自民党派閥の裏金事件を受け、改正政治資金規正法が19日、参院本会議で可決、成立。その後、3年ぶりとなる党首討論が開かれ、岸田文雄首相と野党党首が「政治とカネ」などをめぐって論戦をかわしました。タイムラインで詳報します。
15:55
公明党の山口那津男代表は記者団の取材に応じ、「自民党自身がもっと積極的に、具体的に自らの反省を示し、取り組むべきだった。なかなかその通りにはならなかった」と振り返った。
また、自民党派閥の裏金事件をめぐる説明責任については「重要な課題。これが尽くされたかというと、まだ疑問なしとしない」と指摘。「自民党には残る説明責任について、誠意をもって対応していただきたい」と述べた。
一方、企業・団体献金や政治資金パーティーの禁止について、野党が求めていたことに対しては「自らがパーティーをやり、そして企業・団体献金に依存している部分もあった。政治に一定程度のお金がかかるという以上、非現実的な主張ではないかと感じる」と批判した。
また、党首討論の中で取り上げられた憲法改正については、「今、国民の政治不信が強い現状。不信を取り除いていく与野党のそろった営みが重要」とし、世論調査では経済や社会保障などに関心があることに言及。「憲法改正については、もう最低レベルの低い関心しかない。それで国会が憲法改正について、与野党で応酬をしているということでは、国民の皆さんはいかがなものかと思ってしまうかもしれない」と慎重な姿勢を示した。
15:55
首相「一連の事案受け、再発防止・透明性向上」
改正政治資金規正法の成立を受け、岸田文雄首相が首相官邸で記者団の取材に応じた。「一連の事案を受けて、再発防止、透明性の向上という観点から実効性のある制度となった。大きな一歩であると認識している」とした上で、旧文通費や第三者機関のあり方など、残る課題に関しても「大きな改革の方向性、改革をやるんだという決意を示した」などと述べた。
15:50
国民民主・玉木氏「首相は四面楚歌だ」
党首討論で持ち時間3分を配分された国民民主党の玉木雄一郎代表は岸田首相に「四面楚歌(そか)じゃないか。野党の協力が得られない、公明党からも『グズグズしている』と言われ、自民党の中からも総理の責任を問うような声が公然と出てきている。国民の信頼も地に落ちている。四面楚歌、八方ふさがり、なぜこういう事態に陥ったと思うか」と質問。岸田首相は「私自身は四面楚歌であるとは感じておりません」と応じた。
玉木氏はさらに「四面楚歌の理由はトップが責任をとらないことだ。小手先でごまかしても物は前に進まない。今一番やらなければいけないのは、潔く職を辞して、リーダーの責任をしっかり果たすことではないか」と追及。岸田首相は「小手先の対応というが、現実の政治の中で一つひとつ結論を出していくことは大事だ。先送りできない課題に結論を出していく」と強調した。
党首討論が終了した。
15:45
共産・田村氏、夫婦別姓を質問
共産党の田村智子委員長は党首討論で、経団連が選択的夫婦別姓の導入を政府に提言したことについて「ジェンダー平等を求めるムーブメントがついに経済界も動かしたことに心からの敬意を表したい」と述べたうえで、岸田文雄首相に「女性が個人の尊厳を傷つけられている。不利益をこうむっている。これが事実だという認識があるか」と質問。
岸田首相は「認識はしているが、それ以外の角度からも議論を深めていく必要を今まだ感じている」と述べるにとどめ、慎重姿勢を示した。
15:40
「岸田内閣、もう万策が尽きている」。日本維新の会の馬場伸幸代表は19日の党首討論で、岸田文雄首相に退陣を迫った。「自民党の議員さんと話し合いをしたら、みなさん、総理の不平不満だらけ」とした上で、「明日、明後日の間に、もう内閣総辞職してください。責任を持って仕事ができる総理にバトンを渡してください」と求めた。
調査研究広報滞在費(旧文通費)の使途公開をめぐり自民が今国会での法改正を見送ったことを受け、維新が岸田政権への対決姿勢を鮮明にした形だ。退陣要求に対し、首相は「いま、先送りできない課題に専念する。私としてはそれに全力を注ぐ。結果を出すことに全力を挙げる」と従来の答弁を繰り返した。
馬場氏は討論の冒頭、旧文通費に関する岸田首相との党首間の合意文書に言及。馬場氏が「文書をつくろうと言ったのはどちらか。維新の会なのか、自民なのか」とただすと、首相は「流れの中で考えるべきで、結果として両方の関係者が合意した」と答弁。
馬場氏は「全然違いますね」と返した上で、「文通費も本気でやる気あるなら(国会の)会期延長したらいい」と指摘。首相は「一刻も早く成立させたい思いに偽りはない」と理解を求めたが、会期延長の判断には言及しなかった。馬場氏は「それなら会期延長、指示を出してください」と迫った。
馬場氏は党首間合意の自民側の調整役を「岸田派側近の議員さん」と呼んだ上で、「この議員さん、もう、我々に対して知らんぷりですよ。政治家の前に、人の道があると思う。やっぱりガバナンスがまったく効いていない」と述べた上で、首相に退陣を求めた。
15:05
立憲・泉氏が自民批判「裏のお金で選挙・政治活動」 首相「政治にはコスト」
岸田文雄政権下で初めての党首討論が19日午後、国会で始まった。自民党派閥の裏金事件を受けた改正政治資金規正法がこの日午前の参院本会議で成立したことを受け、立憲民主党の泉健太代表は「結局、自民は『表ガネ』ではやれない。裏のお金をつくって使って、選挙や政治活動をしようとしている政党だ」と批判した。
これに対し岸田首相は、立憲が企業・団体献金、政治資金パーティーや政策活動費の禁止を主張していることに触れ、「禁止、禁止、禁止は気持ちいいかもしれないが、現実的な政治の中で政治資金は民主主義を支える重要な要素。政治にはコストがかかるのは当然だ」と反論した。
泉氏はまた、「(衆院を)解散して、(改正)政治資金規正法がいいのか悪いのか、ぜひ国民に信を問おうじゃないか」と迫った。
岸田首相は「様々な課題に取り組んでいき、結果を出していく。これに専念していかなければならない。これが今の私の立場だ。それ以外のことは考えていない」と述べた。
15:00
党首討論スタート
首相と野党党首が一対一形式で国会で議論する「党首討論」が始まった。3年ぶりの開催で、岸田文雄政権下では初めて。全体で45分間の予定となっている。
立憲民主党の泉健太代表に午後3時から26分間、日本維新の会の馬場伸幸代表に同26分から12分間、共産党の田村智子委員長に同38分から4分間、国民民主党の玉木雄一郎代表に同42分から3分間の討議時間が割り振られている。
立憲の泉氏は岸田首相に衆院解散・総選挙を迫る構え。維新の馬場氏の論戦では調査研究広報滞在費(旧文通費)の使途公開などがテーマとなる見通しだ。
13:00
維新・藤田氏「自民のガバナンス崩壊」
日本維新の会の藤田文武幹事長は記者会見で、立憲民主党が提出を検討している内閣不信任案について、「岸田首相については不信任に当然なると思う。我々としても許せないし、参院でも同種の問責決議(案の提出)という形なので当然そのようになる」と述べた。一方で「共同提案するかどうかは立憲から打診はないみたいなので、あったとしてもご一緒する必要もないかなとも思う」と話した。
さらに、首相との党首会談で…