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　これまでずっと、人ひとはなぜ歌うたうのかということを考かんがえてきた。

　2000年ねんに作曲さっきょくした私わたしのデビュー作さく『新しんしい歌か』は、歌うたに関かんする五いつつの詩しを集あつめた合唱がっしょう曲きょく集しゅうだった。昨年さくねんも4人にんの方ほうに「人ひとはなぜ歌うたうのか」をテーマとした詩しを書かき下おろしていただき、合唱がっしょう曲きょく集しゅう『人ひとよ、うたを思おもい出だせ』ができあがった。

　人ひとはなぜ歌うたを……。私わたしがこの問といに最初さいしょに出会であったのは、20代だい前半ぜんはんだった。『歌うたの消息しょうそく』（加藤かとう直ただし台本だいほん、池辺いけべ晋一郎しんいちろう作曲さっきょく）という合唱がっしょう劇げきの初演しょえんに、合唱がっしょう団だんOMPの団員だんいんとして参加さんかした時ときのことだ。「何なにがウタだ！何なにのためのウタだ！」という、歌うたの存在そんざい意義いぎを否定ひていするかのような叫さけびから始はじまる舞台ぶたいだった。

　時ときを経へて、今度こんどは作曲さっきょく家かとして加藤かとうさんと協きょう働はたらけする機会きかいをいただいた。『合唱がっしょう寓話ぐうわ（オペラ）―コエ・カラダ　逃にげるカーニバル―追おう』が今月こんげつ末まつ、東京とうきょうの混声こんせい合唱がっしょう団だん、コーロ・カロスによって新しん国立こくりつ劇場げきじょう小しょうホールで上演じょうえんされる。この作品さくひんも、歌うたうという行為こういの根源こんげんへの視点してんが背景はいけいにある。

　こんなふうに、一滴いってきの問といが幾重いくえにも波紋はもんを広ひろげ、私わたしの歌うたの視界しかいが開ひらかれていった。

　先日せんじつ、NHKで「ヒトはなぜ…