「震災しんさい=人口じんこう減げん」なのか　過去かこの予測よそくと実際じっさいの人口じんこう、比くらべて分わかった差さ

阿部あべ彰あきら芳かおる2024年ねん4月がつ21日にち 14時じ00分ふん

写真・図版 — 地震じしんと津波つなみで多おおくの家屋かおくが倒壊とうかいした石川いしかわ県けん珠洲すず市し宝立ほうりゅう町まちでは、今いまも手てつかずのがれきが残のこったままで、風景ふうけいは被災ひさい直後ちょくごから大おおきく変かわらない＝２０２４年ねん３月がつ３１日にち午前ごぜん、林はやし敏行としゆき撮影さつえい

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A-stories　8がけ社会しゃかいと大だい災害さいがい（８）

　大だい規模きぼ災害さいがいは地域ちいきの状況じょうきょうを一変いっぺんさせ、住民じゅうみんの流出りゅうしゅつによって急激きゅうげきな人口じんこう減少げんしょうを引ひき起おこす。能登半島のとはんとう地震じしんの被災ひさい地ちもいま、この問題もんだいに直面ちょくめんしている。ただ、必かならずしもすべての被災ひさい地ちで、人口じんこう減げんが加速かそくするわけではない。東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいなどの被災ひさい地ちで、被災ひさい前まえに作つくられた将来しょうらい推計すいけい人口じんこうと実際じっさいの人口じんこうを比くらべると、地域ちいきごとの違ちがいが見みえてくる。

　朝日新聞あさひしんぶんは今回こんかい、市町村しちょうそんごとの将来しょうらい推計すいけい人口じんこうを定期ていき的てきに公表こうひょうしている国立こくりつ社会しゃかい保障ほしょう・人口じんこう問題もんだい研究所けんきゅうじょ（社人しゃにん研けん）のデータと、国勢調査こくせいちょうさによる実際じっさいの人口じんこうを比較ひかくした。

　対象たいしょうとしたのは、社人しゃにん研けんが2000年ねんの国勢調査こくせいちょうさに基もとづき、03年ねんに公表こうひょうした20年ねんの将来しょうらい推計すいけい人口じんこうだ。ここには「平成へいせいの大だい合併がっぺい」で消滅しょうめつした旧きゅう市町村しちょうそんの将来しょうらい推計すいけい人口じんこうも示しめされている。

　03年ねんから20年ねんの人口じんこうを推計すいけいすれば、全国ぜんこく的てきな少子しょうし高齢こうれい化かや過疎かそ化かの進展しんてんで、多おおくの市町村しちょうそんで人口じんこうは減少げんしょうに向むかう。そうした前提ぜんていに立たつ20年ねんの将来しょうらい推計すいけい人口じんこうと、国勢調査こくせいちょうさによる旧きゅう市町村しちょうそんごとの20年ねんの実際じっさいの人口じんこうを比くらべた。

連載れんさい「８がけ社会しゃかい」

　高齢こうれい化かがさらに進すすむ2040年ねん。社会しゃかいを支ささえる働はたらき手てはますます必要ひつようになるのに、現役げんえき世代せだいは今いまの8割わりになる「８がけ社会しゃかい」がやってきます。そんな未来みらいを先取さきどりする能登半島のとはんとうでの地震じしんは、どんな課題かだいや教訓きょうくんを示しめしているのでしょうか。4月14日にちから配信はいしんする8本ほんの記事きじでは、8がけ社会しゃかいと大だい災害さいがいに焦点しょうてんをあて、災害さいがいへの備そなえや復興ふっこうのあり方かたを考かんがえます。

福島ふくしま県けん沿岸えんがん　将来しょうらい推計すいけい人口じんこうの9割わり減げんも

　まず、東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいの東京電力とうきょうでんりょく福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつ事故じこにより長期間ちょうきかんの避難ひなんを余儀よぎなくされた福島ふくしま県けんの大熊おおくま町まちや浪江なみえ町まち、富岡とみおか町まちでは、推計すいけい人口じんこうの1割わり程度ていどとなり、人口じんこうは想定そうていから9割わりも減へっていた。