お笑わらい2024.03.21 06:00

三宅みやけ敏さとし

撮影さつえい・白石しらいし智彦ともひこ＝2024年ねん3月がつ11日にち、吉本興業よしもとこうぎょう本社ほんしゃ

◆ドーナツ・ピーナツNSC東京とうきょう19期き(=大阪おおさか36期き)の2人ふたりによって2014年ねん(平たいら26)4月がつ、コンビ結成けっせい。22年ねん上方かみがた漫才まんざい協会きょうかい大賞たいしょう新人しんじん賞しょう。23年ねんytv漫才まんざい新人しんじん賞しょう決定けってい戦せん準じゅん優勝ゆうしょう。23年ねんM―1グランプリ準決勝じゅんけっしょう進出しんしゅつ。

【ドーナツ】写真しゃしん右みぎ。92年ねん6月がつ21日にち、北九州きたきゅうしゅう市し出身しゅっしん。趣味しゅみは料理りょうり、食たべ歩あるき、酒さけ。身長しんちょう178センチ。

【ピーナツ】92年ねん12月3日にち、北九州きたきゅうしゅう市し出身しゅっしん。趣味しゅみは読書どくしょ、散歩さんぽ、レコードを聴きくこと。好すきなスポーツはバスケットボール、サッカー。身長しんちょう164センチ。

最後さいごのytv漫才まんざい新人しんじん賞しょう逃のがす

関西かんさいの若手わかて芸人げいにんにとって「10年ねん」という節目ふしめは大おおきな意味いみを持もつ。大阪おおさかで開催かいさいされるお笑わらいの賞しょうレースの多おおくに「デビュー10年ねん以内いない」という参加さんか資格しかくがあるためだ。

ドーナツ・ピーナツは2014年ねん(平たいら26)4月がつに結成けっせい。3月3日にちに行おこなわれた「ytv漫才まんざい新人しんじん賞しょう決定けってい戦せん」は正真正銘しょうしんしょうめいのラストイヤー、ラストチャンスでもあった。

決定けってい戦せんに残のこった7組くみが漫才まんざいを披露ひろうし、そのうち高こう得点とくてんの2組くみが最終さいしゅう決戦けっせんで闘たたかうシステム。ドーナツ・ピーナツは、その2組くみに残のこることができなかった。

ドーナツ (敗退はいたいが決きまって)いろんな感情かんじょうがわきあがりました。「もう一生いっしょう、この大会たいかいには出でられないんや」という寂さびしさ、「ネタには自信じしんがあったのに…」という悔くやしさも。それでも、11年ねん目めに入はいっても、僕ぼくらの漫才まんざいはまだ続つづくので、新あらたな思おもいで進すすんでいくだけです。

ピーナツ(ytv漫才まんざい新人しんじん賞しょう決定けってい戦せんで負まけたとき)僕ぼくは、どういうわけか「悔くやしい」という気持きもちはなかったんです。やることはやったんだから「しょうがない」「自分じぶんたちに運うんが向むかなかったんだから」と思おもってました。

ytv漫才まんざい新人しんじん賞しょう決定けってい戦せんには昨年さくねんも出場しゅつじょうした。1本ほん目めの漫才まんざいでは同期どうきのダブルヒガシと同点どうてんで、ともに最終さいしゅう決戦けっせんへ。そして最終さいしゅう決戦けっせんでは審査しんさ員いん票ひょう4対たい1で敗やぶれた。

G大阪おおさか公認こうにん　応援おうえん番組ばんぐみMC

昨年さくねんの無念むねんを胸むねの内うちに秘ひめ「今年ことしこそ!」の気持きもちはあったはず。しかし、ライバルたちも必死ひっしで牙きばをむくのが、競争きょうそう世界せかい。リベンジは成功せいこうしなかったものの、漫才まんざいの道みちはまだまだ先さきが長ながい。

休やすむ間あいだもなく、4月がつ8日にち(午後ごご7時じ30分ふん開演かいえん)の「ドーちゃんピーちゃんのネタちゃんコーナー」(大阪おおさかよしもと漫才まんざい劇場げきじょう=マンゲキ)をはじめ、ホームグラウンドのマンゲキ、なんばグランド花月ぐらんどかげつ(NGK)、森ノ宮もりのみやよしもと漫才まんざい劇場げきじょうなどの舞台ぶたいが待まっている。

また、Jリーグ・ガンバ大阪がんばおおさか公認こうにんの応援おうえん番組ばんぐみ「ガンバTV　青あおと黒くろ」(MBSテレビ、月曜げつよう深夜しんや1時じ59分ふん)のMCを今春こんしゅんから担当たんとうしている。

ドーナツ2月がつの沖縄おきなわキャンプを訪たずねて、ガンバの皆みなさんと仲良なかよくさせてもらいました。ポヤトス監督かんとくや遠藤えんどう(保ほ仁じん)コーチ、宇佐美うさみ(貴史たかし)さんらが見守みまもるなか、漫才まんざいまでさせてもらいました。

ピーナツもともとサッカーが好すきなので、今いまやバリバリのガンバサポーターです。DAZNに加入かにゅうして、全ぜん試合しあいを見みるようにしています。

福岡ふくおか出身しゅっしん 数学すうがくの補習ほしゅうで知しり合あう

大阪おおさかを本拠地ほんきょちとする漫才まんざいコンビではあるが、出身しゅっしんは2人ふたりそろって福岡ふくおか県けん北九州きたきゅうしゅう市し。高校こうこう時代じだいにドーナツとピーナツは出会であった。

きっかけは中間ちゅうかん試験しけんの数学すうがく。2人ふたりともまるで歯はが立たたず、100点てん満点まんてんで1ケタの点数てんすうだった。出来できの悪わるかった生徒せいとは、居残いのこりで補習ほしゅうを受うけなければならない。ピーナツが別べつの友人ゆうじん(ラッキョと呼よばれていた)と雑談ざつだんしている時ときに、ドーナツが参加さんかして、3人にんで話はなしが盛もり上あがった。

ピーナツそのときラッキョが「お前まえら2人にんで漫才まんざいやったら面白おもしろいで」と言いいだしたんです。

それまでは単たんに「数学すうがくが苦手にがて」という共通きょうつう点てんがあっただけの2人ふたりが、ラッキョの一言ひとことで距離きょりが縮ちぢまった。

ドーナツ高校こうこうを出でて、おカネを貯(た)めたら「とりあえず2人ふたりで東京とうきょうに出でよう」と決きめました。東京とうきょうなら芸能げいのう関係かんけいの事務所じむしょもたくさんあるだろうから。

お笑わらいに人生じんせいをかける。大おおきな夢ゆめを抱だいた九州きゅうしゅう男児だんじは、NSC東京とうきょう校こうに入学にゅうがくした。そこで大おおきな、大おおきな出会であいが待まっていた。

ドーナツNSCの授業じゅぎょうに中田なかたカウス師匠ししょうが来きておられたんです。僕ぼくらのネタを見みてくださいました。後日ごじつ、新宿しんじゅくのルミネtheよしもとに出向でむき「中田なかたカウス・ボタン」さんの出番でばんを見みせてもらって、その日ひのうちに「本気ほんきで漫才まんざいをするんなら、大阪おおさかがええで」と言いわれたんです。

本文ほんぶん残のこり42％　（1329文字もじ／3128文字もじ）