけい者しゃのみならず、「次つぎに起おきる大だい地震じしん」への心構こころがまえや、備そなえが特とくに必要ひつようだ。