1994年ねん6月がつに長野ながの県けん松本まつもと市しで猛毒もうどくのサリンがまかれ、8人にんが死亡しぼう、約やく600人にんが重じゅう軽症けいしょうを負おった事件じけんで、朝日新聞あさひしんぶんは、捜査そうさの動うごきを時どき系列けいれつに記しるした警察庁けいさつちょうの内部ないぶ文書ぶんしょを情報じょうほう開示かいじ請求せいきゅうで入手にゅうしゅした。県警けんけいの捜査そうさで、事件じけんの22日にち後ごにオウム真理教おうむしんりきょうの関連かんれん会社かいしゃが浮上ふじょうしていたことが判明はんめいした。

　一連いちれんの事件じけんでオウム関与かんよの可能かのう性せいが浮うかんだ具体ぐたい的てき日付ひづけが明あきらかになった。ただ、この後のちはオウムに対たいする本格ほんかく的てき捜査そうさに至いたらないまま、翌年よくねん3月がつに地下鉄ちかてつサリン事件じけんの発生はっせいを許ゆるした。今月こんげつ27日にちで松本まつもとサリン事件じけんから30年ねんが経たつ。

　開示かいじされたのは「松本まつもとサリン事件じけんの捜査そうさ概要がいよう」と題だいするA4判ばん10枚まい。事件じけんの約やく1年ねん8カ月かげつ後ごの96年ねん2月がつに警察庁けいさつちょう刑事けいじ局きょく捜査そうさ1課かが作成さくせいした。

　事件じけんは94年ねん6月がつ27日にち深夜しんやに発生はっせい。文書ぶんしょによると、長野ながの県警けんけいは翌よく28日にちに令状れいじょうを請求せいきゅうし、28日にち夜よるから検証けんしょうと捜索そうさく・差さし押おさえを開始かいしした。検証けんしょうは7月がつ5日にちまで毎日まいにち行おこなわれた。文書ぶんしょでは黒くろ塗ぬりにされているが、捜索そうさくなどは現場げんばそばの第だい1通報つうほう者しゃの男性だんせいの自宅じたくなどに対たいするものとみられる。捜査そうさや報道ほうどうは当時とうじ、この男性だんせいに集中しゅうちゅうしたが、その後ごに男性だんせいの関与かんよはなく被害ひがい者しゃと判明はんめいした。

　事件じけん6日にち後ごの7月がつ3日にち、県警けんけい科学かがく捜査そうさ研究所けんきゅうじょなどの鑑定かんていで「サリンと推定すいていされる物質ぶっしつが検出けんしゅつされ」、事件じけんに使つかわれたのがサリンとみられることが判明はんめい。県警けんけいはこの日ひから、サリンの生成せいせいに必要ひつような薬品やくひんの販路はんろの捜査そうさを開始かいしし、7月がつ5日にちに薬物やくぶつ捜査そうさ班はんを設置せっちして捜査そうさ員いんを関係かんけい先さきに派遣はけんした。

　事件じけん発生はっせいから22日にち後ごの7月がつ19日にちには、最初さいしょのオウム関連かんれん会社かいしゃが浮上ふじょうした。8月31日にちと9月がつ26日にちにも別べつのオウム関連かんれん会社かいしゃが浮うかんだ。この3回かいの「浮上ふじょう」の具体ぐたい的てき内容ないようは黒くろ塗ぬりとされているが、サリン原材料げんざいりょうの流通りゅうつうルートの捜査そうさからそれぞれの会社かいしゃが判明はんめいしたとみられる。

強制きょうせい捜査そうさは地下鉄ちかてつサリン事件じけんの2日にち後ごに

　サリンとオウムに関かんする捜査そうさ…