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　ロシアのプーチン大統領だいとうりょうと北朝鮮きたちょうせんの金きむ正ただし恩おん（キムジョンウン）総そう書記しょきが19日にち、平壌ぴょんやんで会談かいだんし、安全あんぜん保障ほしょうや経済けいざいなど幅広はばひろい分野ぶんやで協力きょうりょくする条約じょうやくに署名しょめいした。プーチン氏しは条約じょうやくについて、一方いっぽうが攻撃こうげきを受うけた場合ばあいの「相互そうご支援しえん」の規定きていがあると強調きょうちょう。核かく・ミサイル開発かいはつを進すすめる北朝鮮きたちょうせんとの軍事ぐんじ面めんでの協力きょうりょく強化きょうかをさらに加速かそくさせる構かまえだ。

　両りょう首脳しゅのうが19日にちに署名しょめいしたのは、「包括ほうかつ的てき戦略せんりゃくパートナーシップ条約じょうやく」。ロシアのウシャコフ大統領だいとうりょう補佐ほさ官かんによると、同どう条約じょうやくは2000年ねんに両国りょうこくが結むすんだ同種どうしゅの条約じょうやくなどに代かわるものとなる。

　プーチン氏しは会談かいだん後ごの合同ごうどう記者きしゃ発表はっぴょうで、「一方いっぽうが攻撃こうげきを受うけた際さいに相互そうご支援しえんを行おこなうことが想定そうていされている」と明言めいげん。「軍事ぐんじ技術ぎじゅつ協力きょうりょくを排除はいじょしていない」とも語かたったが、条約じょうやくの詳細しょうさいは公表こうひょうされておらず、どのような状況じょうきょうを想定そうていしているのかは不明ふめいだ。

　また、プーチン氏しは、同国どうこくが侵攻しんこうを続つづけるウクライナに対たいして軍事ぐんじ支援しえんをする米国べいこくや他たの北大西洋きたたいせいよう条約じょうやく機構きこう（NATO）加盟かめい国こくなどを激はげしく非難ひなん。今回こんかいの条約じょうやくに定さだめた「相互そうご支援しえん」は、ウクライナに対たいする米べい欧おうの支援しえんに対抗たいこうする狙ねらいがあるとみられる。

　ロシアは北朝鮮きたちょうせんからウクライナ侵攻しんこうに必要ひつような弾薬だんやくやミサイルの提供ていきょうを受うけ、見返みかえりとして北朝鮮きたちょうせんの軍事ぐんじ偵察ていさつ衛星えいせいの開発かいはつなどを支援しえんしてきたとされる。そうした現状げんじょうを条約じょうやくで「正当せいとう化か」する狙ねらいがあるとみられ、国連こくれん制裁せいさいからの事実じじつ上じょうの「離反りはん」を裏付うらづける動うごきとも言いえそうだ。

　一方いっぽう、金きむ氏しは会見かいけんで「朝ちょうロ関係かんけいにおける最もっとも強力きょうりょくな条約じょうやくの誕生たんじょう」だとし、「同盟どうめい関係かんけいという新あらたな高たかい水準すいじゅんに達たっした」と強調きょうちょう。日にち米べい韓かんなどに対抗たいこうし、両国りょうこくの連携れんけいをさらに深ふかめる姿勢しせいを鮮明せんめいにした。北朝鮮きたちょうせんの核かく・ミサイル開発かいはつに弾はずみがつけば、日にち米べい韓かんなどの安全あんぜん保障ほしょうにとっても脅威きょういが増ますことになる。

　両りょう首脳しゅのうは閣僚かくりょうなども交まじえて会談かいだんしたあと、1対たい1でも話はなし合あった。平壌ぴょんやん中心ちゅうしん部ぶの金きむ日成いるそん（キムイルソン）広場ひろばでの歓迎かんげい式典しきてんも行おこなわれた。00年ねん7月がつ以来いらい、約やく24年ねんぶりに訪朝ほうちょうしたプーチン氏しは、次回じかいの首脳しゅのう会談かいだんをモスクワで開ひらきたいという考かんがえも表明ひょうめいした。プーチン氏しは19日にち夜よるには次つぎの訪問ほうもん地ちであるベトナムに向むかう予定よていだ。

　ともに米国べいこくやその同盟どうめい国こくと対立たいりつするロシアと北朝鮮きたちょうせんは、ウクライナ侵攻しんこうを機きに、急速きゅうそくに関係かんけいを深ふかめている。昨年さくねん9月がつに金きむ氏しがロシアを訪問ほうもんし、極東きょくとうの宇宙うちゅう基地きちでプーチン氏しと会談かいだんした。

　林はやし芳正よしまさ官房かんぼう長官ちょうかんは19日にちの記者きしゃ会見かいけんで「ロ朝間あさまの軍事ぐんじ的てきな連携れんけいの強化きょうかを含ふくめ、我わが国くにを取とり巻まく地域ちいきの安全あんぜん保障ほしょう環境かんきょうは一層いっそう厳きびしさを増ましており、動向どうこうを注視ちゅうししている」と強調きょうちょう。「米国べいこく、韓国かんこくをはじめとする同志どうし国こくとこれまで以上いじょうに緊密きんみつに連携れんけいしながら、さらなる対応たいおうを検討けんとうしている」と述のべた。