本紙ほんし「声こえ」欄らんに今年ことし1月がつ掲載けいさいされた「今いまも聞きこえる　ロックじゃねえ！」を、俳優はいゆうの松重まつしげ豊ゆたかさんが歌手かしゅの星野ほしの源はじめさんと共演きょうえんする「おげんさんのサブスク堂どう」（NHK、3月5日にち）で朗読ろうどくし、「号泣ごうきゅうした」と語かたっていた。うれしい！でも、ロックの意味いみがわからない！！　音楽おんがく好すきで有名ゆうめいな松重まつしげさん、教おしえてもらえますか？――6月9日にちは「ロックの日ひ」。

　――「ロックじゃねえ！」の投稿とうこうとはどんな出会であいを？

　「最近さいきん、特とくに新聞しんぶんを読よむようにしているんです。情報じょうほうソースとしてネットだけに頼たよると真実しんじつを見み誤あやまりがちなので、紙かみに書かいてある情報じょうほうを自分じぶんで精査せいさした方ほうがいいと思おもい、朝日新聞あさひしんぶんなど3紙しを購読こうどくしています。『声こえ』のすべてに目めを通とおしているわけではありませんが、あの投稿とうこうは非常ひじょうに笑わらえたというか、先生せんせいの姿すがた形がた、どんな音楽おんがくを聴きいてそうなったのかなどを想像そうぞうし、芝居しばいのネタになりそうだなと」

　「もうひとつ、『ロックじゃねえ！』が大学生だいがくせいの投稿とうこう者しゃに響ひびいたっていうことが、僕ぼく自身じしんとてもうれしかった。生いき方かたとしての『ロック』は、もはや死語しごに近ちかいでしょ？　だけど僕ぼくの中なかにはまだあって、仕事しごとを選えらぶ基準きじゅんは、ロックか、ロックじゃないか。恥はずかしいけど、そうなんです」

　「ただ、往年おうねんのロックスターはすでに70歳さいを超こえ、日本にっぽんだと、シーナ＆ロケッツの鮎川あいかわ誠まことさんや、忌野いまわの清志郎きよしろうさんはもう『向むこう』に行いかれてしまった。彼かれらにロックスピリッツを教おしえてもらった僕ぼくら世代せだいは、果はたしてそれを若わかい世代せだいに伝つたえ継ついできただろうか？　そう自問自答じもんじとうすることが最近さいきん増ふえて、同時どうじに、まだ何者なにものでもなかった頃ころの自分じぶんを思おもい出だすんですよね。それで、最初さいしょは笑わらって投稿とうこうを読よんでいたのに、最後さいごは号泣ごうきゅうしてしまっていました」

　――いいお話はなしをいいお声こえで痛いたみ入いります。ただ、やはり「ロック」の意味いみはよくわかりません。

　「哲学てつがくに近ちかいんですよね。『ロックじゃねえ！』の先生せんせいも、じゃあロックの定義ていぎって何なに？と問とわれたら、『わかるわけないだろ！』ってなると思おもいます」

　「僕ぼくは、ザ・クロマニヨンズのボーカル・甲きのえ本ほんヒロトくんと同おない年どしで、東京とうきょう・下北沢しもきたざわの中華ちゅうか料理りょうり屋やでたまたまバイト仲間なかまとなり、夢ゆめを追おいかける姿すがたを互たがいに横よこで見みていました」

甲きのえ本ほんヒロトくんの腹はらこそロック

　――元もとザ・ブルーハーツ。「ドブネズミみたいに美うつくしくなりたい」と歌うたい出だされる「リンダ　リンダ」（1987年ねん）は衝撃しょうげきでした。

　「ヒロトくんはいまや日本にっぽんに…