羽田空港はねだくうこうの発着はっちゃく枠わくの配分はいぶんをめぐり、有識者ゆうしきしゃ委員いいん会かいの場ばで日本航空にほんこうくう（JAL）が主張しゅちょうしたのは大おおきく二ふたつだ。

　「羽田はたでのコードシェア廃止はいし」

　「経営けいえい統合とうごうした会社かいしゃは1社しゃとして再さい配分はいぶん」

　コードシェアとは、2社しゃ以上いじょうの航空こうくう会社かいしゃで飛行機ひこうきを共同きょうどう運航うんこうすることだ。A社しゃとB社しゃが、B社しゃの航空機こうくうきを共同きょうどう運航うんこうする場合ばあい、A社しゃがその便びんの座席ざせきを一定いってい程度ていど買かい取とり、販売はんばいする仕組しくみ。集客しゅうきゃく効率こうりつを上あげ、運航うんこうコストの削減さくげんにもつながる。国内外こくないがいで広ひろく導入どうにゅうされている。

　ただ、JALが「廃止はいし」を訴うったえるのはなぜか。その背景はいけいには羽田空港はねだくうこう特有とくゆうの事情じじょうがある。

　羽田はたでは、多様たような路線ろせん展開てんかいを促うながすため、新規しんき参入さんにゅう社しゃへ「枠わく」を優遇ゆうぐうして配分はいぶんするようにしてきた。現在げんざいも「特定とくてい既存きそん航空こうくう会社かいしゃ」のスカイマークやエア・ドゥ、ソラシドエア、スターフライヤーの4社しゃには優先ゆうせん的てきに枠わくが割わり振ふられている。

　このうち、スカイマーク以外いがいの3社しゃは全日空ぜんにっくう（ANA）とコードシェアをしている。

　羽田はたでのコードシェアは、全ぜん座席ざせきの50%までという決きまりがある。3社しゃはANAに最大さいだいで全ぜん座席ざせきの半分はんぶんを買かい取とってもらっている（割合わりあいは非ひ公表こうひょう）。3社しゃは安定あんてい的てきに座席ざせきの一部いちぶが埋うまるため、収益しゅうえきの改善かいぜんにつながるというメリットがある。

　現在げんざいの羽田はたの配分はいぶん枠わくはANA37%、JAL39%、スカイマーク8%、その他た16%。だが、ANAがコードシェアで全ぜん座席ざせきの半分はんぶんを売うっていたという仮定かていのJALの試算しさんでは、ANA45%、JAL39%、その他た8%になり、「実質じっしつ的てきな使用しよう枠わく数すうに乖離かいり（かいり）がある」とする。

　本来ほんらい、新規しんき参入さんにゅう会社かいしゃや特定とくてい既存きそん会社かいしゃを育そだてるために優遇ゆうぐうされてきたにもかかわらず、ANAが寡占かせんしているのではないか、という主張しゅちょうだ。

　料金りょうきん面めんにおいても、コードシェア便びんは、ANAの販売はんばい価格かかくのほうが、3社しゃが独自どくじで売うるよりも高たかくなっているとJALは指摘してき。ANAが座席ざせきを売うることで利用りよう者しゃはより高たかい料金りょうきんで乗のる確かく率りつが高たかまり、「国民こくみんに期待きたいされた役割やくわりを放棄ほうきしている」と主張しゅちょうする。

　精緻せいち（せいち）に評価ひょうか・点数てんすう化かされた羽田はたの枠わくではコードシェアの考かんがえはそぐわないのではないかという考かんがえで、JALの小山こやま雄司ゆうじ経営けいえい企画きかく本部ほんぶ長ちょうは検討けんとう委いの場ばで「コードシェアそのものを否定ひていしているわけではなく、競争きょうそう阻害そがいや地方ちほうの旅客りょかく拡大かくだいに一部いちぶ障害しょうがいが生しょうじているのではないか、ということを申もうし上あげた」と話はなした。

　また、JALは日本にほんエアシステム（JAS）と経営けいえい統合とうごうした後のちの2002年ねん、発着はっちゃく枠わくを12枠わく返上へんじょうした経緯けいいがある。そのため、持もち株かぶ会社かいしゃを作つくったソラシドとエア・ドゥは「1社しゃ」として枠わくを返かえすべきだとも主張しゅちょうする。

　第だい2回かいの検討けんとう会かい。JALの論調ろんちょうに賛同さんどうした上うえで、さらにほえる男おとこがいた。スカイマークの洞ほら駿しゅん（ほらはやお）社長しゃちょうだった。

　「全まったく同感どうかんでございます。少しょう…