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　9月17日にち、佐渡さど島とう1周しゅうエコ・ジャーニーウルトラ遠足えんそく（とおあし）208キロはレース2日にち目めに入はいっていた。熱中ねっちゅう症しょう警戒けいかいアラートが発表はっぴょうされる厳きびしい気象きしょう状況じょうきょうのなか、多おおくの選手せんしゅが熱ねっせられたアスファルト路面ろめんを進すすんでいた。

　私わたし（55）は、127キロの第だい3エイドの段階だんかいでほとんど思考しこうが停止ていししていた。それでも、体からだを休やすめながら自分じぶんなりに考かんがえた。

　「残のこりは81キロだ。大人おとなの歩あるく速はやさは一般いっぱん的てきに1キロ13分ふんほどだから、歩あるいても10キロは2時じ間あいだ10分ふんほどだ。その8倍ばいくらいだから、あと17時じ間あいだ半はんから18時じ間あいだあれば、まだ可能かのう性せいはある」

　周まわりに聞きこえるくらいに声こえを出だして計算けいさんしていたと思おもう。もう単純たんじゅんな暗算あんざんも口くちに出ださないとできなくなっていた。

　時計とけいを見みると、午前ごぜん9時じ40分ふんを過すぎたくらいだ。翌よく18日にち午前ごぜん6時じまでにゴールできなければ失格しっかくだが、まだ残のこり20時じ間あいだくらいある。

　「可能かのう性せいがあるので、私わたしはがんばってみます」

　誰だれに対たいして言いっているのか不明ふめいだが、やはり周まわりに聞きこえるくらいの声量せいりょうで宣言せんげんして第だい3エイドを出発しゅっぱつした。エイドで一緒いっしょに休やすんでいた女性じょせいランナー1人にんも同時どうじに出発しゅっぱつした。

　思考しこう力りょくが低下ていかしている以外いがいは…