フィギュアスケートのNHK杯で、大会2連覇を果たした羽生結弦選手。大会後のインタビューでは「正直ほっとしています。久しぶりに300点を超えることができてとても嬉しかった」と、笑顔で答えた。
今シーズンから挑んだ4回転ループジャンプの成功については「耐えて降りたという感覚で、もっときれいに跳べたと思う。ほかの4回転ジャンプなどもまだまだ伸びしろがあるので、これからまたつめていければいいと思う」と、さらなるブラッシュアップを口にした。
高得点での優勝なのに、羽生選手が「まだまだ」と反省するのはどのあたりなのか、フィギュアに詳しいスポーツライターが解説する。
「フリーの4回転ループは、跳んでいる姿勢の軸が前傾していたのに、よく着氷できたなと思いました。また、後半の4回転3回転は転倒。それでも300点超えになったのは、他のジャンプとスピンとステップに加点があったからです。男子は、4回転ジャンプの成功がないと、表彰台には上がれないので、そこに課題が残っていると思っているのでしょう」
では、12月8日からフランスで開催される「グランプリファイナル2016」は万全だろうか?
「気になったのは、エキシビションの演技です。荒川静香の代名詞となったレイバックイナバウアーで会場を沸かせた羽生選手ですが、ジャンプは2種類のみで、転倒こそなかったものの、その1回は回転が少なくなりました。また、得意のスピンですが、軸がいつもより流れているのが気になりました。故障した左足をかばうあまり、右足に負担がかかっているのか、少し心配です」
今期は、グランプリファイナル4連覇がかかっている羽生選手。最高の演技で有終の美を飾ってほしいものだ。