ドクターイエロー復活!? SNSに飛び交う噂 その真相は
細沢礼輝
「新幹線のお医者さん」と親しまれながらも、老朽化を理由に来年1月での引退が発表された「ドクターイエロー」。ところが、「ひそかに後継車がつくられている」といううわさがSNS上で飛び交っている。真相はいかに。JR東海に取材した。
「イエロー復活説」の根拠となっているのが、東海道新幹線の車両基地・浜松工場(静岡県浜松市)で撮影されたとする写真だ。東海道新幹線の営業車両といえば、白い車体に青いラインがお決まり。だが、そこには、現役の「N700系」タイプとみられるのに、先頭部が真っ黄色に塗装された車両が写っている。
現在のドクターイエロー車両は、2020年に東海道区間から引退した「700系」がベースになっている。N700系はその後継車両にあたるため、「イエローの後継車が製造されているのではないか」との期待を込めた観測がファンたちの間で浮上した。
さらに、ドクターイエローはJR東海とJR西日本が1編成ずつ保有するが、その引退時期をめぐってJR東海は来年1月、JR西は27年以降をめどにすると、引退時期にずれが生じた。このことも「JR西が引退させるまで、JR東海がN700系イエローをつなぎ役とするのではないか」との見方を呼んだようだ。
「黄色いN700系」の真相をJR東海に聞いてみた。
返ってきた回答は「試し塗りです」。
JR東海の担当者によると、浜松工場は大規模リニューアルに伴い、17年から車体の塗装についても塗料を替えるなど作業工程を大幅に変更した。ドクターイエローは営業車両とは色合いがまったく異なるため、本番の塗装作業に先立ち、廃車したN700系を使って試し塗りを実施。その様子を工場外から撮影されたのではないかという。
JR東海のドクターイエローは、車検にあたる全般検査が迫っているため、来年1月に引退。今後は、新たに検査機器を最新型車両「N700S」に搭載し、営業運転しながら点検する方法に切り替える。
ただ、検査機器を搭載した車両がそろうのは27年以降のため、それまではJR西のドクターイエローが1編成で東京―博多間をカバーする。それが、引退時期がずれる理由という。
同社は「ドクターイエローを愛していただいていることは大変うれしい。ただ、復活はない」と話している。(細沢礼輝)
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- 細沢礼輝
- 東京社会部|鉄道担当
鉄道を中心とした運輸部門