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　20年ねん前まえの5月がつ22日にち、当時とうじの小泉こいずみ純一郎じゅんいちろう首相しゅしょうは2回かい目めの訪朝ほうちょうで、拉致らち被害ひがい者しゃ5人にんに続つづき、その家族かぞく5人にんの帰国きこくを実現じつげんしました。その後ご、1人ひとりも奪還だっかんできない状態じょうたいが続つづき、日にち朝ちょう首脳しゅのう会談かいだんの実現じつげんに強つよい意欲いよくを示しめす岸田きしだ文雄ふみお首相しゅしょうも成果せいかを出だせていません。日本にっぽん政府せいふは北朝鮮きたちょうせんへの圧力あつりょくを重視じゅうししてきましたが、礒崎いそざき敦あつし仁ひとし・慶応大けいおうだい教授きょうじゅ（北朝鮮きたちょうせん政治せいじ）は「事態じたい打開だかいのために日本にっぽんがまず政策せいさく転換てんかんを」と唱となえます。

　――小泉こいずみ元もと首相しゅしょうは2002年ねん、04年ねんの2度どの訪朝ほうちょうで、当時とうじの金きむ正日じょんいる（キムジョンイル）総そう書記しょきに拉致らち問題もんだいを認みとめさせ、被害ひがい者しゃの帰国きこくにこぎつけました。

　日本にっぽんの独自どくじ外交がいこうの成果せいかとして、私わたしは高たかく評価ひょうかしています。

　これは、友好国ゆうこうこくと協力きょうりょくを深ふかめるのとはまったく違ちがう外交がいこうなんですね。長年ながねんにわたって敵対てきたい関係かんけいにあった国くにのトップと直接ちょくせつ交渉こうしょうをして、相手あいてに謝罪しゃざいを求もとめる。交渉こうしょうの結果けっか、成果せいかを出だせるかはわからない。誰だれも帰国きこくさせられなければ、政権せいけんが飛とぶかもしれない。

　リスクを負おう覚悟かくごをもって首脳しゅのう会談かいだんに臨のぞみ、5人にんの被害ひがい者しゃと5人にんの家族かぞくを奪還だっかんすることができました。

　――その後ごの状況じょうきょうをどう見みていますか。

　理想りそうにこだわりすぎて、具体ぐたい的てき成果せいかのない20年間ねんかんとなってしまいました。北朝鮮きたちょうせんは米国べいこく大統領だいとうりょうにとっても手てごわい交渉こうしょう相手あいてですが、それでも懸案けんあんは解決かいけつしていかなくてはなりません。声こえ高たからかに北朝鮮きたちょうせんの国家こっか的てき犯罪はんざいを非難ひなんするのは誰だれでもできますが、それだけでは解決かいけつにならない。

　岸田きしだ首相しゅしょうは日にち朝ちょう首脳しゅのう会談かいだんに向むけて「私わたし直轄ちょっかつのハイレベルで協議きょうぎを行おこなっていきたい」と呼よびかけましたが、再ふたたび停滞ていたい段階だんかいに入はいってしまったように映うつります。

　北朝鮮きたちょうせんメディアをウォッチしていると、昨年さくねん末まつから岸田きしだ政権せいけんに対たいする名指なざし非難ひなんがぱたりと止とまったのです。

　しかし、それが今年ことし4月がつから…