俳優はいゆうらの約やく2割わりがセクハラを受うけたことがある――。こうした実態じったい調査ちょうさの結果けっかが、厚生こうせい労働省ろうどうしょうが10月がつに公表こうひょう予定よていの2023年版ねんばん「過労かろう死し等とう防止ぼうし対策たいさく白書はくしょ」の原案げんあんに盛もり込こまれていることがわかった。セクハラが起おきる背景はいけいについて専門せんもん家かは俳優はいゆうらの立場たちばが弱よわく、仕事しごとを失うしなう恐おそれから強つよく拒絶きょぜつできないという業界ぎょうかい特有とくゆうの事情じじょうがあるとみる。

　この白書はくしょは毎年まいとし発行はっこうされているが、芸能げいのう分野ぶんやのハラスメントの調査ちょうさ結果けっかを盛もり込こんだのは初はじめて。白書はくしょでは過労かろう死しを防ふせぐため、長時間ちょうじかん労働ろうどうやメンタルヘルス対策たいさくのほか、過労かろう自じ死しの原因げんいんにもなるハラスメント被害ひがいについて分析ぶんせきしている。

　芸能げいのう界かいを巡めぐっては、長時間ちょうじかん労働ろうどうなどが問題もんだい視しされてきており、政府せいふが21年ねんに閣議かくぎ決定けっていした「過労かろう死し防止ぼうし大綱たいこう」で調査ちょうさの必要ひつよう性せいを指摘してきされていた。

　今回こんかいの調査ちょうさは、芸術げいじゅつ・芸能げいのう界かいで働はたらく男女だんじょ640人にんを対象たいしょうに実施じっししたアンケートをまとめた。

　このうち、俳優はいゆう・スタントマンにハラスメントを受うけた経験けいけんを尋たずねたところ、セクハラ被害ひがいを受うけた人ひとは20・4%。最もっとも多おおい被害ひがいとしては、「性的せいてき関係かんけいを迫せまられた」で、11・1%だった。このほか、「仕事しごとの関係かんけい者しゃに必要ひつよう以上いじょうに体からだを触さわられた」（10・2%）、「恥はずかしいと感かんじるほどの体からだの露出ろしゅつをさせられた」（9・3%）、「羞恥しゅうち（しゅうち）心しんを感かんじる性的せいてきな実演じつえんをしなければならない」（8・3%）と続つづいた。

　声優せいゆう・アナウンサーでもセク…