抄録
ミックスダウンとは,各トラックの音素材に対して音質加工や音量・音像定位調節を施す音楽制作プロセスである.そのデザインが制作物の最終的な聞こえを大きく左右する.意図を反映するミックスダウン結果を得るためには,高度な知識と経験が必要となる.我々は,目標とする事例のミックスダウンデザインの転写処理によってミックスダウンプロセスを支援するシステムを提案してきた.デザイン転写を実施する際には,A,B,サビなどの音楽構造,楽器種や奏法の類似性がタグとして利用される.本論文では,これら人間にとって直感的な認知的特徴をシステム内部で取り扱うための音響信号の解析処理について述べる.