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　パレスチナ自治じち区くガザでのイスラエルとイスラム組織そしきハマスの戦闘せんとうに終おわりが見みせません。パレスチナ問題もんだいを「アラブの大義たいぎ」としてきた中東ちゅうとうの地域ちいき大国たいこくサウジアラビアはどのような役回やくまわりを果はたそうとしているのでしょうか。中東ちゅうとう調査ちょうさ会かいの高尾たかお賢一郎けんいちろう研究けんきゅう主幹しゅかんに聞ききました。

　――ガザでの停戦ていせん交渉こうしょうが続つづくなか、米国べいこくとサウジが最近さいきん、両国りょうこく間あいだの安全あんぜん保障ほしょう協定きょうていなど新あらたな取とり決きめを結むすぶためにやりとりを重かさねています。目的もくてきは何なになのでしょうか。

　近年きんねん、米国べいこくはアジア重視じゅうしの政策せいさくの方向ほうこう性せいを打うち出だすなかで、中東ちゅうとうでの軍事ぐんじプレゼンスを縮小しゅくしょうさせていく流ながれにあります。ただ、その空白くうはくが中国ちゅうごくやロシアに埋うめられる事態じたいには一定いっていの警戒けいかい心しんを抱だいています。撤退てったいするにしても、米国べいこくが今後こんごも中東ちゅうとうに関与かんよするよりどころを残のこす狙ねらいがあります。

　一方いっぽうのサウジは中ちゅうロと良好りょうこうな関係かんけいを維持いじするでしょう。特とくに、中国ちゅうごくは石油せきゆの大口おおぐち輸出ゆしゅつ先さきとして重要じゅうようです。米国べいこくを引ひきつけておく材料ざいりょうとしても、中ちゅうロとの緊密きんみつさを利用りようすると思おもいます。ただ、中国ちゅうごくが軍事ぐんじ・安全あんぜん保障ほしょう面めんで中東ちゅうとうに進出しんしゅつしてくることはないでしょうし、ロシアの軍事ぐんじ展開てんかいもシリア限定げんていです。そうなると、サウジが一番いちばん頼たよりになる米国べいこくから離はなれることはありません。米国べいこくと安全あんぜん保障ほしょう協定きょうていに向むけた交渉こうしょうを進すすめることで、中ちゅうロに完全かんぜんにくら替がえしたわけではない、と秋波しゅうはを送おくっているのではないでしょうか。

最大さいだいの関心かんしんは経済けいざい成長せいちょう

　関係かんけい強化きょうかの案件あんけんには、サウジ…