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 極東委員会と文民条項 | 日本国憲法の誕生

資料と解説

4-11 極東きょくとう委員いいんかい文民ぶんみん条項じょうこう

極東きょくとう委員いいんかいが1946(昭和しょうわ21)ねん7がつ2にち採択さいたくした「日本にっぽんしん憲法けんぽうについての基本きほん原則げんそく」には、国務大臣こくむだいじん文民ぶんみん(civilian)、すなわち軍人ぐんじんでなければならないとする原則げんそくまれており、8がつ19にちにはマッカーサーもこのことについて吉田よしだ首相しゅしょうもうれた。しかし日本にっぽんがわは、だい9じょうだい2こう軍隊ぐんたい保持ほじきんじている以上いじょう軍人ぐんじん存在そんざい前提ぜんていとした規定きていくのは無意味むいみであると主張しゅちょうし、文民ぶんみん条項じょうこうかないことでGHQがわ了解りょうかいた。

ところが、いわゆる「芦田あしだ修正しゅうせい」により、だい9じょうだい2こうに「前項ぜんこう目的もくてきたっするため」という語句ごくくわえられていたことに極東きょくとう委員いいんかい注目ちゅうもくしたため、文民ぶんみん条項じょうこう問題もんだいさい浮上ふじょうすることとなった。すなわち9がつ21にち会議かいぎで、中国ちゅうごく代表だいひょうが、日本にっぽんが「前項ぜんこう目的もくてき以外いがい、たとえば「自衛じえいという口実こうじつ」で、実質じっしつてき軍隊ぐんたいをもつ可能かのうせいがあると指摘してきした。そのため、検討けんとう結果けっかどう委員いいんかい文民ぶんみん条項じょうこう規定きていあらためて要求ようきゅうすることになった(同月どうげつ25にち決定けってい)。どう委員いいんかい意向いこうは、ホイットニー民政みんせい局長きょくちょうから吉田よしだ首相しゅしょうつたえられ、貴族きぞくいんにおける修正しゅうせいにより、憲法けんぽうだい66じょうだい2こうとして文民ぶんみん条項じょうこう追加ついかされた。

なお、「文民ぶんみん」とは、このとき貴族きぞくいんしょう委員いいんかいでcivilianの訳語やくごとして考案こうあんされた造語ぞうごである。

資料しりょうめい Transcript of Twenty-Seventh Meeting of the Far Eastern Commission, Held in Main Conference Room, 2516 Massachusetts Avenue, N.W., Saturday, September 21, 1946
年月日ねんがっぴ September 21, 1946
資料しりょう番号ばんごう 極東きょくとう委員いいんかい文書ぶんしょ Records of the Far Eastern Commission, 1945-1952 Box No. 7 "FEC Verbatim Transcript of Meetings 26-33 (1946.9.19-1946.11.1)" <Sheet No. FEC(A)0085>
所蔵しょぞう 国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん
はら所蔵しょぞう 米国べいこく国立こくりつ公文書こうぶんしょかん(RG43)
注記ちゅうき マイクロフィッシュ
資料しりょうめい Further Policies relating to a New Japanese Constitution (FEC-087/9)
年月日ねんがっぴ 25 September 1946
資料しりょう番号ばんごう 極東きょくとう委員いいんかい文書ぶんしょ Records of the Far Eastern Commission, 1945-1952 Box No. 204 "Policy No.18; Further Policies relating to a New Japanese Constitution (FEC 089/9, 1946.9.25)" <Sheet No. FEC(A)1023>
所蔵しょぞう 国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん
はら所蔵しょぞう 米国べいこく国立こくりつ公文書こうぶんしょかん(RG43)
注記ちゅうき マイクロフィッシュ
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