「早めに涼しい場所へ」 猛暑続くなか、熱中症による救急搬送が増加
神宮司実玲
厳しい暑さが続くなか、熱中症による救急搬送も増加している。総務省消防庁の速報値では、7月24~30日の熱中症による全国の救急搬送数は1万1765人で、今年の最多を更新した。3~30日の4週間では、搬送数は計3万3千人に達した。
熱中症で救急搬送される人の主な症状について、帝京大学医学部付属病院高度救命救急センターの神田潤医師は、「高体温や、受け答えや会話がおかしかったりできなかったりするなどの意識障害がみられる」と話す。
消防庁によると、昨年の熱中症による救急搬送人員のうち、3割強は中等症や重症で入院が必要だった。搬送人員中、54・5%が65歳以上の高齢者で、発生場所は住居(敷地内全てを含む)が39・5%だった。
神田さんは「具合が悪くなったら、早めに暑いところから涼しいところに移動してほしい」と話す。新型コロナウイルス感染症の定点医療機関あたりの感染者の報告数は東京都では増加傾向にあり、救急搬送された人のうちコロナの検査で陽性になる人も一定数いるという。
気象庁によると、5日の予想最高気温(4日午後5時時点)は福岡で37度、東京や金沢、大阪、広島、松江、高松で36度となっている。
熱中症は、予防と重症化させないことが重要だとされている。消防庁は、のどがかわいていなくてもこまめに水分補給することや、部屋の温度に注意してエアコンや扇風機を上手に使うよう呼びかけている。(神宮司実玲)
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。
※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません