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　障害しょうがいを理由りゆうに暗くらい部屋へやに閉とじ込こめられる子こども、その子こを殺ころせと親戚しんせきから言いわれる親おや――。日本にっぽんから1万まんキロ以上いじょう離はなれたケニアの地ちで、医師いしの公文くもん和子かずこさん（52）は彼かれらに寄より添そってきました。その日々ひびから何なにが見みえるのでしょうか。（多た鹿しかちなみ）

　「私わたし、子こどもたちの笑顔えがおをとっても楽たのしんでいるんです」。柔やわらかな表情ひょうじょうを浮うかべ、くしゃっと笑わらいながら語かたってくれた公文くもんさん。周まわりの空気くうきがワントーン明あかるくなるような、温あたたかい笑顔えがおだった。

　大学だいがく時代じだいから海外かいがいに興味きょうみを持もち、医師いしとして難民なんみんキャンプなどで活動かつどうしていた。転機てんきは2012年ねん、ケニアでスラムの衛生えいせい指導しどうなどに関かかわっていた時ときに訪おとずれた。診察しんさつを受うけに来きた重度じゅうどの脳性のうせいまひの少年しょうねんが見みせた無邪気むじゃきな笑顔えがおに、「この子こたちと生いきていこう」と決きめ、15年ねんには障害しょうがいがある子この療養りょうよう施設しせつをつくった。聖書せいしょに出でてくる、目めの見みえない人ひとを癒いやした池いけから名付なづけた「シロアムの園えん」だ。

　障害しょうがいは、貧困ひんこんとの関係かんけいが根深ねぶかい。WHO（世界せかい保健ほけん機関きかん）や国連こくれんによると、世界せかい人口じんこうの15%にあたる10億おく人にんに何なんらかの障害しょうがいがあるが、うち80%が発展はってん途上とじょう国こくに住すんでいると推定すいていされる。

　ケニアでは出産しゅっさん時じの医療いりょう体制たいせいの不備ふびが原因げんいんで「防ふせげたはずの障害しょうがいのある子こは多おおいんです」。シロアムの園えんには1～14歳さいの45人にんほどが通かようが、「半分はんぶん以上いじょうが脳性のうせいまひで、うち9割わりが生うまれてすぐ泣なかなかったのに処置しょちされないなど、適切てきせつに治療ちりょうされなかった子こたち」だという。

　一方いっぽうで「差別さべつや偏見へんけんでなかなか正ただしく理解りかいが広ひろまらない」という現実げんじつもある。シロアムの園えんに通かよう母親ははおやらが親戚しんせきから「この家いえは呪のろわれている」と言いわれ、障害しょうがいのない弟おとうとが生うまれたら「障害しょうがいのあるお兄にいちゃんは逝いかせなさい」と言いわれる苦悩くのうを聞きいてきた。「自分じぶんを責せめる母親ははおやを見みるとすごく切せつなくて」。母親ははおやらも支ささえるため、施設しせつでは治療ちりょうやリハビリ、服ふくの脱ぬぎ着ぎなどの訓練くんれんのほか、行事ぎょうじを通とおして親子おやこや家族かぞく間あいだの理解りかいも深ふかめている。

　「人ひとと関かかわるのが難むずかしい障害しょうがいがあっても、人ひととの関かかわりの中なかで人間にんげんらしさが形成けいせいされていくんです」。子こどもたちと過すごすなかで学まなんできたことだ。

　シロアムの園えんをつくってすぐ…