「核抑止力に頼る危険訴える」 広島市長、ジュネーブNPT準備委へ
魚住あかり
広島市の松井一実市長は、スイス・ジュネーブで22日に始まる核不拡散条約(NPT)再検討会議第2回準備委員会に出席する。核抑止力に頼る危険性をスピーチするという。
16日の記者会見で明らかにした。準備委は2026年に予定されている次の再検討会議に向けたもので、松井市長は26日まで現地に滞在する。準備委のオープニングを傍聴するほか、23日のNGOセッションでは平和首長会議の会長としてスピーチする。
松井市長は会見で、スピーチの内容について「現下の国際情勢では、核兵器が『条件次第で使える兵器』へと評価が変わってきていることへの懸念を表明する」と説明した。「平和を愛する市民社会の輪が大きくなっていく」という例として、広島市の平和記念資料館の昨年度の入館者数が過去最多となったことにも触れるという。
また会見では、今年の平和記念式典の招待国についても言及した。駐日パレスチナ常駐総代表部は、イスラエルが招待される一方でパレスチナが招待されていないことについてSNSで「過去76年間、大量虐殺、民族浄化、占領が続いているパレスチナを招待しないのは衝撃的」と批判している。
広島市は日本政府が承認する国家でないとして、パレスチナの招待を元々していない。松井市長は「呼ぶ相手を(市が)どうこう評価しているわけじゃないということをしっかりわかっていただくように」として、来年度以降の参列要請の方法を検討し直す考えも示した。(魚住あかり)
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