先生は「定額働かせ放題」 教育の質守るため増員による抜本対策を
いま、SNS上には先生たちの葛藤の声が飛び交っている。
《教員の仕事をラーメン屋で例えると、仕込み時間5分の自分が納得できないラーメン(授業)を提供したくないって思うのと同じなんじゃないか》
十分な授業をしたくても忙しすぎて準備時間が十分取れない。教え子と向き合う余裕もない。取材でもこうした言葉を聞く。
教員の忙しさはデータでも裏付けられている。文部科学省が2022年度に実施した公立学校教員の勤務実態調査によると、平日の平均労働時間は、小学校10時間45分、中学校11時間1分。これには持ち帰ってする仕事時間は含まれていない。1カ月あたりの残業時間が文科省の定める上限(45時間)に達していたのは小学校教員で64%、中学校教員で77%。長時間の残業が常態化している。
ポイント
公立校の教員に優秀な人材を確保しようと、給与増や働き方改革が議論されている。忙しすぎるとの指摘もあり労働時間を短くしようとするが、効果はあまり出ていない。予算をかけて教員の数を増やし、授業時間を減らすといった抜本的な対策が必要だ。
国際的にも日本の長時間労働…
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