東京・
名古屋・
神戸の3
都市で
開催され、
計75
万人を
超える
驚異的な
動員数を
記録した2009
年開催の「だまし
絵」
展の
続編「だまし
絵II
進化するだまし
絵 Into the Future」が、8
月9
日より、
Bunkamura ザ・ミュージアムで
開催する。
美術の
歴史における「イリュージョン」の
効果に
注目し、
古典的絵画から
近代を
経て、
現代美術に
至る
歴史的な
流れの
中で、
作品の
系譜を
紹介した
初回の
展覧会に
対し、
本展では、タイトルにもある
通り「
進化」する
現代美術の
展開を
軸とする
作品群が
並ぶ。
「プロローグ」では、ダブル・イメージの
傑作、ジュゼッペ・アルチンボルドの「
司書」やアルブレヒト・デューラーの「アイリスの
聖母」(16
世紀後半の
複製)など、
古典的巨匠によるだまし
絵の
名作が
展示されており、
続いて「トロンプイユ」「シャドウ、シルエット&ミラー・イメージ」「オプ・イリュージョン」「アナモルフォ―ズ・メタモルフォーズ」の4つのテーマに
沿った
構成となっている。
第2
章「トロンプイユ」では、
画中の
女性の
目が
数秒ごとに
動く
福田美蘭の「
婦人像」や
見慣れたモチーフを
本物そっくりに
再現するカズ・オオ
シロの「フェンダー・デラックス・リヴァ―ブ・アンプ2」など、まさに“
目をだます”
作品が
続々登場。
美術の
世界では、
物体を
本物らしく
見せるための“
引き
立て
役”のモチーフとして
使われてきた「
影」や「
鏡」だが、20
世紀後半以降、これらを“
主役”と
捉え、
既存の
固定観念を
打ち
破る
作品が
生まれ
出すようになった。
第3
章「シャドウ、シルエット&ミラー・イメージ」では、
福田繁雄の「アンダーグラウンド・ピアノ」やマルクス・レーツの「
姿見II」をはじめ、
虚像と
実体間で
起きる
不思議かつ
立体的なだまし
絵が
体感できる。
そのほか、
第4
章「オプ・イリュージョン」では、パトリック・ヒューズの
描く「
広重とヒューズ」やヴィクトル・ヴァザルリの「BATTOR」、
第5
章の「アナモルフォ―ズ・メタモルフォーズ」では、エヴァン・ペニーの「
引き
伸ばされた
女 #2」、ルネ・マグリットの「
赤い
モデル」、ヴィック・ムニーズの「
自画像 悲しすぎて
離せない バス・ヤン・アデルによる」など、ウィットに
富み、
遊び
心あふれる
技の
競演が
凝縮されている。
なかでも、
一辺7センチの
木片784
枚を
基盤状に
敷き
詰めたダニエル・ローズィンの「
木の
鏡」は
必見。
木片にはモーターが、
本作品の
中央には
小型カメラが
取り
付けられており、とらえた
映像に
従って、
明暗を
創り
出すその
様は“
鏡”。
記者内覧会に
登場したダニエル
氏は、「ぜひ
作品に
近づいてみてください。ご
自身の
姿が
映し
出されます」とデモンストレーションして
見せた。
8
日に
行われたセレモニーには、
本展のナビゲーターを
務める
俳優・
八嶋智人さんが
登壇。「(
音声ガイドを
録ったので)
作品は
把握していましたが、
本物の
作品を
間近で
見たら、
脳がグラグラするような
衝撃を
受けました。
自分が
当たり
前だと
思っていることが
覆される、
不思議な
世界にどっぷりと
浸かって
頂きたい」とコメントした。
新鮮な
発見と
驚きに
満ちた
本展。
難しい
理屈は
抜きにして、この
夏、
現代美術が
奏でる“だまし
絵ワールド”に
足を
踏み
入れてみては?
【
イベント情報】
だまし
絵II
進化するだまし
絵 Into the Future
会場:
Bunkamura ザ・
ミュージアム住所:
渋谷区道玄坂2-24-1 Bunkamura B1
階会期:8
月9
日から10
月5
日時間:10
時から19
時(
入館は18
時まで)
料金:
一般1,500
円、
大学・
高校生1,000
円、
中学・
小学生700
円岸由利子