少子化を背景に35年の歴史に幕を下ろす川口市立芝園中学校(吉田忠司校長、生徒数64人)で9日、地域の住民らも参加した温かい閉校式があった。人口約58万人の同市で中学校の閉校は初めて。4月からは市立芝西中学校に統合される。
約4千人の卒業生を送り出した芝園中は、旧日本住宅公団の団地建設に伴って1978年に開校。生徒は86年度の14学級551人を境に減少に転じ、統合の検討開始を受けて今年度の入学生はゼロ。3年生57人が卒業すると、2年生7人だけになる。
式典で、若山みどり・PTA会長は「小規模校なりの教育環境もいい思い出。生徒も前向きでした」とあいさつ。生徒会長の根本佳奈さん(2年)は「最後の1年は最高の1年。特別な1年の経験を今後に生かしたい」と述べ、会場から大きな拍手を受けた。
統合先の芝西中には、芝園中の歴史を残す記念室が設けられるという。