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生活者の行動変容で「減CO2(ゲンコツ)」 日本総研、スギ薬局店舗などで実証実験:朝日新聞SDGs ACTION!
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生活せいかつしゃ行動こうどう変容へんようで「げんCO2(ゲンコツ)」 日本にっぽん総研そうけん、スギ薬局やっきょく店舗てんぽなどで実証じっしょう実験じっけん

生活者の行動変容で「減CO2(ゲンコツ)」 日本総研、スギ薬局店舗などで実証実験
「みんなでげんCO2プロジェクト」参加さんか企業きぎょう商品しょうひんあつめた特設とくせつだな。シンボルキャラクター「ニャートラル」をあしらっている=2023ねん1がつ18にち東京とうきょう江戸川えどがわのスギ薬局やっきょく江戸川えどがわ瑞江みずえてん
編集へんしゅう

シンクタンクの日本にっぽん総合そうごう研究所けんきゅうじょが、だつ炭素たんそ社会しゃかい実現じつげんけて生活せいかつしゃ行動こうどう変容へんようをうながす「みんなでげんCO2(ゲンコツ)プロジェクト」を展開てんかいしている。ドラッグストアのスギ薬局やっきょくとスーパーマーケットのまんだいけい4店舗てんぽで2がつ18にちまでのあいだ特設とくせつだな設置せっちなどの実証じっしょう実験じっけんをおこない、効果こうか検証けんしょうする。(ふく編集へんしゅうちょう竹山たけやま栄太郎えいたろう

業種ぎょうしゅ横断おうだん10しゃでコンソーシアム

日本にっぽん総研そうけんは2023ねん9がつ生活せいかつしゃだつ炭素たんそれ、意識いしきえて「自分じぶんごと」する機会きかい提供ていきょうしようと、10しゃで「チャレンジ・カーボンニュートラル・コンソーシアム(CCNC)」をげた。

参加さんか企業きぎょう日本にっぽん総研そうけんのほか、だつ炭素たんそ支援しえんパートナーとなるDaigasエナジー(大阪おおさかガスの100%子会社こがいしゃ)、商品しょうひん提供ていきょうするメーカーのアサヒグループジャパン、サラヤ、三幸製菓みゆきせいか日本にほんハム、ユーグレナ、提供ていきょうするスギ薬局やっきょくまんだい、カーボンフットプリント(CFP)算定さんていをおこなうアスエネ。

みんなでげんCO2プロジェクトはコンソーシアムの活動かつどう一環いっかん。スギ薬局やっきょく東京とうきょう名古屋なごや神戸こうべ店舗てんぽと、万代ばんだい大阪おおさか府内ふない店舗てんぽで1がつ18にち~2がつ18にちの1カ月かげつあいだ実証じっしょう実験じっけんをおこなっている。商品しょうひんつうじて、生活せいかつしゃだつ炭素たんそについてれたりまなんだりする機会きかいもうけ、意識いしき行動こうどう変化へんか分析ぶんせきする。

「みんなで減CO2プロジェクト」の立ち上げ発表会で記念撮影する参加企業の担当者ら
「みんなでげんCO2プロジェクト」の発表はっぴょうかい記念きねん撮影さつえいする参加さんか企業きぎょう担当たんとうしゃら=2023ねん9がつ5にち東京とうきょう都内とない

つたわるコミュニケーションを模索もさく

スギ薬局やっきょく江戸川えどがわ瑞江みずえてん東京とうきょう江戸川えどがわ)では、くち付近ふきん特設とくせつだなもうけ、参加さんか企業きぎょう商品しょうひんならべた。シンプルな包装ほうそう持続じぞく可能かのう原料げんりょう使用しようといった環境かんきょう配慮はいりょのポイントを表示ひょうじし、スマホアプリでQRコードをむと、商品しょうひんサイトでよりくわしい情報じょうほうられるようにした。店舗てんぽ住宅じゅうたくがいにあって家族かぞくれのきゃくおおいといい、どもがあそびながらだつ炭素たんそについてまなべる仕掛しかけももうけている。

スギ薬局江戸川瑞江店の入り口に設けられた特設棚
スギ薬局江戸川瑞江店の入り口に設けられた特設棚
スギ薬局やっきょく江戸川えどがわ瑞江みずえてんくち付近ふきんもうけられた特設とくせつだなひだりおく

日本にっぽん総合そうごう研究所けんきゅうじょグリーン・マーケティング・ラボのラボちょう佐々木ささきつとむは「ユーザーにメーカーや流通りゅうつう企業きぎょうみを理解りかい応援おうえんしてもらい、そのこえ原動力げんどうりょくにして、だつ炭素たんそけたムーブメントをつくりたい」とはなす。アンケートや購買こうばいデータの分析ぶんせきつうじて、ユーザーにつたわるコミュニケーションのありかた検討けんとうしていくほか、だつ炭素たんそ寄与きよする商品しょうひん開発かいはつ設計せっけいにもつなげるかんがえだという。

サラヤの植物系食器用洗剤の「ヤシノミ洗剤」
サラヤの植物しょくぶつけい食器しょっきよう洗剤せんざい「ヤシノミ洗剤せんざい
三幸製菓はパッケージにバイオマスフィルムを使った米菓を並べた
三幸製菓みゆきせいかはパッケージにバイオマスフィルムを使つかった米菓べいかならべた
アサヒグループジャパンは、ペットボトルのラベルを小さなシールにした「十六茶」を販売
アサヒグループジャパンは、ペットボトルのラベルをちいさなシールにした「じゅうろくちゃ」を販売はんばい

スギ薬局やっきょく社長しゃちょうしつESG推進すいしん課長かちょう杉山すぎやま憲司けんじは「スギ薬局やっきょくグループの温室おんしつ効果こうかガス排出はいしゅつりょうのうち、Scope3(事業じぎょうしゃ活動かつどう関連かんれんする他社たしゃ排出はいしゅつ)はScope1,2(事業じぎょうしゃみずからによる直接ちょくせつ排出はいしゅつ他社たしゃから供給きょうきゅうされた電気でんきねつ蒸気じょうき使用しようともな間接かんせつ排出はいしゅつ)の10ばい以上いじょうにもなり、Scope3をらすにはサプライチェーンをんで協業きょうぎょうする必要ひつようがある。だつ炭素たんそみにたいするおきゃくさまのこえきたいというメーカーに提供ていきょうできればとかんがえた。課題かだいつけてつぎのプロセスにつなげたい」とはなした。

日本総合研究所の佐々木努氏とスギ薬局の杉山憲司氏
日本にっぽん総合そうごう研究所けんきゅうじょ佐々木ささきつとむみぎ)とスギ薬局やっきょく杉山すぎやま憲司けんじ

また、万代ばんだい高槻たかつきインターてん大阪おおさか高槻たかつき)では、「仕掛しかけがく」の第一人者だいいちにんしゃとしてられる大阪大学おおさかだいがく大学院だいがくいん松村まつむら真宏まさひろ教授きょうじゅ協力きょうりょくけ、体験たいけんがたのアトラクションをつうじてだつ炭素たんそへの興味きょうみ関心かんしんたかめる実験じっけんもおこなっている。

万代の高槻インター店での実証実験
万代ばんだい高槻たかつきインターてんでの実証じっしょう実験じっけん日本にっぽん総合そうごう研究所けんきゅうじょ提供ていきょう

環境かんきょう配慮はいりょ商品しょうひん出会であえていない」

日本にっぽん総合そうごう研究所けんきゅうじょ生活せいかつしゃ対象たいしょうにおこなった調査ちょうさによると、「カーボンニュートラルに対応たいおうした商品しょうひん購入こうにゅうしたい」とこたえた生活せいかつしゃは76%にのぼった一方いっぽう、「カーボンニュートラル対応たいおう商品しょうひん出会であったことがない」との回答かいとうも75%にたっした。

佐々木ささきは「だつ炭素たんそ協力きょうりょくしたいが日常にちじょう生活せいかつなかでそれを実現じつげんする機会きかいがない」という生活せいかつしゃすくなくないとしたうえで、「このような生活せいかつしゃ経済けいざいてきなインセンティブだけではなく、なにかしらのきっかけをもとめているようだ」と指摘してきする。

また、企業きぎょうがわには「エコラベルやカーボンフットプリントのラベルをっても生活せいかつしゃてもらえない」というこえがあるのにたいし、生活せいかつしゃがわには「だつ炭素たんそへの配慮はいりょについてわかりやすくつたえてほしい」という意向いこうがあるなど、ギャップもみられるという。

プロジェクトのねらいを説明する日本総合研究所の佐々木努氏
プロジェクトのねらいを説明せつめいする日本にっぽん総合そうごう研究所けんきゅうじょ佐々木ささきつとむ=2023ねん9がつ5にち

ライフスタイルの見直みなおしが必要ひつよう

2023ねん9がつ東京とうきょう都内とないひらかれたコンソーシアムの発表はっぴょうかいで、国立こくりつ環境かんきょう研究所けんきゅうじょ社会しゃかいシステム領域りょういきだつ炭素たんそ対策たいさく評価ひょうか研究けんきゅうしつ主幹しゅかん研究けんきゅういん金森かなもり有子ゆうこは、「間接かんせつ排出はいしゅつりょうふくめると、わたしたちの生活せいかつにともなう排出はいしゅつりょう日本にっぽん排出はいしゅつりょうやく6わりになり、温室おんしつ効果こうかガス削減さくげんけてはライフスタイルの見直みなおしが重要じゅうようになる」と指摘してきした。

参加さんか企業きぎょうだつ炭素たんそけたそれぞれのみを紹介しょうかい。サラヤ取締役とりしまりやくコンシューマー事業じぎょう本部ほんぶ本部ほんぶちょう山田やまだあきらは、50ねん以上いじょう歴史れきしつ「ヤシノミ洗剤せんざい」が、学校がっこう環境かんきょう教育きょういくけた20~30だいにも支持しじされているとしたうえで、「わか世代せだい環境かんきょう意識いしきたかまっているが、当社とうしゃ調査ちょうさによると店頭てんとう環境かんきょうやSDGsに配慮はいりょした商品しょうひん出会であえていないひとすくなくない。今回こんかいみをつうじて、生活せいかつしゃだつ炭素たんそ意識いしきがることを期待きたいしている」とべた。

日本にほんハム加工かこう事業じぎょう本部ほんぶマーケティング統括とうかつブランド戦略せんりゃく室長しつちょうけんマーケティング部長ぶちょう長田ながた昌之まさゆきは、「わたしたちはパッケージブランドをおおっており、プラスチック削減さくげんつねつづけている。ハム・ソーセージ食品しょくひんスーパーのなかでもパッケージのスタイルがとく硬直こうちょくしているが、わたしたちは代表だいひょうブランドの『シャウエッセン』で巾着きんちゃくタイプのパッケージをやめ、業界ぎょうかい全体ぜんたいみにつながった」としたうえで、「コンソーシアムをとおして参加さんか企業きぎょうとともに硬直こうちょくしたえ、だつ炭素たんそみをいちずつまえすすめていきたい」とはなした。

アサヒグループジャパン執行しっこう役員やくいん・コーポレートコミュニケーション戦略せんりゃく部長ぶちょう高森たかもり志文しぶみは、工場こうじょうでの再生さいせい可能かのうエネルギーの導入どうにゅうのほか、自動じどう販売はんばいにCO2吸収きゅうしゅうざい搭載とうさいした「CO2をべる自販機じはんき」の展開てんかい容器ようきのプラスチック使用しようりょう削減さくげんなどのみを紹介しょうかい。「『CO2をらしているからいい商品しょうひんでしょ』といった、けのようなかたをしても消費しょうひしゃからえらばれないのではないかという不安ふあんもある。(排出はいしゅつ削減さくげんみが)ブランディングになる商品しょうひんかどうかといったてんかんがえなければならず、むずかしい」とべた。

CO2えるのクラウドサービスを展開てんかいするアスエネ取締役とりしまりやくCOO(最高さいこう執行しっこう責任せきにんしゃ)の岩田いわたけいひろしは、「カーボンニュートラル達成たっせいのためには、サプライチェーン全体ぜんたい排出はいしゅつりょうげなければいけない。カーボンフットプリントのひくいものを消費しょうひしゃえらぶことで、よりカーボンニュートラルにちかづくこう循環じゅんかんのサイクルをまわしたい」とはなした。

チャレンジ・カーボンニュートラル・コンソーシアムの立ち上げ発表会に臨んだ日本総合研究所の谷崎勝教社長ら
チャレンジ・カーボンニュートラル・コンソーシアムの発表はっぴょうかいのぞんだ日本にっぽん総合そうごう研究所けんきゅうじょ谷崎たにざき勝教かつのり社長しゃちょう前列ぜんれつみぎから3にん)ら=2023ねん9がつ5にち
竹山栄太郎
竹山たけやま栄太郎えいたろう ( たけやま ・えいたろう )
朝日新聞あさひしんぶんSDGs ACTION!編集へんしゅうちょう。2009ねん朝日新聞社あさひしんぶんしゃ入社にゅうしゃ京都きょうと高知こうちりょう総局そうきょく勤務きんむ東京とうきょう名古屋なごや経済けいざい通信つうしん自動車じどうしゃ小売こうりなどの企業きぎょう取材しゅざい。2021ねんにSDGs ACTION!編集へんしゅうくわわり、ふく編集へんしゅうちょうて2024ねん4がつから現職げんしょく
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