(Translated by https://www.hiragana.jp/)
国防総省をざわつかせた? イラン攻撃をめぐる、トランプ政権の危険な要求の中身とは | Business Insider Japan

国防総省こくぼうそうしょうをざわつかせた? イラン攻撃こうげきをめぐる、トランプ政権せいけん危険きけん要求ようきゅう中身なかみとは

ジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)

ジョン・ボルトン大統領だいとうりょう補佐ほさかん国家こっか安全あんぜん保障ほしょう問題もんだい担当たんとう)。

REUTERS/Jason Reed

  • アメリカのジョン・ボルトン大統領だいとうりょう補佐ほさかん国家こっか安全あんぜん保障ほしょう問題もんだい担当たんとう)は、国防総省こくぼうそうしょうたいし、イラン空爆くうばくのための軍事ぐんじオプションを提示ていじするようもとめたとほうじられている。
  • 国防総省こくぼうそうしょうつねに、いかなるシナリオのための軍事ぐんじオプションも用意よういしているが、そのおおくはまったせまった状況じょうきょうにはない。ボルトン補佐ほさかん要求ようきゅうは、戦争せんそう立案りつあんしゃたちを混乱こんらんさせている。
  • こうした反応はんのうから、ボルトン補佐ほさかんのアイデアにはなんらかの過激かげき計画けいかくふくまれているのではないかと、専門せんもんている。
  • ボルトンはイランにたいする戦争せんそう以前いぜんから支持しじしていて、国防総省こくぼうそうしょう衝撃しょうげきけるであろう体制たいせい変革へんかくまでも主張しゅちょうしている。

アメリカのジョン・ボルトン大統領だいとうりょう補佐ほさかん国家こっか安全あんぜん保障ほしょう問題もんだい担当たんとう)は2018ねんあき国防総省こくぼうそうしょうたいし、イラン空爆くうばくのための軍事ぐんじオプションを提示ていじするようもとめたとほうじられている。専門せんもんは、これは一般いっぱんてき手続てつづきにのっとっているはずだが、国防総省こくぼうそうしょうにあるしゅ衝撃しょうげきあたえているとう。

イランを空爆くうばくし、体制たいせい変革へんかく実現じつげんすべきだと以前いぜんから主張しゅちょうしてきたボルトン補佐ほさかんは、イラクの首都しゅとバグダッドにあるアメリカ大使館あめりかたいしかんが、イランと関係かんけいする武装ぶそう勢力せいりょく迫撃はくげきほうまれそうになったのち、イラン空爆くうばくのオプションを提示ていじするようもとめたという。ウォール・ストリート・ジャーナルが13にち現地げんち時間じかん)、最初さいしょほうじた

間違まちがいなく混乱こんらんをもたらした」と、ある関係かんけいしゃ同紙どうしかたった。「ショックをけた。イランを攻撃こうげきすることについてかれらがいかに思慮しりょけるか、あぜんとした」

しかし、国家こっか安全あんぜん保障ほしょう会議かいぎ(NSC)でオバマぜん大統領だいとうりょう特別とくべつ補佐ほさつとめていたエドワード・プライス(Edward Price)によると、ボルトン補佐ほさかん対応たいおうは、一般いっぱんてき手続てつづきにのっとったものだ。

くに軍事ぐんじ立案りつあんしゃ世界中せかいじゅうのさまざまなシナリオにもとづく戦争せんそう計画けいかくかんがえていることは、おどろくことではない。そうでなければ、職務しょくむ怠慢たいまんだ」と、プライスはBusiness Insiderにかたった。

「ただ、アメリカの施設しせつ攻撃こうげきされそうになったのち、そのいきおいでこうした計画けいかく提示ていじするよう、ボルトンからというかたちでホワイトハウスがペンタゴンにめいじたことが異例いれいなのだ」と同氏どうしつづけた。「これは、ペンタゴンが当然とうぜんのこととして有事ゆうじ計画けいかく立案りつあんすることとは、質的しつてきことなる」

では、ボルトン補佐ほさかん要求ようきゅうなに国防総省こくぼうそうしょうにそれほどのショックをあたえたのだろうか?

空爆くうばく

湾岸戦争

湾岸わんがん戦争せんそうで、イラク上空じょうくうぶアメリカの戦闘せんとう

AP

ワシントン近東きんとう地域ちいき研究所けんきゅうじょ(WINEP)のリサーチ・ ダイレクター、パトリック・クローソン(Patrick Clawson)は、国防総省こくぼうそうしょうがショックをけたのは、ボルトン補佐ほさかん過激かげき要求ようきゅう —— つまり空爆くうばくもとめられたからではないかとている。

クローソンは、武装ぶそう勢力せいりょくにアメリカの職員しょくいんへの攻撃こうげきめいじたイランにたいし、アメリカが報復ほうふく検討けんとうするのは自然しぜんなことだが、アメリカには軍事ぐんじオプションをふくめ、さまざまな選択肢せんたくしがあったはずだとう。

たとえばアメリカは、軍事ぐんじオプションの1つとして、イエメンの武装ぶそう組織そしきフーシうたがわれるイランのふね海上かいじょう拿捕だほすることを海軍かいぐんめいじることも可能かのうだった。そしてこのような対応たいおうであれば、国防総省こくぼうそうしょうおおくがショックをけることもなかっただろうと、クローソンう。

しかし、ペンタゴンが動揺どうようしたということは、ボルトン補佐ほさかんがバグダッドでの攻撃こうげき中東ちゅうとうにおけるアメリカじんたいするより本格ほんかくてき作戦さくせんはじまりとなし、手荒てあら措置そちもとめた可能かのうせい示唆しさしている。

空爆くうばくおろかなアイデアだ」と、クローソンう。もしボルトン補佐ほさかんがペンタゴンにたいし、空爆くうばくけたオプションを要求ようきゅうしたのなら「だれかが、それは本当ほんとうにばかばかしいアイデアだとわなければならない」とかたった。

アメリカには十分じゅうぶん空軍くうぐんりょくがあり、イランのターゲットを容易ようい攻撃こうげきできるだろう。だが、「イランはアメリカを戦争せんそう挑発ちょうはつする、危険きけんくにだと国内外こくないがいにアピールして、それをうまく利用りようするだろう」とクローソンはなした。

さらに、アメリカはイランが間違まちがいなくバグダッドでアメリカを攻撃こうげきするよう命令めいれいしたとているようだが、イランはバグダッドでの攻撃こうげき指示しじしていないと、これを否定ひていしている。

武装勢力

REUTERS/Thaier Al-Sudani

つまり、イランには攻撃こうげきたいする「説得せっとくりょくのある反証はんしょう」が可能かのうだが、べいぐんによる空爆くうばく同様どうよう反証はんしょうをできず、だい規模きぼなものにエスカレートする可能かのうせいがあると、クローソン指摘してきする。

「すぐに使つかえるオプションを用意よういしておくことはペンタゴンの仕事しごとだが、軍事ぐんじりょく最後さいご手段しゅだんとして慎重しんちょうもちいることは、大統領だいとうりょう補佐ほさかん国家こっか安全あんぜん保障ほしょう問題もんだい担当たんとう)をふく政策せいさく責任せきにんしゃ役割やくわりだ」と、プライスう。

トランプ政権せいけんはイランかく合意ごういから離脱りだつしたが、地域ちいきでの行動こうどうでイランをばっしたり、ヨーロッパからの支援しえんけることに一部いちぶ成功せいこうしてもいる。

しかし、負傷ふしょうしゃさなかった、失敗しっぱいわった迫撃はくげきほうによる攻撃こうげきへの対応たいおうとしてのイランへの直接ちょくせつ空爆くうばくは、容易よういにこの地域ちいき全面ぜんめん戦争せんそうのきっかけとなり、ペンタゴンの戦争せんそう立案りつあんしゃたちをぞっとさせるだろう。

[原文げんぶんWhite House's shock request for strike options on Iran suggests an extremely dangerous possibility]

翻訳ほんやく編集へんしゅう山口やまぐち佳美よしみ

Popular

あわせてみたい

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい

広告のお問い合わせ・媒体資料のお申し込み