対たいドルレートの円えん安やすに加くわえ、対たい人民元じんみんげレートでも深刻しんこくな円えん安やすが進すすむ　1人民元じんみんげん＝14.5円えんが4年ねんで22.2円えんに

　円えん安やすが止とまらない。6月28日にちから7月がつ1日にちにかけての対たいドルレートは1ドル＝161円えん台だいまで進すすみ、1986年ねん12月がつ以来いらいの円えん安やすを記録きろくしているが、対たい人民元じんみんげレートでも円えん安やす傾向けいこうが顕著けんちょである。

　円えん対たい人民元じんみんげレートについて、少すこし長ながめの日足ひあしチャートをみると、2020年ねん3月がつに1元げん＝14.567円えんの天井てんじょう（円えん高だか）を付つけると、その後ごははっきりとした円えん安やすトレンドを形成けいせいしている。細こまかくみると、2022年ねん10月がつから数すうか月げつにわたり押おし目めがあり、2023年ねん12月にも浅あさい押おし目めがある。しかし、この1年ねんは、押おし目めらしい押おし目めもなく、円えん安やすトレンドが加速かそくしており、7月がつ1日にちには22.200円えんの安値やすねを記録きろくしている（中国ちゅうごく外貨がいか取引とりひきセンターにおけるCNYJPYレート）。

　2023年ねんにおける日本にっぽんの最大さいだいの輸入ゆにゅう先さきは中国ちゅうごくであり、全体ぜんたいの22.2％を占しめる（円えんベース、速報そくほう値ち、財務省ざいむしょう貿易ぼうえき統計とうけいより）。第だい2位いは米国べいこくだがその比率ひりつは10.5％しかない。日本にっぽんは食料しょくりょう品ひん、生活せいかつ必需ひつじゅ品ひんなど多おおくの身みの回まわり商品しょうひんを中国ちゅうごくから輸入ゆにゅうしており、輸入ゆにゅう物価ぶっかの上昇じょうしょうを招まねく円えん安やす人民元じんみんげ高だかは、庶民しょみんにとって厳きびしい。

　人民元じんみんげは円えんに対たいしては強つよいが、ドルに対たいしては弱よわい。インフレに悩なやまされている米国べいこくと、むしろデフレ気味ぎみの中国ちゅうごくとでは金利きんり差さがあり、それが人民元じんみんげ安やすを誘発ゆうはつしている。

　一方いっぽう、日本にっぽんとの比較ひかくでは中国ちゅうごくの方ほうが、金利きんりは高たかい。しかし、日本にっぽんではインフレが進すすんでおり、金融きんゆう政策せいさくの方向ほうこう性せいとしては、緩和かんわから中立ちゅうりつ（正常せいじょう化か）に向むかおうとしている。中国ちゅうごくは不動産ふどうさん不ふ況きょうからの脱出だっしゅつに苦労くろうしており、現げん段階だんかいでは金融きんゆう緩和かんわの余地よちがある。金利きんり見通みとおしの違ちがいといった観点かんてんからすれば、円えんは人民元じんみんげよりも強含つよふくみんでもよいように思おもうが、実際じっさいは逆ぎゃくの動うごきとなっている。