炭素たんそでO157を無毒むどく? 特効薬とっこうやく開発かいはつにも期待きたい 群馬大ぐんまだい研究けんきゅうGが発表はっぴょう

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杉浦すぎうら達朗たつろう
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 重度じゅうど食中毒しょくちゅうどくこす腸管ちょうかん出血しゅっけつせい大腸菌だいちょうきんO(オー)157を、炭素たんそもちいることで無毒むどくすることに成功せいこうしたと、群馬大学ぐんまだいがくが6にち発表はっぴょうした。大学院だいがくいん医学いがくけい研究けんきゅう平川ひらかわ秀忠ひでただじゅん教授きょうじゅらの研究けんきゅうグループによる成果せいかで、「根本こんぽんてき治療ちりょう方法ほうほう確立かくりつされていないO157への有効ゆうこうくすりなどの開発かいはつ期待きたいできる」という。

 O157に感染かんせんすると「ベロ毒素どくそ」などの病原びょうげんせいたんぱくしつ分泌ぶんぴつされ、食中毒しょくちゅうどくこす。

 ぐんだいによると、国内こくないはじめて感染かんせん確認かくにんされた1990ねん以降いこう特効薬とっこうやくなどは現在げんざいでも存在そんざいせず、平川ひらかわじゅん教授きょうじゅは「重症じゅうしょうしないよういのるしかなかった」。感染かんせんしゃの5%、幼児ようじ高齢こうれいしゃは10%が重症じゅうしょうし、くなったり後遺症こういしょうのこったりすることがあるとされる。

 平川ひらかわじゅん教授きょうじゅらは2017ねんごろ、化学かがくメーカーの「クレハ」(東京とうきょう)から「医療いりょうよう活性炭かっせいたん細菌さいきん使つかえないか」と相談そうだんけ、研究けんきゅうはじめた。けししゅう効果こうかられるすみには、えない分子ぶんしなどを表面ひょうめんあな吸着きゅうちゃくするはたらきがあり、平川ひらかわじゅん教授きょうじゅ身近みぢか細菌さいきんのO157を無毒むどくできないかとかんがえた。

 研究けんきゅうすすめるなかで、活性炭かっせいたんよりもおおきい平均へいきん直径ちょっけい150ナノメートルのマクロあなつ「多孔たこうしつ炭素たんそ」が、O157が病原びょうげんせいたんぱくしつおおきさにあっていることが判明はんめい。この炭素たんそをO157の培養ばいようえき添加てんかすると、病原びょうげんせいたんぱくしつつよ吸着きゅうちゃくし、無毒むどくすることが確認かくにんできた。

 O157の代替だいたいきん感染かんせんさせたマウスを使つかった実験じっけんでも、多孔たこうしつ炭素たんそ経口けいこう投与とうよしたグループには治療ちりょう効果こうかがみられ、副作用ふくさようなどもみられなかったという。

 こうした研究けんきゅう成果せいかをまとめた…

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