プロ野球やきゅうセ・パ交流こうりゅう戦せん“一触即発いっしょくそくはつ”ベンチ裏うらレポート（2）楽天らくてん・石井いしい監督かんとくを警戒けいかいさせる巨きょ人じんのマー君くん獲えり

　西武せいぶ以上いじょうに長ながい低迷ていめい期きを抜ぬけ出だせずにいるのが楽天らくてんだ。4月に選手せんしゅ会かいが発表はっぴょうした契約けいやく更改こうかいの満足まんぞく度どが12球団きゅうだん最下位さいかい。その余波よはが選手せんしゅたちの士気しきに影響えいきょうしているというのだ。球界きゅうかい関係かんけい者しゃが語かたる。

「かねてから、FA移籍いせき組ぐみと生はえ抜ぬき組ぐみの賃金ちんぎん格差かくさにウンザリしていました。そこに拍車はくしゃをかけたのが、GMを退任たいにんした現在げんざいでもチームの全権ぜんけんを握にぎる石井いしい一久かずひさ監督かんとく（49）の存在そんざい。契約けいやく交渉こうしょうの席せきで、ある試合しあいのハイライトシーンを持もち出だして給料きゅうりょうアップを打診だしんした選手せんしゅを『あれは俺おれから監督かんとく賞しょうを出だしたじゃん』と一蹴いっしゅう。本人ほんにんは友達ともだち感覚かんかくでうまくこなしているつもりかもしれないですが、交渉こうしょうスキルのレベルの低ひくさが選手せんしゅとの壁かべを作つくっている」

　一方いっぽうで、VIPに対たいする扱あつかいだけは丁重ていちょうなようで、

「田中たなか将すすむ大だい（34）には細心さいしんの注意ちゅういを払はらっています。5月13日にちに1度ど抹消まっしょうして中ちゅう10日とおかで登板とうばんさせたのも、マー君くんの疲労ひろうを考慮こうりょしての判断はんだん。実じつは、巨人きょじんの原はら辰たつ徳とく監督かんとく（64）が水面すいめん下かで獲得かくとくに動うごいているようで、そのオファーを石井いしい監督かんとくが袖そでにしているとか。どうも、ローテを計算けいさんできるマー君くんを手放てばなしたくない思おもいが半分はんぶん、トレードで『ババを引ひきたくない』という思おもいも半分はんぶんあるようです」（スポーツ紙しデスク）

　19、20年ねんに両りょう球団きゅうだんの交換こうかんトレードが3件けん成立せいりつ。楽天らくてんが巨きょ人じんに古川ふるかわ侑利（27）＝現げんソフトバンク＝、ウィーラー（36）＝22年ねん引退いんたい＝、高梨たかなし雄平ゆうへい（30）を放出ほうしゅつして獲得かくとくしたのは、和田わだ恋こい（27）、池田いけだ駿しゅん（30）＝21年ねん引退いんたい＝、高田たかだ萌もえ生せい（24）だった。いずれも、巨人きょじんからの移籍いせき選手せんしゅが1軍ぐんでフルシーズン働はたらいた形跡けいせきはない。

「とはいえ、楽天らくてんには巨人きょじんに大おおきな“借かり”がありますからね。素行そこう不良ふりょうを隠かくして巨きょ人じんに出だされた選手せんしゅが、窃盗せっとう容疑ようぎで逮捕たいほされている。そこから数すう年ねんは巨人きょじん側がわの意いに沿そうトレードを飲のまざるをえなかったんです。それでも、昨季さくき、不調ふちょうで戦線せんせん離脱りだつもした坂本さかもと勇人はやと（34）の代替だいたいショートとして茂木もき栄さかえ五郎ごろう（29）の獲得かくとくを打診だしんしていた際さいには、楽天らくてん側がわが拒否きょひしている。すでに禊みそぎを済すませたつもりでいるのかもしれません」（球界きゅうかい関係かんけい者しゃ）

　6月16日にちからの交流こうりゅう戦せんラストカードとなる両者りょうしゃの顔合かおあわせでも、もはや緊急きんきゅうトレードは成立せいりつしないだろう。というのも、今いまや巨きょ人じんは若手わかてがメキメキ成長せいちょう。3年ねん目めの秋広あきひろ優ゆう人じん（20）や新人しんじんの門脇かどわき誠まこと（22）らがレギュラーに食くい込こんでいる。だがその一方いっぽうで‥‥。

「“デーブ”こと大久保おおくぼ博ひろし元もとコーチ（56）の『俺おれが育そだてた』と言いわんばかりの挙動きょどうが目めに余あまるんです。試合しあい中ちゅうも、秋広あきひろら若手わかての打席だせきの時ときにだけ露骨ろこつに大おおきな声こえで檄げきを送おくっている。ベテラン選手せんしゅに対たいする我わが関かんせずな態度たいどとは180度ど違ちがいます。一部いちぶの主力しゅりょく選手せんしゅから『実績じっせき作づくりに必死ひっしですね』と陰口かげぐちを叩たたかれている」（スポーツ紙しデスク）

　功名こうみょう心しんに駆かられて足あしをすくわれないことを祈いのるばかりである。