「同級生だけどお姉さんのようだった」 サリンが奪った医学生の未来
長野県松本市でオウム真理教の幹部らが猛毒ガスのサリンをまき、住民8人の命が奪われた「松本サリン事件」から、27日で30年。大切な人を亡くした家族や仲間にとって、あの日の記憶と悲しみが消えることはない。
1994年6月27日夜、長野県松本市内の住宅街で起きた松本サリン事件で犠牲になった8人の中に、医師を志す信州大学医学部6年の安元三井(みい)さん(当時29)がいた。学部の同級生で医師となった女性(54)は「三井さんの無念を思うと、やりきれない気持ちになる」と振り返る。
安元さんは現場となった集合住宅で一人暮らしをしていた。富山市出身の安元さんは早稲田大学政治経済学部を卒業後、信州大医学部に再入学した。
お姉さんのような存在だった
医学部の勉強は大変で、約1…
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