SL全般ぜんぱん検査けんさとは

SL全般ぜんぱん検査けんさとは、車両しゃりょうすべての機器きき類るいを取とり外はずし、全般ぜんぱんにわたり細部さいぶまで検査けんさを行おこなうことで、略りゃくして「全ぜん検けん」とも呼よばれます。
定期ていき検査けんさとしては最もっとも大おおがかりで、様々さまざまな修繕しゅうぜん及および分解ぶんかい・検査けんさ・整備せいびのほか、車体しゃたいの再さい塗装とそうなども同時どうじに行おこない、運行うんこうできるようにしています。
蒸気じょうき機関きかん車しゃの場合ばあい、現在げんざいは半年はんとし近ちかくの時間じかんを要ようすることがほとんどですが、今回こんかいは修繕しゅうぜんに時間じかんを要ようするため約やく１年ねんがかりとなる予定よていです。

Qどれくらいの頻度ひんどで実施じっしされる検査けんさなの？

秩父鉄道ちちぶてつどうでは8年ねんに1回かい程度ていど実施じっししています。前回ぜんかいは、2011年ねん10月がつから2012年ねん3月がつまでの間あいだで実施じっしされました。

Qどんな作業さぎょうが実施じっしされるの？

蒸気じょうき機関きかん車しゃの部品ぶひんをすべてはずし、ひとつひとつ問題もんだいがないか検査けんさしていきます。問題もんだいが発見はっけんされた場合ばあいには、修復しゅうふく作業さぎょうなどが行おこなわれます。

Qどこで作業さぎょうが実施じっしされるの？

秩父鉄道ちちぶてつどうの場合ばあい、自社じしゃ内ないでは全般ぜんぱん検査けんさが行おこなえないため、JR大宮おおみや総合そうごう車両しゃりょうセンターに蒸気じょうき機関きかん車しゃを輸送ゆそうし、検査けんさをお願ねがいしています。

SL全般ぜんぱん検査けんさ2020の記録きろく

SL機関きかん士しからのメッセージ

　SLの魅力みりょくはもくもくと煙けむりを出だしながら豪快ごうかいに走はしり抜ぬける力強ちからづよさと迫力はくりょくにあると思おもいます。運転うんてん席せきでは機関きかん助士じょしが石炭せきたんを焚べて蒸気じょうきを作つくり、機関きかん士しはその蒸気じょうきを効率こうりつ良よく使つかい運転うんてんをします。天候てんこう等とうその時々ときどきの状況じょうきょうを考慮こうりょしながらの操縦そうじゅうはとても難むずかしいですが、無事ぶじに終点しゅうてんまで辿たどり着つけたときにはとてもやりがいを感かんじます。また、SLは古ふるい乗のり物ものですので機器ききの操作そうさなどは丁寧ていねいに扱あつかうように心こころがけています。このSLを後世こうせいに残のこしていく事ことは私わたしたちの使命しめいでもあります。
　鉄道てつどう産業さんぎょうの原点げんてんである蒸気じょうき機関きかん車しゃ。ぜひ、乗のって、見みて、古ふるい歴史れきしを訪おとずれる事ことにより、新あたらしい発見はっけんがあるかもしれません。お待まちしております。
（機関きかん士し　岸きし 貴仁たかひと）

秩父鉄道ちちぶてつどうのSL運転うんてんに対たいする思おもい

秩父鉄道ちちぶてつどうでは、SLの復元ふくげん運行うんこうを実現じつげんしてくださった埼玉さいたま県けん北部ほくぶ観光かんこう振興しんこう財団ざいだんを主体しゅたいとした沿線えんせん自治体じちたい他たの皆様みなさま、いつも手てを振ふって応援おうえんしてくださる沿線えんせんにお住すまいの皆様みなさま、そしてご乗車じょうしゃくださるお客様きゃくさま等とう、多おおくの方々かたがたに支ささえられ、30年ねん以上いじょうにわたってSLの運転うんてんを続つづけることができています。今いまではSLは秩父鉄道ちちぶてつどうになくてはならない観光かんこう列車れっしゃとなりました。今後こんごも「都心としんから一番いちばん近ちかい蒸気じょうき機関きかん車しゃ」を、地域ちいきの財産ざいさんとして永ながく運行うんこうを継続けいぞくし、地域ちいき経済けいざい社会しゃかいの活性かっせい化かと観光かんこう振興しんこうに貢献こうけんできるよう努つとめてまいります。